スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

テレワークのビデオ会議をサクッと品質UP!!! 画質編

リモート会議のクオリティを高めてゆきたいッ!!!

 新型コロナウイルスがヤベェってコトで、一気に進んだテレワーク。ウェブメディアのインプレスWatchなんかは本格的にテレワーク中で、オフィスにはほとんど人がいないらしい。そしてテレビなんかでもリモート出演なんかがよく見られるようになった。

 が!!! ビデオ会議歴23年の俺としては!!! 多くのユーザーのビデオ会議品質について「惜しいッ!!! 超惜しい!!! こんなに惜しくてインカ帝国!!!」と残念に思う。

1997年にCU-SeeMe(シーユーシーミー;PC用テレビ会議システム)でビデオ会議っていうかビデオチャットをヤッてる俺の図。左上が俺で、他は見知らぬ外国の方々(顔にモザイク処理済)。テキストや音声でミーティングができたが、顔が映っている動画サイズは160×120ピクセルだった。この時のフレームレートは1fps程度で、ブロックノイズのようなものも多発している。

 1990年代のビデオ会議は低品質。でもインターネット経由でビデオ会議ができること自体がエキサイティングであった。俺も、上のスクリーンショットの方々も、ビデオ会議を体験すること自体が目的って感じだった。

 その後、2006年頃にはSkypeでビデオ通話ができるようになり、それにもハマった俺。Skypeすげー音イイ〜動画も滑らか〜!!! とか、やはりビデオ会議を行うこと自体を目的としてSkypeで遊んだりした俺であった。

 そして現在はZoomとか。MacとiPadとiPhoneにそれぞれZoomをインストールし、「こうすると、こうなるのか〜」「この機能は愉快♪」などと、ひとりビデオ会議をして遊んでいる俺なのであった。……たまーには仕事のビデオ会議もするんスけどね。

こちらは現在の代表的ビデオ会議システムの「Zoomミーティング」。お手軽簡単ハイクオリティで高機能。ビデオ会議、すご〜く進化しましたな♪

 そんな感じの俺なので、ビデオ会議における“ちょっとした高画質化・高音質化のノウハウ”があったりする。お手軽系ノウハウ。そしてこの手軽なノウハウをサクッと適用するとアラ不思議!!! 若干惜しい感じのアナタのビデオ会議品質がスコッと高まる!!! かもしれない!!! というコトで今回は、その画質UPのお手軽テクニックをご紹介してみたいッ!!!

照明に一工夫して画質を大幅アップ!!!

 まずは画質を高めていこう。顔がキレイに映ったほうが、他の参加者がアナタに抱く印象も良くなると思う。……俺的にはビデオ会議における最も重要な要素は音質だと考えているが、サウンド系のクオリティアップについては次回まとめてご紹介。ともあれ、どうすれば画質UPにつながるか、以下の写真と説明文で見ていこう。

顔よりやや低い位置(ノートPCの画面上部カメラくらいの高さ)にウェブカメラを置いて、照明は天井のもの。左写真が天井左側の照明で、右写真が天井やや右側の照明を点灯したもの。どちらも顔に影が出がちで、目にキャッチライト(瞳の中の白い輝き)が入らないため“元気がなさそう”な表情に見える
左写真は天井の左右両方の照明を点灯したもの。光量が異なるため、顔の片側に影ができてしまう。また、上からの照明なのでどうしても目の周辺に影が。印象はあまり変わらずパッとしない。そこで最初に試すべきノウハウを使ったのが右写真。PCディスプレイの背景を白にし、他のウィンドウなどもなるべく白に設定するという方法だ(天井の照明は1つだけ点灯)。これだけで、ある程度は顔を正面から照らすことができ、顔の影が薄らぐ。また、目にキャッチライトが入り、表情が少し生き生きする。ちなみに右写真で顔に光を当てているディスプレイのサイズは約40インチ。ディスプレイから顔までの距離は約70cmだ。画面の小さいノートPCだと、この方法で効果を上げにくいかもしれない……が、キャッチライトくらいは入ると思う
もっと顔を明るく照らそう!!! というコトで、ディスプレイ上部左右に棒状のLED照明をセットしてみた。セット方法は両面テープで貼るだけ
ディスプレイ左右上部のLEDライトを点灯したのがこの映像。上の天井照明と比べると非常に明るく鮮明で、目にキャッチライトが2つも入って、とても印象が良くなったと思う。ちょっと明るすぎ? という感じもするが、暗くする方法はたくさんあるので、まずはしっかりと顔を照らし出すのが基本と言えよう

 ビデオ会議において、顔をしっかり照らすことは大切。印象がガラリと変わる。

 ちなみに、顔を照らす照明の位置は顔の前方ならだいたいどこでもOK。右だけや左だけにすると、顔に少し影ができ、顔の立体感が少し強調されるので、お好みで。

 照明の高さは、オデコよりやや上という位置がいいと思う。そのあたりの高さだとキャッチライト(瞳の中の白い輝き)が目にしっかり入る。また、机上に照明を置くなどすると、ほうれい線・目の下のくま・首のシワなどをある程度消せる、いわゆる“美人ライト”の効果が得られる。美人ライトは強く当てすぎると“不自然でわざとらしい感じ”になるので、メインの照明より若干弱くするのがいいだろう。

 なお、ちょっと注意すべきなのは、眼鏡着用時に照明がレンズに写り込まないようにすること。レンズで照明が反射されて相手からこちらの目が見えなくなると、“目の表情”が相手に伝わりにくくなる。

カメラ位置を調整

 続いてカメラの位置を調整。自分の顔を撮影するカメラは、基本的には目の高さにすると最も自然な印象になると思う。

 また、“ちょっと盛って撮りたい”なら、目より少し上になるようにする。そうすると、鼻の穴や二重顎が隠れつつ、やや小顔に見える。さらに、ビデオ会議中にカメラ目線にすれば、より魅力的な顔に見えるだろう。

 ともあれ、以下にカメラ位置を調節することで得られる効果を。これもまた、写真と説明文で見ていこう。

俺が使用しているウェブカメラはロジクール「Portable Webcam C905m」。2009年の製品だが、現在でもフツーに実用的である。スペックは、有効画素数が200万画素で、最大フレームレートが30fpsで、最短撮影距離は10cm。ノートPCの上などにクリップ止めできる
付属スタンドを使うと、机上約30cm弱の位置にカメラをセットできる。右写真はその位置から撮った映像。ノートPC内蔵カメラで撮ったのと近い位置ですな。ノートPCユーザーのビデオ会議映像は、こんなふうに目線を落とした表情になりがち
左写真は同じカメラで、カメラの向こうにある約40インチのディスプレイを見ている状態。カメラのずっと上に視線が行ってしまう。右写真のように、カメラ目線にすると表情的には自然な雰囲気になる。だが、相手からすれば“上から視線を投げかけられている”という感じがして、話す体勢としては不自然な印象になる
そこでカメラをディスプレイの手前に吊ってみる。針金を使い画面前方にウェブカメラをぶら下げる。カメラを目の高さに合わせるわけですな
ほぼ目の高さにカメラをセットしたので、対面で会話するのと同じような顔の高さと視線になる。そして前出の照明を加えれば、自然でありかつハツラツとした雰囲気に♪ ちなみに、カメラ目線になっているのは、Zoomのミーティングウィンドウの手前にカメラが来るような位置関係にしているから。実際にはウィンドウの一部内容が見えなくなるが、そういう場合はちょっと顔を右か左に動かして覗こう
“画面の前にカメラを吊る”という方法を多用するなら、アームやクリップと併用すると毎回手軽にセットアップできる
使っている小物は、クラフト用のやや柔軟な針金と、店頭などでPOPを飾るための用品。POP用のあのクリップって、グネグネ曲がるアームに対して簡単に脱着できるのだ。柔軟な針金は、カメラ向きの微調整をするのに便利
こんな台座付きPOP用品も便利。ただし、モノによっては横棒が回転しやすいので、写真のようにガムテープなどで回転防止を工夫する必要がある

 といった感じで、カメラの高さを目の高さに揃えると、かなり自然な雰囲気の自撮りができ、ビデオ会議相手にヘンな印象を持たれないと思う。真正面だと面白みがないという場合、カメラを右や左に少しすらしつつ、会議中はカメラへ視線だけ向けると、他者とは違った雰囲気を醸し出せるだろう。

 ノートPC内蔵カメラを使う場合、カメラの高さ調節はちょっと面倒になる。けど、他者にとって「上から覆いかぶさってくるようなヘンな顔映像」にしないために、ノートPCスタンドを使うとか何かしらのノートPC台座を工夫するなどし、やはりカメラ高さを目の高さ(かそれより少し上)に合わせたいところ。

グリーンスクリーンの効果はどんな感じ?

 最後に、グリーンスクリーン(グリーンバック)の効果について。クロマキー合成用の単色背景布ですな。これを使うと、自分の背景に動画や静止画をよりキレイに合成できると言うので、実際に試してみた。これも以下に写真と説明文で見ていこう。

左が実際の拙宅仕事場の背景。中央と右はZoomでバーチャル背景を使い、好みの写真を背景にしているところ。バーチャル背景機能を使うと、人物だけが写り、実際の背景は選択した写真や動画で見えなくなる。この画像だとキレイに背景が合成されているように見えるが、実際は人物の動きに合わせてほんの少し合成にズレが生じ、背景が見えたり、人物の輪郭に変な色が出たりしている
そこでグリーンスクリーンを用意。1.5m×2.0mで強力クリップ×3個付きの品を、Amazonにて2898円で購入した。それを自分の背後に吊す。
右はバーチャル背景をオフにした状態。中央と右はZoomのバーチャル背景設定画面にて[グリーンクリーンがあります]項目をオンにして、背景画像を適用したもの。結果、グリーンスクリーンがある方が、人物の輪郭に現れる合成のズレが少なくなった感じ。ではあるが、人物の輪郭や肌色が少し緑っぽくなったりした。また、実際のところは「毎回グリーンスクリーンを張るのが面倒」であり、同時に「グリーンスクリーンがあってもなくても、それほど大きな違いにはならない」という感じもする。ので、今後はグリーンスクリーンなしでもいいかな〜、みたいな。でもアレっスね、背景のグリーンをちゃんとグリーンスクリーンと認識して、シャツのグリーンはグリーンスクリーンではないと認識するあたり、けっこうシッカリしてるゥ!!!

 グリーンスクリーン、期待したほどの効果は得られなかった。と言うか、Zoomのバーチャル背景機能、かなり高機能なんスね〜。

 さておき、ちょっと工夫することでクオリティがかなり上がるビデオ会議映像。ぜひお試しあれ♪ 次回は音声のクオリティアップについて触れていくのでご期待を!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。