スタパ齋藤のApple野郎

さよならiPod……アーッ!!! まだ7台も持ってるーッ!!!

長〜く使ってきたiPod、でも終了……ですよね〜

手持ちのiPodを出してきたら、7台あった。一時はこの倍くらいの台数があったが、iPod touch以降は「ためてもしょうがない」ということで都度手放してきたのであった。いや〜でも今も大好きなデバイスのひとつである。

 すでにニュースになっているが、Appleは「iPod touch」について在庫限りで販売を終了すると発表した。iPodはAppleのメディアプレイヤー(音楽プレイヤー)シリーズで、iPod touchは現在販売されている唯一のiPod。つまりiPodシリーズはこれにて終了するようだ。登場から約20年だそうだ。

 俺の場合、初のiPodは2002年に買ったWindows版iPod。確か「A1019」というモデルで、HDD容量は10GB。HDDってトコロが時代を感じさせる。その20年前のiPodのレビュー記事↓がまだ読めるってトコロにインプレスの歴史を感じる。

Windows版(Windows用ソフト同梱)iPod。20年後の現在でも通用する美しいデザインであった。専用ケースとともに買ったという記憶がある

 HDDやメモリに音楽ファイルを入れて聴くメディアプレイヤーを好んで使った俺の場合、iPod以外にもいろいろなメディアプレイヤーを使ってきた。のだが、台数的にはiPodがいちばん多かった気がする。音もイイし操作性もイイし、使っていて気分もいい。シリーズの歴史が長く急に生産終了になるような危うさもなかったので、安心して使い続けられた。

 でも終了。なぜ?

 って、そりゃ、またもやスマートフォンがひとつのハードウェアジャンルを吸収してしまったからだ。スマートフォンはカメラもオーディオも身近なガジェットもぜーんぶ吸収してアプリとして再定義してしまう。そしてiPhoneというスマートフォンは自社のiPodというハードウェアまで吸収してしまった。

 つーか、いやApple製品で音楽聴くってなれば、フツーにiPhoneとかを使うでしょ? という時代になったわけですな。音楽のサブスクリプションサービスが当たり前になった現在、プレイヤー内に音楽ファイルを入れる専用メディアプレイヤーを不要と思う人がマジョリティーに。iPodをわざわざ買う必要性はとても小さくシュリンクしてしまった。

 ですよね〜。iPod好きとか言いつつ、俺だって最近はほぼ使ってないし。使う必要が全然ナイのであった。

現在のiPhoneはストレージ容量も大きく、音楽はクラウドからストリーミングやダウンロードで聴ける。iPhoneの機能とアプリと環境が、iPodの機能性をすべて吸収してさらに上回ってしまった

 でも、現在、敢えてiPodの電源を入れてイジってみると、イイんスよ〜コレが。まあ現在のiPhoneと比べると不便なんだが、独特の感触の良さと完成度の高さを改めて感じる。てなわけで、今回は手持ちのiPodをちょっと振り返って2022年iPod不要不急レビューを書いてみたい。

ナゼか2台も持ってるHDD型iPod

 iPod初号機は2001年10月発売の「iPod (Scroll Wheel) M8541」。HDDを内蔵したタイプだった。HDD容量は5GBと10GB。そこからiPodは毎年のように新型が発売されつつ、HDD容量が増加していった。

 HDD容量が増加すると思わずポチッとしてきた俺だが、一時は「新しく買った大容量iPodしか使わない」ということで、小容量となったモデルを“積みiPod”していた。重ねて置いて死蔵していただけだが。これはその後、拙宅を訪れる友人知人関係者に譲った。徐々にiPodが周知されて人気が出て「あっスタパさんそれiPodですか? えっ、余ってる!?」みたいな流れがアリガチであった。

 で、現在手元に残る最古のiPodが、モデル「A1238」。「iPod classic」と呼ばれるモデルで、2007年9月の発売時に購入。HDD容量は160GBだ。

iPod classicの160GB品。アーッ!!! ナゼか2台持ってるーッ!!!

 久々にiPod classicを出してみたら、えっ? 2台ある。ナゼ?

 ……記憶を辿ってみたら、記憶は見事にシナプス切れを起こしていて呼び出せない。んぬぬぬぅ〜? とインターネットを検索しまくったら、レビュー記事を書いていた。

 なんとなく思い出した。2007年9月発売のiPod classic 160GBは、その後もずーっと「iPodのなかでは最大容量」だった。iPod classic 160GB以降、AppleはiPodの新機種をガシガシ発売しまくったが、どれもフラッシュメモリに曲を入れるタイプ。メモリ容量は徐々に増えていったが、それでもなかなか160GBを超えることはなかった。

 そうしているうちに、iPod classic 160GBが販売終了に。結局、160GB以上の容量があるiPodは、2019年5月発売のiPod touch (第7世代 / 最大容量256GB)まで登場しなかったのだ。

 そんなような背景がありつつ「やべぇAppleは大容量iPodを出す気が全然なさげ」とか焦り、予備のiPod classic 160GBを買った……ような気がする。いや俺ってそういうことしがち。たぶん銀色のほーを予備として買ったのだと思う。

 ちなみに、この2台のiPod classic 160GB、電池切れだったが充電したら問題なく使えた。当時入れた曲がそのまま残っており、いい音で奏でられた。じゃあ今の世代のMac&macOSに接続したら使える……のかどうかは、試していない。

iPod classic 160GBの充電や曲の転送は「Dock Connector」という古い規格のケーブルで行う。USB充電対応。こういうのを持っている(しかも5本くらい&そのうち3本は新品状態である)俺もまあ物持ちがいいと言えよう

 でも正直なところ、現在ではもう使う気が起きない。この世代のiPodに愛着がある人にとってはナイスなメディアプレイヤーだと思うが、曲を探したり並べたりといった「音楽の扱いやすさ」が……たとえば第7世代iPod touchあたりと比べるとまるで異なる。

 まあでもその一方で曲の転送さえできれいれば、完全にスタンドアロンで使えるiPod classic。人類が滅亡しそうになっても、充電方法と有線イヤホンが確保できれば、無法者だらけの砂漠を歩いてサバイバルしているときでも好みの音楽を聞けて心の平安が得られそうなので、手元に残しておこうかなと思う。

その後はiPod touchを中心に

 容量の関係で、その後もiPod classic 160GBをけっこう長く使っていたと記憶している。でも、次々発売された新型iPodにも手を出しまくっていた。

iPod classic 160GBを使いつつも、フラッシュメモリベースのiPodにも手を出した

 フラッシュメモリに曲を入れるタイプのiPodで、「これも残しておきたいかも」と思うのが「iPod touch (第4世代) A1367」。2010年10月発売、だと思うが、iPhone 3Gから通話系の機能を外したような端末だった。

 iPhone 3Gは日本で初めて発売されたiPhone(発売日は2008年7月11日)。最初は「なんだこのク●端末は!!!」とシャウトするほどバグり気味な端末であったが、ソフトウェアアップデートで急速に「なにこの便利端末ぅ〜♪」と変化。鮮烈な記憶として俺内部に刻まれている。

 まあ結局ステキなiPhone 3Gであったが、第4世代iPod touchは、そのiPhone 3Gと使用感がよく似ていた。激似。違いは通話機能がないあたり。iPodなのにGPSが使えて、写真に位置データを埋め込むこともできるのであった。

iPhone 3Gのような使用感の第4世代iPod touch。形状もよく似ている

 あと、この時代のAppleデバイスは、いろいろとハデ。たとえばiPhone 3Gはスリープからの復帰時にジャキッ!!! と音がして、スリープへの移行時にチャッ!!! と音がした。拳銃かオマエは、的な。そんな、なんかこう派手めの遊び心が随所に散りばめられていた。手持ちの端末で、そういう“かつてのApple風味”を残しているのはこの第4世代iPod touchだけなので、時々起動しておもしろがるために残しておこうかな、と。

 ほかにも、第5世代iPod touch(A1421 / 2012年10月発売)や第7世代iPod nano(A1446 / 2015年7月発売)、ナニカを買ったら付属していた第4世代iPod shuffle(A1373 / 2015年7月)があるが、これらのうち、そこそこよく使ったのは第5世代iPod touch。iPhone的に使えるのがおもしろかった。

 その後、俺にとって最後のiPodとなったのは、第7世代iPod touch(A2178 / 2019年5月発売)。けっこうハイパフォーマンスのプロセッサを搭載し、最大容量は256GB。時代的には「敢えて買わなくてもいいかな」的なiPodではあるが、ミョーに惹かれており、今でも時々イジっている。

処理速度も容量も、いろいろ可能性を感じさせてくれる第7世代iPod touch。最後のiPodである
サイズ感も非常にイイ。薄さもイイ。なのに、けっこーな高性能という、そのギャップがイイ
上が第7世代iPod touch、下が第5世代iPod touch。(PRODUCT)RED好きな俺であった
GPSもないしモバイル回線に直接アクセスできないしタッチ決済にも非対応だが、それ以外でできることは今時的なiPhoneにかなり近い

 ……じつはこの第7世代iPod touchにeSIM対応板が登場してその名も「iPhone nano」とか言っちゃって小型端末好きを狂喜乱舞させるという異世界を妄想していたが、そのようなことは起きなかった。でもコレ、ツカエる……いや遊ぶのに使える、とても愉快な端末なので、しばらく手元に置いてイジって楽しもうと思う。

 いや〜しかし振り返るとiPodって非常に楽しいデバイスであった。長年楽しませてくれたiPodに、感謝ッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。