スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

俺的大好物要素が多いタブレット「Samsung Galaxy Tab Active5 Pro」

 しばらく前に見たニュース。サムスン電子ジャパンから耐久性の高いAndroidタブレット「Galaxy Tab Active5 Pro(Wi-Fiモデル)」が発売されるというニュースだ。

サムスン「Galaxy Tab Active5 Pro」は高耐久性が特徴のAndroidタブレットだ。サムスン独自のデジタルペンであるSペンも使用可能。
一般向けにも法人向けにも販売されるが、なーんとなく業務用タブレットっぽい印象。直販価格は11万円
タフな環境下での使用を想定し、米国国防総省の「MIL-STD-810H」に準拠した耐久性を備えている。

 ふぅぅぅ~ん、サムスンもタフネスなタブレットなんだ~。IP68の防水防塵性能を備えていて、防塵等級も防水等級も最高等級。測位システムはGPS、Glonass、Beidou、Galileo、QZSS対応で、別途モバイル通信環境を整えればアウトドアで使えるタフなマップ・タブレットとしても使えそう。

 いいっスね~ こういうの。嫌いじゃないっていうか、モロに好み。大好物のど真ん中かも。

 ……20年前にこういう端末があったら、もう狂喜乱舞して興奮のあまり死んでたろうなあ。などと、アウトドアでタフ端末でGPSでマップという記憶が脳内を占拠したのであった。

 2006年、まだガラケーな時代だったころ、パナソニックのタフネスノートパソコンにGPSユニットを無線接続し、海上で使うGPSマップを構成したのだ。海の上って案外目印なくて迷いやすくて危険なので、その危険をテクノロジーで回避してゆきたいッ!!! みたいな?

パナソニックのタフネスノートパソコンとGPSユニットをBluetooth接続。GPSユニットは帽子に装着。GPS受信状況最高。タフネスノートパソコン上の海図(海の地図)に自船位置がバッチリ表示され、海上迷子を防げた。
ボートの操縦席近くに自製の海上GPSマップをセット。安全&快適に航行できた。
機材はタフネスノートパソコン+Bluetooth対応GPSユニットという感じ。20年前だとシロートが組めるのはこのくらいのシステムであった。
東京湾を余裕でクルーズ……って迷うような場所でもないんですけどネ。
隅田川から日本橋川へと遡上したりも。首都高の真下をクルーズ。遠くに見えるのは日本橋。
目論見通りタフネスノートパソコンとGPSユニットと海図で自船位置をバッチリ把握できてご満悦な俺。

 20年前はコレだけでご満悦だったが、現在だとご満悦どころかGPS対応のタブレット端末があれば誰でも一瞬でデキちゃうコトなんだよなあ?、などと遠い目をした俺。であったが、遠い目改め近い目となり上記ニュースをあらためて読んでビックリ!

 えっこの「Galaxy Tab Active5 Pro」ってAndroidタブレット……バッテリーを取り外せるとなーっ! しかも再起動せずバッテリー交換できるとなーっ! マジか2025年のタブレットなのにバッテリー交換式! ということで急激に興味がわいて借りてみたので、今回は「Galaxy Tab Active5 Pro」についてレビューしてゆきたいッ!!!

ハードな使い方にも対応する10.1インチAndroidタブレット

 Galaxy Tab Active5 Proは、前述のとおりIP68の防水防塵性能を備える防塵・防水タブレット端末。画面サイズは10.1インチ(1920×1200ピクセル/WUXGA)で、初期OSとしてAndroid15を搭載する。

 チップセットとしてクアルコム「Snapdragon 7s Gen 3」を採用し、6GBのメモリーと128GBのストレージを搭載。最大2TBまでのmicroSDカードにも対応する。Wi-Fi 6Eを利用でき(Cellular非対応)、Bluetooth5.4をサポートする。

 カメラは、アウトカメラが約1200万画素、インカメラが800万画素。生体認証は顔認証と指紋認証に対応。NFCを備える(おサイフケータイ非対応)。バッテリー容量は合計1万100mAhで脱着式。本体カラーはグリーンのみ。

本体の大きさは約170.2×242.9×10.2mmで重さは約680g。後述の付属カバー装着時は約852g。ディスプレイは10.1インチ(1920×1200ピクセル/WUXGA)のTFTパネル。
片手で持つことができるが、近いサイズの一般的なタブレット端末と比べると重め。
縦位置にして片手で持った様子。
履歴ボタン、ホームボタン(指紋認証センサー)、戻るボタンはタッチセンサーではなく物理ボタンになっている。手袋をしていても押しやす~い!
端末上部(横位置での左側)にはサイドボタン(電源ボタン)、音量ボタン、アクティブボタン(アクティブキー)が並ぶ。アクティブボタンはアプリの起動やバーコードのスキャンなど機能を割り振れる。
背面には、タフな端末って感じ! の構造? 装飾? がある。
Galaxy Tab Active5 ProはSペン対応で、Sペンが付属する。Sペン特有の滑らかでスムーズな書き(描き)心地が秀逸。
専用カバーが付属する。樹脂素材のセミハードカバーだ。
カバーを装着した様子。カバーは柔らかめなので着脱は比較的に容易。
裏から見た様子。安心感の高いカバーである。
カバー左端には付属のSペンが収まる。

着脱対応バッテリーを2本搭載、5050mAh×2本で合計10100mAh

 続いて、Galaxy Tab Active5 Proにおける俺的最大の関心事、取り外せるバッテリーである。

 取り外せるってコトはバッテリーが劣化したとか膨らんだりしたら、自分で新品と交換して端末の寿命を延ばせるってコト……だよね! バッテリーが心細い状況が想定された場合、予備バッテリーを用意すれば、「時間をつくってモバイルバッテリーからタブレットに充電」とかいうコトをせずに済むってことでしょ! 素晴らしいッ!!!

 と思っていたが、このGalaxy Tab Active5 Proのバッテリー、どうやらそれ以上の機能性をもって搭載されていた。ひととおり試してみたが、スッゲく良い!

端末裏面のパネル。向かって左上に切り欠きがあり、ここを取っ掛かりとして裏面パネルを外せる。
メキメキメキッと、背面パネルは外すことができる!
バッテリーやSDカードスロットが出現! バッテリーは2個入っている。
バッテリーをひとつ外しても本体はシャットダウンなどしない。ただしバッテリーが1本しか装着されていない状態だと本体は操作できない。バッテリーは1本ずつなら交換でき、交換中に本体がシャットダウンなどせず、バッテリーを2本装着すれば本体を操作できるという仕様だ。
バッテリー1本は5050mAh(19.44Wh)。2本合計で1万100mAh(38.88Wh)。

 すご~い! バッテリー交換式で、フォールトトレラントバッテリー、みたいな? Galaxy Tab Active5 Proで業務遂行中「あっバッテリーがもうすぐ切れる!」ってときになっても、用意した予備バッテリーと残量僅少バッテリーをおもむろに交換すればOK。

 バッテリーのホットスワップということで、端末がシャットダウンとかリセットされることなく、業務を続けることができるというわけだ。

 というか、業務ってほどでもなく一般的に使うタブレットとして、バッテリー交換式は非常に嬉しい仕様。だいたいこういうスマートデバイスで最初にヘタるのはバッテリーであり、それを単純明快に自分で交換することができるのは大きなメリットだ。

 こういう仕様のタブレット端末(やスマートフォン)、もっと増えてくれると嬉しい……と思う俺であった。

ちょ~っと特殊だが、ハマる人にはハマるGalaxy Tab Active5 Pro

 実際にしばらくGalaxy Tab Active5 Proを使ってみたが、使用時の印象はフツーにサクサクと動作するAndroidタブレットという印象だ。本体の重さが約680g(カバー装着状態だと約852g)と、このサイズのタブレット端末としては重めだが、気になったのはその程度。

専用カバー付きのGalaxy Tab Active5 Pro。せっかくカバーがあるんだし、カバーにはSペン用スロットがあるんだし……ということでカバー付きで運用。合計約852gはズシリとくるが、まあ慣れられる重さではある。

 一方で画面の明るさや視認性の高さ、それからSペンの利便性などは「この端末イイな」と思わせる要素となった。

 とくにSペンは便利……というか書き(描き)味が絶妙で、Apple Pencilのようにコツコツツルツルという違和感はなく、画面に対して適度な抵抗をもって書ける(描ける)のが印象的。Sペンの使いやすさから「やっぱりSペン使えるタブレット1台買おうかな」と思わされた。

Sペン使いやすいよぉ~! 書き(描き)心地がいいんだよぉ~! 画面に何とかペーパーとか貼る必要ないよぉ~! 的に使いやすいSペンなのであった。

 あと、Galaxy Tab Active5 Proは「過酷な作業現場向けにチューニングされたオーディオ」だそうで、「大音量スピーカー搭載で、屋外の現場など騒がしい環境でも、重要なアラームや音声が聞き取りやすくなりました」とのこと。試してみると……。

 なるほど聞き取りやすい。音楽的な音質で言うと決して高音質ではないのだが、声やアラートなどがシッカリ耳に刺さるように聞こえてくる。よーく聞こえる、聞き逃さない、という独自の音質・音量だと感じられる。

 あと話が飛ぶが、この端末、バッテリーを抜いてしまっても、USB Type-C給電だけでも動作するとのこと。バッテリーを使用せず、電源からデバイスに給電して動作させられるので、高温環境や据え置きの端末としても利用できるというわけだ。これもバッテリー着脱式端末の大きなメリットかもしれない。

バッテリーを2本とも抜いてしまっても、電源に直接接続することで端末が動作する。

 また話が飛ぶが、ホームボタンなどが物理ボタンだったり、額縁広めでホールドしやすそうだったりして、「手袋してても使いやすそう」と思ったので、試してみた。作業用のニトリル手袋で操作してみると……。

ニトリル手袋で持つとホールド性がより高くなって安定的に手に持てた。またボタン押下からタッチ操作まで、ニトリル手袋ごしでも問題なくスムーズに操作できた。スゲぃなGalaxy Tab Active5 Pro! と思ったが、iPhoneとかでも同様にニトリル手袋ごしで操作できたのであった。

 音が大きく明瞭だったり、頑丈だけど重かったり、バッテリー交換式でホットスワップゆえ交換時にも端末の状態が維持されたり、バッテリーなしでも動いたり、いろいろ特殊なGalaxy Tab Active5 Pro。個人的にひとつ「これも特殊?」と思ったのが、Wi-Fiのみに対応している点。

 つまりは屋外で使った場合、モバイル回線での通信ができないということだ。要テザリング。タフでサバイバルな感じのタブレットなのに、なーんでSIM使えないのぉ~? 今後、Wi-Fi+Cellular版が出てきたりするのだろうか? 謎。

 といった感じのGalaxy Tab Active5 Pro。まあ10.1型Androidタブレットで直販価格11万円は「……」って感じではあるが、Galaxy Tab Active5 Proならではの独自機能・付加価値を体験するほどに「あ~んがいリーズナブルかもしれない」という気になってくる。

 タフな端末で電池交換式でSペンで……と、俺としては大好物的要素が多いGalaxy Tab Active5 Pro、しばらくの間、ミョーに気になってしまうタブレットかもしれない。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。