スタパ齋藤のApple野郎

iCloud対応、iPhoneでもMacでもメモを同期できるスティッキーズ的なアプリ×2種類を使ってみた

iCloud対応のスティッキーズみたいなアプリはないかな〜

 ナニゲにスティッキーズを使い続けている俺。macOSに古くからあるメモアプリで、メモを書いた付箋紙をデスクトップに貼るようにして使っていける。しかし、古いアプリなのでiCloud非対応。Mac上でしか使えないのが残念、てな話を前回で書いた。

 macOSの標準アプリとして「メモ」がある。これはiCloud対応で、iOSやiPadOSの標準アプリ「メモ」と同期する。けっこう……いや、かなり高機能なアプリであり、スティッキーズ的に使えないこともないので、素直にMac/iPhone/iPadともに「メモ」アプリで各種メモを共有すればいいのである。

 だが、メモアプリには、なーんかスティッキーズ的なカワイさが足りない気がする。また、フォルダ階層でメモを細かく分類管理できたりするので、スティッキーズ的に気軽に(というかテキトーに)使うと、メモアプリ上にマジメに管理しているメモが探しにくくなったり扱いにくくなったりする……気がする。

 なので、一時的に「とりあえずメモって間もなく消す」的なメモは、メモアプリとは別のアプリで取りたいのだ。でも取ったメモは、Mac/iPhone/iPad間で自動的に共有されてほしいという今時的な機能面での希望がある。

 というコトで、iCloud対応のスティッキーズみたいなアプリはないかな〜と探してみた。そして2本ほど発見。「Cloud Sticker」「Memo • Sticky Notes」である。どちらもメモがMac/iPhone/iPad間で自動的に同期される。また、どちらもフル機能を使うには有料となるアプリだ。

「Cloud Sticker」アプリ。iCloud経由でメモが同期されるスティッキーズ風のメモアプリで、メモはデスクトップ上に貼るような感じで使える。購入するとフル機能が使えるようになる買い切りのアプリで、俺が購入したタイミングでは370円だった。
「Memo • Sticky Notes」アプリはスティッキーズ風にも表示できるメモアプリで、これもiCloud経由でメモが同期される。かなり高機能で、どちらかといえばApple純正「メモ」アプリに近い。フル機能を使うためにはサブスクリプションの購入が必要で、Appストアでは、280円からのサブスクリプション料金がかかる(年間だと1080円)と表示されている。

 両方を(課金して)使い比べてみて、俺的によかったのはCloud Stickerのほう。よりスティッキーズに近いという印象があり、現在は徐々にスティッキーズの代替アプリとして使用頻度が高くなっている。

クセがあるが、深く考えずに使えるCloud Sticker

 以下、両アプリの使用感など書いてみる。で、まずは俺的によかったCloud Stickerから。

 Cloud Stickerはシンプルなメモアプリで、付箋のようなメモを画面上に貼っていく感覚で使える。基本的な機能はフォントサイズや付箋の色を変える程度で、あまり凝ったことはできない。基本的にはiCloud対応のスティッキーズといった感じで使える。

Cloud Stickerの表示例。デスクトップ上に付箋紙を貼る感覚で使える。上はボタン類を表示した状態、下はボタン類を消した状態。なかなかスティッキーズっぽい。ウィンドウが常に最前面に来るように(ピン留め)することも可能。
iPhoneでの表示例。iPhoneで追加や編集したメモは、MacやiPadにも同期して表示される。ウィジェットにも対応。
こちらはiPad miniで表示した様子。
Cloud StickerのmacOS版には「キャッシュ」という機能があり、ステージングエリアと呼ばれる場所にメモを一時的に格納しておくことができる。格納したメモはMacの画面上からは消えるが、iPhoneやiPadのアプリ上には表示されたままとなる。
macOS版Cloud Stickerの環境設定ウィンドウ。スティッキーズ的アプリとして必要最小限のことができるという印象だ。

 使っていて、ほんの少しビミョーな感じがするのは、同期のタイミングがやや遅いこと。あまりないシチュエーションだとは思うが、iPhone上でメモを書いたり修正したりして、横に置いたiPadのメモを見ていると「あれぇ〜いつ同期されるの?」と待たされる感じ。まあそのうち同期されるわけだが。

 もうひとつ、ウィジェット上にもメモが表示されるが、そのメモはそのデバイス上で作成したり修正したりしたものになるようだ。最も新しいメモをウィジェットとして表示してくれたほうがいいような……まあ素直にCloud Sticker本体を開いたほうがいろいろ手っ取り早いのであまり気にならないのだが。

 そんな感じで使えるCloud Sticker。あまり深く考えずとも便利に使えるアプリなので、Mac/iPhone/iPad間でスティッキーズ風味を楽しみつつシンプルにメモの共有をしたいという人にはいいかも。

Memo • Sticky Notesの高い機能性に「?」を感じた俺

 続いてMemo • Sticky Notes。俺的にはいまひとつ好めないアプリとなった。理由は、サブスクリプションのアプリで、同時にかなり高機能であること。高機能アプリのサブスクリプション料金としては妥当もしくは安いとは思う。しかし「できること」の多くがmacOS/iOS/iPadOS標準「メモ」アプリとカブっているのであった。

Memo • Sticky Notesを使っている様子。左にあるのがメモを一覧できるウィンドウで、右に開いているのはそれぞれのメモ。機能的にはApple純正メモアプリによく似ている。Apple純正メモアプリのメモの個別ウィンドウ表示を、スティッキーズっぽくしているアプリと言えたりするかも。
メインのウィンドウをよく見ると、フォントなどをより手軽に変更できるなど、メモをより手軽に使えるようにする機能性を見つけられる。フォントサイズの自動調整なども可能で、ウィンドウサイズ調節=フォントサイズ調節といったスムーズな操作ができる。
iPad版の表示例。ウィジェットもある。
iPhone版の表示例。こちらもウィジェットがある。右はサブスクリプション開始表示。480円からとなっている(iPad版でも同様の表示)。Appストアの表示と違うのがよくわからない。

 使い勝手はいいのだが、なんかこー、俺が求めている“iCloud対応のスティッキーズ的アプリ”とは違うのであった。また、サブスクリプション料金もいまひとつクリアに見えてこない。ツイデに、ウィジェットは「ウィジェットとして1枚のメモを表示できる」という機能らしく、そのあたりの使用感も俺的にはビミョーという気がする要素なのであった。

 ……まあ結局スティッキーズがiCloud対応して、iOS/iPadOS版スティッキーズも登場して、各Appleデバイスでスティッキーズのメモを共有できればいいんスけどね。その希望をサードパーティアプリに求めるのも筋違いって感じなんスけどね。

 てな感じで、年を越してもまだスティッキーズにこだわっている俺なのであった。スティッキーズ、iCloud対応しないかな……。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。