スタパ齋藤のApple野郎

いまもなお、便利でかわいいスティッキーズ

“漢字Talk”時代からあった気がする付箋アプリ

 もうすぐ2022年なのに1995年くらいから存在していてあんまり変わらないMac用アプリことスティッキーズ(Stickies)を使用中の俺である。付箋紙のように使えるアプリで、テキストや画像をデスクトップに表示しておける。Macユーザーにはお馴染みですな。

 なお、調べてみたら、スティッキーズの最初のバージョンは、漢字Talk 7.5から搭載されたようだ。漢字Talk 7.5は1995年に登場したMac(Macintosh)用OS。海外ではSystem 7.5と呼ばれていたが、その日本語版が漢字Talk 7.5である。その後、日本語版OSもMac OSと呼ばれるようになり、さらには現在のmacOSという表記になりつつ、は〜いインターネット老人会閉幕。

 さておき、便利なんスよ〜スティッキーズ。デジタル版のポストイットという感じで使えて、ちょっとしたメモ書きをデスクトップに貼っておける感覚。アプリとしてはRTFDファイルを作れるテキストエディターで、つまりは多彩なフォントを使ったテキストおよび画像を扱える。現在の内容が自動的に保存されるので、書きっぱなし貼りっぱなしで使えて気楽なのもいい。

 仕事にもフツーに役立って、たとえばWeb記事を範囲選択してドラッグ&ドロップすれば、文章中のリンクを含めた情報がスティッキーズ上に保存される。資料集めなどのときにかなり役立ったりする。

黄色いのはスティッキーズのウィンドウ。右側はWebブラウザで、一部の情報を範囲選択してスティッキーズのウィンドウにドラッグ&ドロップしようとしている様子
範囲選択後、ポインタ上に乗せてマウス左ボタン長押し後に動かすとドラッグ&ドロップできる
ドロップ完了。Webページ上のものとだいたい同じフォントやレイアウトで、情報をスティッキーズ上にコピーできる

 メモからWebスクラップまでいろいろ使える。汎用性がありつつ、非常に手っ取り早く利用できて便利なのだ。

 また、アプリとしての存在感も、ある種“Appleらしい”という感じがある。できることはけっこう多いが、とっつきやすさがあり、外観も可愛らしい。デスクトップに彩りを添えてくれる感じもある。

ウィンドウのカラーは6色から選べる
ウィンドウ上部をダブルクリックすると、タイトルだけのウィンドウになる。メモ内容の1行目がタイトルとして扱われる

 ただ、残念ながら、iCloudには非対応。たとえば純正のメモアプリはiCloud対応で、Mac/iPhone/iPadのそれぞれのメモ内容が同期され、「Macで書いたメモをiPhoneで参照する」ということができるのはご存知のとおり。しかしスティッキーズではソレができない。

 スティッキーズもiCloud対応になって、iOS/iPadOS版のスティッキーズが登場し、iPhoneやiPadのホーム画面上などに付箋が貼れたりできればなぁ……と、多くのスティッキーズユーザーはずいぶん長い間思い続けていると思われる。が、その願いは叶っていないのであった。

スティッキーズの内容をiPhoneなどで見る方法は?

 じゃあ、スティッキーズのメモ内容を手軽にiPhoneやiPadで見る方法はあるのか? Macでスティッキーズ使いまくりでありつつ、スマートデバイスもApple製という人の場合、すでにやっているとは思うが、方法はある。

 スティッキーズの各ウィンドウ内容は、数ステップでメモアプリに書き出せる。具体的にはスティッキーズのメニューから、ファイル>すべてを“メモ”に書き出す…を選ぶ程度。

メニューからスティッキーズのすべてのメモは、メモアプリへと書き出せる
こちらはメモアプリ。メモアプリに「読み込まれたメモ」というフォルダが作られ、その下にスティッキーズのウィンドウカラー別のフォルダが作られ、それぞれのメモが入る。画像やフォント種類なども受け継がれる
これはiPhoneのメモアプリ。iCloud経由で同期されるので、Mac上と同じメモを閲覧できる。ただし、フォントはすべて引き継がれるわけではない

 Macのスティッキーズのメモ → Macのメモアプリのメモ → iPhone/iPadのメモアプリのメモ、としてスティッキーズの内容をAppleデバイス間で共有できるというわけだ。が、この方法があるってことは、やっぱり「もうスティッキーズをiCloud対応させる気とかないから、スティッキーズのメモはメモアプリに引っ越してネ♪」というAppleからのメッセージ……かもしれない。

メモアプリをスティッキーズ的に使ってみると……?

 今後ずーっとスティッキーズがiCloud対応しないどころか、スティッキーズ自体がなくなっちゃったりしたらイヤだニャと思う俺であるが、スティッキーズの代替品はなんだろう? と思って、試しにメモアプリをスティッキーズ的に使ってみることにした。結果、↓こんな感じに。

メモアプリは、メモのタイトル部分をダブルクリックすると、そのメモを単独のウィンドウとして表示できる。複数のメモを同時に参照しつつ、新しいメモになにかを書き込むといったことができる
上側は、スティッキーズからメモアプリに読み込んだメモを、単独のウィンドウ表示にしてソレっぽく並べてみた様子。下はスティッキーズのメモ

 お、メモアプリがちょっとスティッキーズっぽくなったかも。メモの単独ウィンドウをつねに最前列に表示することもできるし、スティッキーズのように小さくすることもできる。使い勝手もソコソコ……というかメモアプリの使い勝手であり、フツーにイイ。

 ……だが、スティッキーズと違うところも多々。たとえばスティッキーズのウィンドウはマウスポインターの一回り大きい程度のサイズにまで小さくできる。あるいは半透明にすることもできる。

 一方、メモアプリはそういうことができない。上のスクリーンショットのメモアプリの、猫やその手前のウィンドウは、メモアプリのウィンドウを最も小さくした状態で、けっこう大きめ。それとメモアプリはウィンドウの背景色も変えられない。スティッキーズの付箋らしさや可愛らしさはあんまりナイのであった。

 メモアプリのウィンドウはスティッキーズに比べると大きいが、最小限の表示にしたらさらに小さくなるかも? 実際にやってみた↓。

上側が先ほどと同じスティッキーズっぽく表示させたメモアプリのメモ。下はメモアプリのメニューから表示>ツールバーを非表示を選択し、ウィンドウ上部のツール類をなくしたもの。スッキリはしたが、最小ウィンドウサイズは変わらなかった

 ん〜、また一歩、メモアプリがスティッキーズの雰囲気に近づいた? しかし、もうこれ以上、スティッキーズっぽくする方法は、ない、かも、しれない。

 ってゅーか、なにしてんの>俺? 年末の忙しさから現実逃避してんの>俺? 暇なの>俺?

 いや〜もうすぐ注文したMacBook Proが届くんスよ〜♪ 「MacBook Pro届いたら使用中のMac miniと共存かな」「Mac miniのスティッキーズのメモをMacBook Proでも使いたいなぁ」とか考えた結果の試行錯誤なのであった。

 ていうか年末ですな。早っ。

 今年も本連載をご愛読いただき、ありがとうございました。皆さま、良いお年をお迎えください。

 って、年末の挨拶、まだちょっと早っ。でも本連載は今回が本年最後の更新なのであった。ということで、また来年ッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。