スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

新型コロナが進化させた(?)俺的リモート会議環境2022

思えば3年前はショボめだった

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックから3年目の現在。2020年と現在2022年を比べると、いろいろと状況が変わった。個人的に変わったのはリモート会議のための環境だ。2020年に俺的リモート会議環境関連で↓こんな記事を書いていた。

 2020年当時のリモート会議環境において、まずWebカメラは目の高さにセットしていた。理由は、相手側に表示される俺の視線を、相手の顔を見ている雰囲気にするため。

ノートパソコンを机上に置いてのリモート会議を想定。ノートパソコン画面上部のカメラを使って会議に参加すると、会議中は画面を見ているので左画像のように下向きの視線になりがちで、「お疲れ?」「やる気なし?」みたいな印象を与えがち。右画像はあえてカメラに視線をやったもので、自然な雰囲気の視線となり、前向きに会議へ参加しているような印象も少し与える

 会話のときにこちらの視線がどこを向いているかで、相手が受ける印象が異なる。「話をするときは相手の顔を見て」というが、もしかしたら賛否両論あるかもだが、まあ相手の顔に視線を向けるのが自然だろう。ノートパソコンなどでこれをやるのは少々無理がある。話しているときは相手の顔を見てしまい、それをノートパソコン画面上部のカメラが撮影すると、視線はどうしても下向きになってしまう。

 これを解消すべく、顔と画面の間にWebカメラをセットしていた。そうすると、リモート会議中、まあだいたい俺の視線は相手の顔を見ている雰囲気になる。

顔と画面の間にWebカメラをセットし、画面上の相手の顔(Webカメラのすぐ後方)を見てリモート会議をしている様子。「この人ちゃんとこっち見て会議してる」って雰囲気になる。右はさらに専用の照明を使い、顔を照らし目にキャッチライトを入れた様子

 こんなふうに、顔をとらえるカメラの位置や照明を工夫するだけで、違和感の少ない顔&視線映像をリモート会議参加者に送れる。のだが、しかし、2020年当時の俺的リモート会議環境の舞台裏には「まあ相手には見えないけど、なんだかなぁ」的なイマイチ感があった。

Webカメラは顔と画面の間の空間にセットする必要があったが、ハリガネやらなんやらで工夫して固定していた。画面裏側のアーム類も煩雑。その場しのぎ感が強い
顔を照らすための照明は、画面の左右上部に装着した棒状LEDライト。十分な効果を発揮するライトではあるが、ん〜なんなコレも取ってつけたような……不自然な感じ

 その後、2021年ごろまでには環境が若干整理された。Webカメラスタンドやスマートに使える照明を導入したからだ。

市場にもリモート会議用品がいろいろ登場するようになった。これはサンワサプライの「Webカメラ用スタンド 200-DGCAM023」という机上用スタンドで、高さを21〜42.5cmの範囲で調節可能。Webカメラを画面と顔の間にセットするのにモッテコイであった
画面上部に、机上を照らすためのBenQ「ScreenBar Plus」(下)と、顔を照らすための棒状LEDライト(上)をセット。下のBenQ「ScreenBar Plus」は向きを変えられず顔を照らせないので、向きを自由に変えられる棒状LEDライトを重ねてセットしたというわけだ。この棒状LEDライトにより、顔をしっかり照らせる(右画像)

 もう少し早い段階でコロナが収束して以前のような対面会議とかになるのかな……と思ったら、コロナ禍が長引きリモートワークも定着して、俺的リモート会議環境も徐々に進化。修正を重ねて2020年のそれより快適になっていった。

2022年秋、修正に修正を重ねた俺的最新リモート会議環境とは?

 徐々に修正されていった俺的リモート環境だが、現在最も「こうしてよかった」と思えるのはWebカメラを支えるためのアームだ。机上のパソコン用ディスプレイを40インチの曲面ディスプレイにリプレイスしてしばらく経って、「あーコレは!」とあることを思いついた。

2021年10月に買った40インチワイド曲面ディスプレイことDell「U4021QW」。解像度は解像度は5120×2160ドット
机上に設置した様子
ちなみにコチラはそれ以前に使っていた4Kディスプレイ

 で、思いついた「あること」とは、「ディスプレイスタンドの出っ張りがWebカメラ設置の取っ掛かりになるのでは?」ということ。このディスプレイには、ディスプレイスタンドの棒状パーツが、なんかこー使いやすそうな感じで出っ張っている。そこにクランプ的なものをセットし、さらにアーム的なものを固定していけば……「スゲくシンプルに「Webカメラを自由な位置にセットできるかも!」と思ったのだ。

ディスプレイ背面にはディスプレイスタンドの一部である四角いポールが突き出ている。ここにCクランプ的なものを固定し、それを取っ掛かりにアーム的なものをつけ、その先にWebカメラをセットできないものか? と考えてイロイロ試していった
現在の俺的最適解がコレ。UTEBITブランドのセット品で、Amazonで2280円。このセット品のうちCクランプとフレキシブルアームだけ使った
ディスプレイ裏の四角いポールにCクランプをセット。このCクランプ、カメラ固定用ネジが多方向にあって好都合なのだ
その上にフレキシブルアームをセット。フレキシブルアームの先には自由雲台がついている
グニッと曲げてフレキシブルアーム先端の自由雲台をディスプレイ前方にもっていく
ディスプレイ前方はこんな感じ。あとはアーム先端の自由雲台にWebカメラをセットすればいい
こんな感じでWebカメラをセット。Webカメラの高さや位置はある程度自由に動かせる。Webカメラは自由雲台にセットされているので、カメラ向きは自由自在
Webカメラを使わないときは、アームごとディスプレイ裏側に回してしまう。ちなみにこのCクランプ、このように回したりディスプレイ前方に戻したりしても、クランプとフレキシブルアームの接続部ネジが緩みにくい構造なのもイイのである

 あぁ……これまでで、いちばんスッキリ感がある。そしてWebカメラの出し入れもワンアクション。

 ちなみに、上記のWebカメラ固定グッズは、結果だけ掲載しているものの、そこに行き着くまで紆余曲折があったのだ。テーブルの端にポールを立てて、そこから直角にアームを伸ばして、さらにディスプレイ前にもう1本のアームを下げるようにして……とか。ポールとかアームとか雲台とかいくつも使って。そんな地道な試行錯誤の結果、俺的に現時点でサイコーな感じのWebカメラ固定方法を見つけたんですよ!!! (40年前のロバート・オカザキの声で)わかってくださいよこのCクランプとフレキシブルアームの2つで十分ですよ!!! (40年前のハリソン・フォードの声で)No four. Two, two, four. And noodle!!!

 ただ、この方法だと、Webカメラ上部に三脚ネジ穴が必要である。まあでもこのフレキシブルアーム先端には雲台があるので、それを取っ掛かりにすれば、Webカメラの取り付け方法はいろいろあると思う。

このWebカメラは「LOGICOOL STREAMCAM」で、三脚ネジ穴がある台座をどの方向にも向けられる。ので、自由雲台が逆さまでも問題なく取り付けできる
このWebカメラの場合、台座底部に三脚ネジ穴があるが、底部台座を180°開くと三脚ねじ穴が上を向く。ので、自由雲台が逆さまでも問題なく取り付けできる。また底部台座を伸ばした状態でも安定する
買ったけどダメダメだったノーブランドWebカメラの台座に三脚ねじ穴があった。ので、その台座パーツを外した。写真のWebカメラには三脚ねじ穴がなかったが、ダメダメWebカメラから外した三脚ねじ穴つき台座パーツをテープで合体させて、自由雲台が逆さまでも取り付け使用できるようにした
フレキシブルアームの先端は自由雲台。取っ掛かりとなるので、工夫次第で三脚ねじ穴なしのWebカメラでも取り付けられるだろう
たとえば金属製洗濯バサミと、 3/8オス→1/4メスジアダプターを使う。自由雲台に金属製洗濯バサミを固定してWebカメラを挟んでセットしようという魂胆だ
フレキシブルアーム先端の雲台にパーツをセット
こんなふうに、三脚ねじ穴ナシのWebカメラでも固定できた

 カメラ+マイクとして使えるWebカメラはリモート会議では必須のアイテムだ。そのアイテムをすぐ出せてすぐしまえて、さらには目の高さに容易にセットできる。このフレキシブルアームを使い始めてから、俺のリモート会議準備はスゲくラクになったのであった。そしてディスプレイ周辺の状態もスッキリ♪

スピーカーやマイクはどうしているのか?

 リモート会議に必要なのは、パソコンとカメラとマイクとスピーカー。俺の場合、パソコンとしてMac Studio、カメラとして各種Webカメラ、マイクとしてサンワサプライ「USBマイクロホン MM-MCUSB25」、スピーカーは使わずイヤホンとしてApple AirPods Proを使っている。

メインマシンのMac Studioでリモート会議に出席することがほとんどだ。Mac Studioに接続するWebカメラは気分次第でイロイロだが、ロジクール「Portable Webcam C905m」を使うことが多い。画質もそこそこイイし、細身で縦型なので画面と顔の間にぶらさげても邪魔になりにくいからだ
マイクとしてサンワサプライ「USBマイクロホン MM-MCUSB25」を使うことが多いが、場合によってはWebカメラのマイクを使うことも少なくない
スピーカーから音を出すとナニカと不都合が生じやすいので、完全ワイヤレスイヤホンであるApple AirPods Proを使っている。Macとの連携が非常によく、そうした場合の信頼性も高く、俺の耳へのフィット感も良好なのでコレ一択。また外音を取り込むこともできるので、リモート会議以外の(室内などの)音も聞けるのが実用的だ

 でも最近は、なんかこー、あんまり頑張って機材をセットしても、その分のメリットがないのかもなーとか思っている。機材のクオリティはそこそこで大丈夫かも、と。

 こちらから送られる映像はより高画質がいい、とは思うのだが、ヒドくなければ低画質でもいいかな、とも思う。テレビに出演するわけじゃないし就職活動とかの面接でもないし、背景とかエフェクトで隠しちゃうことが多いし、だいたい声でのコミュニケーションで表情はプラスアルファの情報って感じだし、みたいな。

 マイクに関しても、あまりクオリティを高めても大きな意味はないかな、と。声でのコミュニケーションが主なので音質は重要だと思うが、でもまあ「ちゃんと聞こえるように話そう」くらい意識していれば、Webカメラの内蔵マイクでもイケちゃうし。音質よりも十分な音量で送れるか、こちらの室内の雑音は抑えられているかなどが重要だと思っている。

 というわけで、最近はやや肩の力を抜いてリモート会議に出席することが多い。いろいろ試していくとWebカメラだけで十分なことが多いので、「Webカメラ+AirPods Pro」だけということも増えている。

 ただ、こちらが話す機会が多そうだと予想されるときは「Webカメラ+マイク+AirPods Pro」で、USB外付けマイクを使う。マイクは前述のサンワサプライ「USBマイクロホン MM-MCUSB25」だが、口元にマイクを向けられて、距離も口から近くセットできる。つまりはより明瞭な音声を十分な音量で送れるのでこのマイクを使っている。

 ただこのマイク、いちいち机上に置くのがビミョーなんスよね〜。フットプリントが小さくないし、やや邪魔だし。でも音質も音量も機能性も好み。……分解してマイクアームと台座をバラして、マイクアームだけWebカメラと一緒に空中にセットして、台座はディスプレイ下とかに置こうかな、とか考えている。

【余談】「ソレでいいかも」と思う人が多いかも的な方法がある

 ここからは余談なんスけど、仕事机で2種類(3台)のデスクライトを使ってんスよ。山田照明の「Z-37RLW」というルーペ付きのデスクライトと、同じく山田照明の「Z-S7000」というデスクライト。詳細はリンク先をご覧いただきたい。

山田照明「Z-37RLW」はルーペ付きのLEDデスクライト。対象を明るく照らし出しつつ拡大して見ることができる。端末の小さなシリアル番号レーザー刻印なんかもばっちり見えて便利。1万6000円くらい
山田照明の「Z-S7000」はライト部分が水平に保たれたり、ライト部分を90°折り曲げて収納できたりするLEDデスクライト。少し前までデスクトップでの物撮りをするために使っていた。なので2台。1台で2万円くらい

 どちらもバネが露出していないスッキリした見栄えのZライトで、高い位置でも低い位置でも固定できて安定性が高い。調整次第で「どこでもピタリと止まる」という使用感となるのが気に入っている。

 のだが机上での物撮りに多用していた「Z-S7000」のほうについては、最近はスゴい撮影用LED照明を導入したので使用頻度が下がった。んん〜いいライトなんだけどなぁ。もったいない……。

 ん? んんんん? ひらめいてしまった。

 Z-S7000は、もしかしてWebカメラ用のアームとして実用的なのでは? と。さっそく試してみた。ツイデにルーペつきのZ-37RLWも試してみた。

あっ乗った! けっこう安定している。目の高さへの移動も自由!
ディスプレイ上部に乗せるのと同様にセットしているだけ。不安があればテープで固定すればいいかも
こちらも楽勝で乗った。自由に移動できる
ルーペの部分は面積が広いので、より安定的に乗せておける

 あらま、ZライトがWebカメラアームになっちゃった。俺の場合は前述のフレキシブルアームのWebカメラスタンドがあるが、ZライトだけでWebカメラを目の高さに移動もできるわけですな。まあライトのアームの硬さにもよると思うが。てなわけで、もしご自身のリモート会議場所でZライト的なものを使っていたら、Webカメラアームになるかどうか試してみるとおもしろいかもしれない。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。