スタパ齋藤のApple野郎

手袋をしたままiPhoneやiPadを使う方法

タッチパネル対応手袋以外の方法は?

 冬になると手が最強に冷えて寒まって痛まったりするので、手袋を使ったりする。だが手袋を使うと、iPhoneなどスマートデバイスの画面を指で操作することができない。静電容量方式のタッチパネルは指でじかに触れないと操作できないんですな。

 静電容量方式タッチパネルは、指などで触れると画面表面近くの電極の静電容量が変化する。その電極と隣り合う電極に電位差が生じたことを検知して「この部分がタップされた」などと判断して動作している。人体(指)の導通性の高さを利用した方式であるが、手袋をしているとその導通性が低くなったり失われたりして、画面操作ができなくなる。

静電容量方式タッチパネルは人体にわずかに電気が通る導通性を利用したもの。指でも顎でも鼻でも、画面に触れる面積がある程度狭ければ操作できる
このような厚手の手袋をすると、人体と静電容量方式タッチパネルの間の導通性が失われて操作できなくなる。ただ、手袋の指先部分などが湿っていたりすると、指と手袋の間に導通性が確保されることがあり、手袋状態でも操作できることがある

 じゃあ使ってる手袋の指先を湿らせてみる? いや〜それはちょっと……。

 なら、スマートデバイスを操作できる手袋を使う? 改めて買うのもちょっと……。

 ですよね〜。でも、フツーの手袋を装着したままスマートデバイスを使う方法はけっこうある。

 確実なのは“電導糸”と呼ばれる通電性がある糸を使う方法。手持ちの手袋の指先の表と裏を貫通するように電導糸で少し縫う。こうすると、指先と画面の間に導通性が生まれ、タップやスクロールなどの操作することができる。2本の指先を縫えば、ピンチイン・アウトなどの操作もできるようになる。

実際の電導糸。この糸で手袋の指先部分を縫えば、手袋をしたまま静電容量方式タッチパネルを操作できるようになる。電導糸が指先とタッチパネルの両方に触れるように、手袋を貫通させて縫うのがポイント。電導糸は手芸店やネット通販で購入でき、1mで100円前後といった値段だ

 針と電導糸と少しの手間で手持ちの手袋をスマートデバイス対応化! 縫うとか面倒? じゃあ別の方法を。

スタイラスペンを使う

 汎用のスタイラスペンを使えば、手袋をしたままでもスマートデバイス画面を操作できる。汎用スタイラスペンは大分して2種類あり、電源不要のものと電気式のものがある。このうち電気式のものなら、どんな手袋をしていてもスマートデバイス画面を操作できる。

電気式のスタイラスペン各種。電池を入れるタイプやUSB充電して使うタイプがある。電気によりペン先と画面が導通して静電容量方式タッチパネルを反応させるというしくみ。千数百円から5000円くらいまで、いろいろある

 ただ、電気式はそこそこお値段がするものの、けっこう当たり外れがあったりする。また電池交換や充電の手間も。

 一方、電池不要のスタイラスペンも、手袋をしたまま使えることが多い。手袋の材質や厚みにもよるが、俺が試した範囲では「使えないケースのほうが少ない」という印象となった。

手持ちの電池不要スタイラスペン各種。軍手や革手袋などを装着し、これらのスタイラスペンでiPhoneやiPadを操作したところ、全スタイラスペンで操作が可能だった

 スタイラスペンを買えば、手袋画面操作問題はだいたい解決すると思う。ペンはイヤ? では別の方法を。

導通性のある指サックを使う

 スマートデバイスでゲームをするときに指が滑らかに動くようにするグッズに、導通性を備えた指サックがある。「指の滑りが悪くてスムーズな操作ができない」という問題を回避するための、導通性がある布製指サック。

ゲーム向け指サック。画面を操作する指に装着してプレイすると、「指の滑りにくさ」を緩和することができる。画面に指紋が付かないというメリットも

 で、このテの指サックは、すべてってわけではないが、手袋の上に装着すると画面操作できるようになったりする。これも手袋の素材や厚みによってまちまちだが、スタイラスペンを使ったり電導糸で縫ったりするより身近な方法だと言えよう。

 さらに、「手袋の上から装着するとスマートデバイス画面を操作できるようになる」というズバリな製品もある。スギタの「YUBISAKI」という製品だ。

スギタ「YUBISAKI」各種。現在は新パッケージになっているようだ。ペンに装着して普通のペンをスタイラス化する「YUBISAKI ver PEN」という製品もある
軍手の上からYUBISAKIを装着した様子。問題なくiPhoneやiPadを操作できた

 俺の場合はYUBISAKIを気に入って使用中。ただ、この製品はやや高価。1パッケージに指サックが2本入っていて600円くらいする。指サック1本で300円くらい。

 Amazonで多数ヒットするゲーム用指サックは、10本入りで1000円前後。安いものだと10本で600円とか。1本で60円や100円。だが、当たり外れがけっこうあって、細すぎて手袋を装着した指が入らない(強引に入れたら開口部が裂けた)とか、手袋の上から装着すると画面操作ができないとか、指に直接装着しても操作が不安定だとか。手袋との併用は、試してみないとわからないという感じ。

 一方のYUBISAKIは手袋の上から装着して使うべくして生まれた製品。スマートデバイスをしっかり操作できるし、つくりもそれなりによい。ので、YUBISAKIを使用しているのであった。

(オマケ)スマートデバイス商品撮影に「スムス」と「YUBISAKI」が便利

 俺の場合、YUBISAKIを商品撮影時に使うことがある。スマートデバイス撮影時だ。

 商品撮影のときに大敵なのは、指紋やホコリなど汚れが付着した状態で撮影してしまうこと。撮り終えて画像編集時に「アーッ!!! スマートフォンの表面にホコリがーっ!!! 指紋もーっ!!!」となり、それらをレタッチで除去するのがスゲく面倒で時間がかかるのだ。除去できないケースもあり、再撮影となることも。

 そこで、撮影時にはなるべく綿の作業手袋(通称“スムス”)を装着。綿の薄手の手袋だが、これを装着して商品に触れれば、指紋が付着しない。また、商品に付着したホコリなどを指先で拭って除去することもできる。

スムスを商品撮影時に使用することが多い。上にあるのはYUBISAKI。両方組み合わせると、スマートデバイス商品撮影の効率が上がる

 スムスとYUBISAKIを組み合わせて使うと、単純に「スムスを装着していてもスマートデバイスの画面操作ができる」ということですな。スマートデバイスの商品撮影時には、画面表示込みの撮影になることもあるが、スムス装着だと画面操作できないし、スムスを外して操作すると指紋がついちゃうし……この問題をYUBISAKIが解決してくれるというわけである。

 以上、単純なTipsであった。終了。をはり。終劇。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。