スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

あ~ら静か♪ ロジクールのハイエンドマウス「MX MASTER 3S」

最新の「MASTER」は“静音”ワイヤレスマウスなのだ

 2022年6月16日発売のロジクール「MX MASTER 3S」。ロジクールのハイエンドマウスの最新型で、左右クリックボタンなどは静音設計になっているという。アラ良さそう! ということで買おうと思ったのだが……。

ロジクールのハイエンドマウス「MASTER」シリーズの最新型となる「MX MASTER 3S」。従来品からさらに性能を高めつつ、ボタンのクリック音を極力抑えた静音マウスに仕上がっている。カラーはグラファイトとペールグレーがある。
手持ちのロジクールMASTERシリーズマウス。未開封の「MX MASTER 2S」、使用中の「MX MASTER」と「MX MASTER 3」の合計3つを所有している。

 ロジクールのマウスはずっと愛用してきて、現在は2つを使用中。予備として買った未開封品もあったりする。なので、これに加えてさらに新しいマウスは……とか思うのであった。なお、これまで使ったロジクール製ポインティングデバイスのレビューは以下のとおり。ご興味あらばお読みいただければと。

 さて、でも最新の「MX MASTER 3S」は欲しいかナ、と。理由は、現在使っている2つのMASTERシリーズマウスの表面がベタつくから。ベタつきの原因は、マウス表面の合成樹脂素材が起こす「ブリーディング」や「ブリードアウト」と呼ばれる現象だと思われる(bleedとは「血が出る」「樹液が滲み出す」という意味)。これは合成樹脂の表面に主成分(ポリマー)とは異なる合成樹脂構成物質が滲み出してくる現象だそうだ。

 現在使っているMASTERシリーズマウスのうち、「MX MASTER」はけっこうシッカリとブリーディングを起こしており、3日に1度程度表面のベタベタをアルコールで拭き取らないと気持ち悪いというレベル。またこのマウスは電池の保も悪くなってきている。もうひとつの「MX MASTER 3」は少しブリーディングを起こしており、5日に1度程度表面のベタベタを拭き取る必要がある感じ。

 もうベタベタしてるマウス使うのイヤだな~じゃあ未開封の「MX MASTER 2S」使おうかな~。そんなふうに考えていたのだが、「最新のMX MASTER 3Sはボタンが静音らしい」ということで、それが後押し理由となって結局購入。

 そして使い始めたMX MASTER 3S。マウス環境は少々カスタマイズしていたが、なんか最近サードパーティ製ドライバーの調子がおかしい(たぶん俺が設定をミスっている)ので、ドライバーをロジクール純正のものに戻して使い始めたカタチだ。結果、非常に快適。MX MASTER 3S買ってよかったゼ!!! というわけで以降、MX MASTER 3Sのレビューをば。

MX MASTER 3Sって、どんなマウス?

 MX MASTER 3Sはロジクールのハイエンドマウス。充電式(USB-C)のワイヤレスマウスで、PCとの接続は専用USBドングル(Logi Bolt)もしくはBluetoothで行う。最大3つのデバイスとペアリングでき、裏面のボタンで接続先を切り替えることができる。2つのホイールを始めとした多ボタンマウスで、上部ホイールでは1秒間に1000行のスクロールが可能(MagSpeed電磁気スクロール)。

押下できるホイールと左右ボタン、ホイール手前にもボタン。左側には進む/戻るボタンと横スクロール用ホイール。下部のせり出した部分にもボタンがある。
MX MASTER 3Sは専用ドライバー「Logi Options+」により柔軟にカスタマイズ可能。アプリごとのボタン設定も可能。カスタマイズ内容はクラウドに自動でバックアップされ、バックアップからの復元も容易だ。
独特の形状をしたワイヤレスマウス。サイズはやや大きめなので、購入時には事前に自分の手のサイズで快適に使えるかどうか試用を。手のひらが当たる部分とそこにつながっているエリアはラバー質感のコーティングがなされている。表面はサラサラした手触りで、手の汗や油が付着しても気にならず快適に使える質感だ。ただ、この部分がブリーディングを起こす可能性はある。
上部のホイールは高速回転させると1秒間に1000行のスクロール(MagSpeed電磁気スクロール)を行える。左側のホイールはページの横スクロールなどを行えるほか、拡大/縮小や音量アップ/ダウンなどの機能を割り振ることもできる。
裏面には光学センサー(Darkfield/解像度200~8,000dpi)と電源ボタン、接続先切り替えボタンがある。マウス前方にはUSB-Cポートがありこれを使って充電する。満充電から70日間動作し、1分間の充電で3時間使えるとしている。

 PCなど端末との接続は専用USBドングル(Logi Bolt)もしくはBluetoothで行うが、専用ドライバー「Logi Options+」アプリが使えるのはWindows 10/11以降およびmacOS 10.15以降のみ。Logi Options+が使えないと、MX MASTER 3Sをカスタマイズできず、MX MASTER 3Sの基本機能だけを使うことになる。MX MASTER 3Sはさまざまな端末とBluetooth接続して使える汎用マウスではあるが、カスタマイズ性の高さはMX MASTER 3Sの非常に大きな利便であり魅力なので……専用アプリが使えるWindows 10/11以降やmacOS 10.15以降で使うのがオススメである。

操作感は相変わらずサイコー、静音性も素晴らしい!

 MX MASTER 3Sを好みにカスタマイズして使い始めて約1週間。使用感をザックリ言えば相変わらずサイコーである。直前まで使っていたMX MASTER 3と比べると、静音性が非常に高くてその点もサイコー。……直前まで使っていたMX MASTER 3Sは表面がブリーディングによりベタつきがちだったが、新しいMX MASTER 3Sにはそれが(まだ)ナイという点でもサイコーであり、総合すれば極めてすこぶるスゲくサイコーと言えよう。

左に見切れているのはサイコーのキーボードこと「REALFORCE R3(R3HH21)」。これとサイコーのマウスであるMX MASTER 3Sを組み合わせて使うと、趣味も仕事も非常に快適であり楽しくなる。

 サイズ感や握り心地という点は、たぶん従来機種MX MASTER 3と同じハズ……なのだが、実際に使い比べてみると、やはり別機種という印象になる。その原因は恐らくMX MASTER 3Sの静音性だろう。「クリック音も90%のノイズ減少」とのことで、従来機種MX MASTER 3と最新機種MX MASTER 3Sのボタン音を比べると、明らかにMX MASTER 3Sのほうが静か。

 ただし、MX MASTER 3Sの上側ホイール手前のボタンはフツーにカチカチいって静音ボタンではない。またそのボタンについて従来機種MX MASTER 3と比べてみると、従来機種のほうが少し静かかも? という印象になる。従来機種は既にある程度使い込んだので、その影響でスイッチ音がまろやかになっているのかもしれない。

 さておき、MX MASTER 3Sの上部ホイール手前のボタン以外は非常に静音。とりわけ左右クリックボタンは静かで、静音性の高いキーボードの打鍵音よりずーっと静かというレベル。隣でうたた寝をしている人がいても、MX MASTER 3Sによるマウスポインター操作で起こしてしまうとか迷惑をかけることは、まずないと思う。

 そうなんだ~、とか思って手持ちのロジクール製マウスの静音性を確かめてみたら、MX MASTER 3S以外はほとんどウルサめ。左右クリックボタンの音ってこんなに大きかったんだ! とか発見したりして。

写っているマウスはすべてロジクール製。7個のワイヤレスマウスとMX MASTER 3Sを静音性において比べてみたが、MX MASTER 3Sはダントツに静かであった。なお、ロジクール「PEBBLE M350」にも高めの静音性があった。

 上の写真の中央にある丸い感じの「PEBBLE M350」は、「モダン、スリム、静かなワイヤレス&Bluetoothマウス」として2970円で売られているものだ。MX MASTER 3Sは性能と機能性を極めたハイエンドマウスで、さらに非常に高い静音性まで備えているのだが、お値段1万4960円。

 いやそんなハイエンドじゃなくてよくて、ある程度静音性が高いマウスが欲しいだけ、というなら、PEBBLE M350がいいかもしれない。マウス上部がパカッと開いてUSBドングルを収められたり、楽しげなカラーラインナップがあったりして、なかなかナイスなワイヤレスマウスなのだ。

専用ドライバーが使いやすい

 MX MASTER 3Sを使い始めて強めに思ったのは、新しい専用ドライバーである「Logi Options+」が使いやすいこと。これまでのドライバーは「Logi Options」で、これもそこそこ使いやすかったが、「Logi Options+」になって快適性がグッと高まった気がする。

これまでにもあったLogi Optionsの表示例。俺の場合はMacにロジクール製マウスをBluetooth接続しているが、そのうちの一部がLogi Optionsにリストアップされた。
Logi Optionsでは、マウスのカーソルのスピードなどに加え、各ボタンのカスタマイズを行える。
ボタンの多くに機能やキーストロークを割り当てられる。
こちらは新しいLogi Options+の表示例。Logi OptionsとLogi Options+は同時にインストールしておける(そうしても問題はない)。
機能的にはLogi Optionsとだいたい同じ。だが、見やすさや操作性、あるいは直感的に扱えるかどうかにおいて、Logi Options+は大きく進歩している。
UIと機能設定の階層がより見やすく把握しやすくなったので、設定をスムーズに進められる。

 ロジクールの高機能マウスはホントに高機能なので、これをうまく活用すると非常に便利で快適なポインティングデバイスとなる。

 のだが、高機能過ぎたりもして、全体像が把握しにくく設定も少々ややこしかった。そのカスタマイズを担うLogi Optionsが、より使いやすくわかりやすいLogi Options+になったことで、設定をスムーズに進められるようになった。

 なお、すべてのマウスなど入力機器がLogi Options+に対応しているわけではない。やや古い入力機器はLogi Optionsでないとカスタマイズできなかったりする。だが、Logi OptionsとLogi Options+を両方インストールしておけば、「このマウスはどっちのアプリで設定するのかな?」と戸惑うことはない。どちらのアプリを開いても、設定したい入力機器を選んだ時点で、その機器を設定可能なアプリへと移行できるからだ。

Logi Optionsを開き、MX MASTER 3を設定しようとすると、Logi Options+への移行を促される。
Logi Options+を開き、MX MASTERを設定しようとすると、Logi Optionsへの移行を促される。

 今後は既存デバイスが徐々にLogi Options+対応になっていくそうだ。ともあれ、Logi Options+、使いやすくてイイっす。

Logicool Flowもスムーズ! 在宅ワークにピッタリかも

 あとロジクールの入力機器と言えば「Logicool Flow」。これはロジクール製(でLogicool Flow対応の)入力機器を、複数台のPCで共有できつつ、コピー&ペーストを使いPC間でシームレスにファイル共有が行えるしくみ。たとえば1組のマウス・キーボードを使い、MacとWindowsマシンを交互に操作できる。macOS・Windows間のファイルのコピー&ペーストも行える。なお、Logicool Flowは3台までのPCで使える。また、使用にはLogi Options+かLogi Optionsが必要なため、Windows PCかMacでしか使えない。

Logicool FlowはLogi Options+かLogi Optionsから設定していく。設定していくというより「ロジクール製入力機器が接続されたパソコンを認識させる」という感じ。

 使い方は簡単。たとえばMX MASTER 3SでLogicool Flowを使おうとした場合、マウスを共有したいPCにそれぞれマウスを無線接続する。そして各PC上でLogi Options+かLogi Optionsを起動してFLOWの項目を開く程度で、接続は完了する。なお、詳しいセットアップ方法はコチラで紹介されている。

3台のマシンでLogicool Flowを設定してみた。各マシン上に1つのマウスを(別の接続チャンネルで)無線接続し、Logi Options+かLogi Optionsを使ってLogicool Flowをオンにする。各マシンが同じLAN内に接続されていればすぐに設定が完了するだろう。各マシンがLogicool Flowでつながるとこのような表示になる。
左は俺の最強に強まったDELL XPS WindowsノートPCであり、中央が俺の最強に強まったMac Studioであり、右が俺の最強に強まったMacBook Proであり、今まさにLogicool Flowによってこの3台をシームレスに1つのMX MASTER 3Sで操作できるようになった!!!
ちなみに、マシンの画面の並びは自由に変えることができる。マウスポインターがどっち側から入ってどっちから出現する、といったことを設定するわけですな。
こちらは中央のマシンにあった自転車の写真。これをコピー。
そしてマウスポインターを左のマシン画面に移動して、ペースト。メインマシンの写真を左のマシンへコピーできた。
さらにマウスポインターを右のマシン画面に移動させて、ペースト。コピーした写真が同様にペーストできた。まあ写真じゃなくても、スプレッドシートでもドキュメントでもアーカイブでもなんでもコピペできるわけですな。
という感じで、ひとつのマウスを3台のマシンに対して共用しつつ、3台のマシンの間でファイル共有もできるのであった。
キーボードもLogicool Flow対応品なら、1セットのキーボードとマウスだけで3台のマシンをシームレスに操作できることになる。なお、Logicool Flowでつなげられるマシンは最大3台まで。これはLogicool Flow対応マウスやキーボードが3台までしかペアリングできないことに起因しているように思われる。

 Logicool Flowでは別のマシンの画面から画面へとマウスポインターが移動するわけだが、画面を越えて移動するときのタイムラグはほとんど感じられない。一瞬引っかかったか? みたいな気がすることはあるが、まあフツーにスムーズにマウスポインターが移動することが多い。なお、移動した後に、マウスの裏側を確認すると、接続先(1~3のチャンネル)が自動で切り替わっていることがわかる。

 マウスもキーボードもLogicool Flow対応品を使えば、複数台のPCを使うオフィスや在宅ワークが、かなりスッキリしつつ効率化するように思う。マウスを持ち替えず、キーボードを置き換えず、3台までのマシンを使える。また机上もスッキリするし、狭い机でも複数台PCの併用が現実的になる。

 いろいろできて静音で、Logicool Flowにも対応しているMX MASTER 3S。お高いマウスではあるが、活用幅が広く快適性もダントツ。毎日マウスをガンガン活用しているなら、こういう隙も抜け目もないハイエンドマウスに目を向けてみても、いいかもしれない。

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スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。