スタパ齋藤のApple野郎

iPhoneが写真とビデオのハブになっている

撮った静止画・動画は、とりあえずiPhoneに読み込む

 そー言えばここ数年ずっとこのスタイルだなーと思うのは、デジタルカメラで撮影した静止画や動画は「とりあえずiPhoneに読み込んでしまう」というワークフローだ。Macとカメラを直接接続してのテザー撮影以外、ほとんどiPhone経由で画像をMacに転送している。

 現在使っているデジタルカメラは、EOS 5Ds R、EOS R5、PowerShot G7 X Mark III、VLOGCAM ZV-1。ビデオカメラは、DJI POCKET 2、FDR-AX60、GoPro HERO10 Black。このうちEOS 5Ds Rはテザー撮影に使っているのでiPhoneへの画像転送は行わない。ほかのカメラは、撮影後にメモリーカードを抜き、アダプターを経由してiPhoneに画像を転送している。

 やや余談だが、以前はiPhoneとカメラをWi-Fi接続して画像を転送していた。のだが、カメラ側もiPhone側も操作が必要で、それが面倒に感じられたりして、結局は手間の少ないメモリーカード挿抜&iPhone操作というパターンに落ち着いた。

 結局Macに画像を転送するなら、抜いたメモリーカードを直接Macに挿せば? って気がするし、確かにそのほうが手っ取り早いってのもある。

 だがiPhoneを経由すると、いろいろとラク&画像の活用幅が広がるのだ。ナニカと好都合でもある。

 その理由は、とりあえずiPhoneに画像を読み込むと、画像がiCloud写真に保管されるからだ。クラウドへの転送ってわけですな。

iPhoneに「Lightning - SDカードカメラリーダー」をつなぎ、SDカードをセットすれば、簡単な手順で画像をiPhone(iCloud写真)に転送できる

 iCloud写真に保管された画像は、同じApple IDでログインしている全てのAppleデバイスから参照・利用できるほか、Webブラウザでもアクセスできるので、OSを問わず使える。Windows用iCloudアプリもあったりする。

デジタルカメラで撮った静止画・動画は、とりあえずiPhoneに転送。iCloud写真を利用する設定にしていれば、iPhoneへの画像転送=iCloudへの画像転送となり、多種多様なデバイスで画像を閲覧・利用することができるようになる。これはiPhoneの写真アプリでの表示例
iCloud(iCloud写真)に転送された画像は、たとえばmacOSの写真アプリでも表示・利用することができる。場合によってはiCloud上の画像が写真アプリ上に表示されるまで時間(数十秒から数分)かかることがある
こちらはウェブブラウザでiCloudにアクセスし、iCloud写真の画像を閲覧している様子。もちろん画像をダウンロードできる

 最近の世代のiPhoneはカメラ機能が秀逸で、かなり高画質。なのでiPhoneで商品撮影をすることが少なくない。iPhoneで撮った写真は間も無くiCloud(iCloud写真)に転送されるので、撮った写真をすぐにMacで編集することができる。

 もうちょっと高画質で、という場合はデジタルカメラで撮影。ストロボなど使いつつ撮影し、カメラからメモリーカードを抜いて、アダプターを使ってiPhoneに転送。すると、やはり同様にすぐにMacで写真を扱うことができる。

 出張時も役立つ。ロケにて撮影した写真は、ホテルなどWi-Fi環境がある場所で、iPhone(Wi-Fi接続済み)に転送。するとiPad(Wi-Fi接続済み)で写真を閲覧できるようになり、同行者と写真をチェックしたりできる。なお、Wi-Fi環境がない場所でもiCloud写真への画像転送はできるが、速度的にもコスト的にもWi-Fi環境下が有利なので、俺の場合はWi-Fi利用前提での転送を行なっている。

iCloud写真の有効化と使い方

 複数のAppleデバイスを使っている多くの人は、当然のようにiCloudおよびiCloud写真を有効化して利用していると思う。のだが、そうでない人もいると思うので、iCloud写真の有効化と使い方を少々ご説明。

 まずはiPhoneやiPadやiPod touchの設定。設定アプリ>ユーザー名>iCloud>写真を選択して「iCloud写真」をオンにする。これで設定完了だ。

iPhoneやiPadやiPod touchはこんな手順でiCloud写真を有効化する
iPhoneやiPadではモバイルデータ通信を使ってiCloud写真への画像転送や共有ができる。ただ、それなりのデータ通信量になるので、普段はOFFにしておくのが無難かも
こちらはMacでの設定。りんごマークのAppleメニューから、システム環境設定>Apple IDと進み、iCloudを選んで「写真」をオンにする

 こんな感じで、各種AppleデバイスでiCloud写真を利用できる。もちろんWebブラウザやアプリでiCloudにアクセスしてiCloud写真を利用することもできる。

取り込みは簡単、でも取り込めないケースもある

 撮影した画像をiPhoneなどに読み込む手順もシンプル。iPhoneなどにカードリーダーを接続し、メモリーカードを挿す程度だ。なお、カードリーダーは純正の「Lightning - SDカードカメラリーダー」が税込3850円、「USB-C - SDカードリーダー」が税込4950円。

iPhoneでの画像読み込み手順。まずはカードリーダーを介してメモリーカードとiPhoneを接続する。この写真のカードリーダーはApple純正品(A1595)で、現在Appleストアで売られているものだが、非常によく似た旧製品(A1441)があり、中古品などで流通していることがあると思われる。旧製品(A1441)は、現行品(A1595)より転送速度が遅いので、購入時にはご注意を
メモリーカードが認識されると、写真アプリに「読み込む」ボタンが表示される。これをタップすると、メモリーカード内の画像がサムネイル表示されるので、写真を選ぶなどして操作を進める
ここでは「すべてを読み込む」をタップした。すると全ての写真が選択されて自動的にiPhoneへの転送が始まる。転送終了後、メモリーカード内の写真を残すかどうかを選んで完了。転送した画像は写真アプリ内に表示される。iCloud写真設定が行われていれば、読み込んだ画像は間も無くiCloudにアップロードされ、ほかのデバイスからも参照・利用できるようになる

 という感じで、転送手順は至ってシンプル。俺の場合はいつも「すべてを読み込む」をタップし、転送後は「削除」している。当初「転送後すぐ削除はちょっと怖いかな〜」と思っていたが、転送の失敗は一度もなく、トラブルが起きても復元ソフト使えばいいやと思えるくらい、この画像転送ワークフローには信頼性があると感じている。

 ちなみに、多くのデジタルカメラなどで、このワークフローはフツーに使える。のだが、一部デジタルカメラなどではこのワークフローがスンナリと利用できないことがある。

 メモリーカード上に記録された静止画・動画が、DCF(カメラファイルシステム規格/デジタルカメラ画像などを記録するための事実上の標準規格)の規定に従って保存されていれば問題ないようだ。DCFの規定は「メモリーカード内のルートディレクトリ直下にDCIMフォルダを作って、そのなかに作ったフォルダに画像ファイルを記録しなはれ」というもの。DCIMフォルダ内に画像を格納したフォルダがあれば、このワークフローはフツーに問題なく使えるようだ。

 だが、全てのデジタルカメラがこの規定どおりに画像ファイルを保存しているわけではない。たとえばソニー「VLOGCAM ZV-1」とかは、静止画と動画の保存フォルダが異なるのだ。↓こんな感じ。

ソニー「VLOGCAM ZV-1」で静止画を撮影すると、メモリーカード内のDCIMフォルダ内に100MSDCFフォルダが作られ、そのなかに静止画が記録される。一般的なデジタルカメラと同じく、DCFの規定に則って保存しているわけですな
ソニー「VLOGCAM ZV-1」で動画を撮影すると、DCIMフォルダとはまた別のフォルダ内に動画ファイルが保存される
こちらはキヤノン「PowerShot G7 X Mark III」で使ったメモリーカード内。静止画も動画もDCIMフォルダ内(のフォルダ)に保存されている。ので、静止画も動画も一発でiPhoneへ転送できる

 VLOGCAM ZV-1は、動画をDCIMフォルダ内(のフォルダ)に保存しないので、iPhoneに読み込もうとしても(写真アプリだと)動画が表示されないのであった。なので、iPhoneに読み込みたい場合は、ファイルアプリでメモリーカード内の動画ファイルにアクセスして、手動でコピー保存などする必要がある。

 ちなみに、手持ちのカメラのうち、静止画も動画もDCIMフォルダ内(のフォルダ)に保存するのは、EOS 5Ds R、EOS R5、PowerShot G7 X Mark III、DJI POCKET 2、GoPro HERO10 Black。これらのカメラからは動画も静止画も一発でiPhoneへと転送できるので便利。まあ一般的なデジタルカメラはみんなこういう便利さがあると思う。

 一方、手持ちのカメラのうち、DCIMフォルダじゃない場所に動画を保存するのはVLOGCAM ZV-1とFDR-AX60。動画をiPhoneに転送するのに一手間かかって不便。これはたぶんAVCHD規格の保存方式に則って動画を保存しているからだと思われる。なおAVCHDはソニーとパナソニックが作った仕様だ。

 ところで、デジタルカメラで撮ったを片っ端からiPhoneに読み込みまくると、けっこー短期間でiPhoneやiCloudの容量を圧迫してしまう。俺の場合どうしているかと言えば、iPhone(iCloud)に読み込んだ後、一定期間ごとにiCloudから画像ファイルをダウンロードしてファイル名を年月日時間に変更してアーカイブしている。そしてiCloudからはファイルを削除している(各Appleデバイスの写真アプリからも削除される)。撮った全てをよく閲覧するわけではないので、「これはけっこう見そう」というのみ残して別途保管しているのであった。

 ともあれ、iCloud写真の利用と、デジタルカメラ(のメモリーカード)からiPhoneなどへの転送はナニカと便利。今後もガシガシ活用してゆきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。