スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

ロジクールの「MX Anywhere 3 for Mac」が予想以上にナイスだった件

MacにもiPadにも便利なハイエンドモバイルマウスだョ!!!

 久々に新型登場となったロジクール製モバイルマウスこと「MX Anywhere 3」。ロジクール製マウス大好き野郎の俺は、速攻で買……アーッ!!!

 今度のはMac用がある!!! じゃあMac用をポチッとな!!!

ロジクール「MX Anywhere 3 for Mac」は、「MX Anywhere 3」シリーズのうちMacに最適化されたモデルで、MacとのBluetooth接続安定性がカスタマイズされているとのこと。対応OSはmacOSとiPadOS。カラーはペイルグレーのみで、ロジクール オンラインストア税込価格は1万780円。
こちらはロジクール「MX Anywhere 3」。カラーはペイルグレー/グラファイト/ローズがある。ロジクール オンラインストア税込価格は1万780円。

 「MX Anywhere 3 for Mac」と「MX Anywhere 3」の違いは、カラーバリエーションとUSB Unifyingレシーバーの有無。USB Unifyingレシーバーは、端末にUSB接続して使う無線レシーバーだが、MX Anywhere 3 for MacはBluetooth接続のみ対応となるためレシーバーが付属しない。

 さておき早速MX Anywhere 3 for Macを使ってみたら、「おっコレは好感触♪」となった。iPadとの相性も良好。てなわけで以降、MX Anywhere 3 for Macの使用感などをお伝えしてゆきたいっ!!!

 余談だが、俺はこれまで多数のロジクール製マウスを使ってきた。ので、ご参考までに俺が使ったロジクール製マウスのレビュー記事リンクを以下に示しておく。

MX Anywhere 3 for Macはどんなマウス?

 MX Anywhere 3シリーズは、2017年に発売された「MX Anywhere 2S」の後継モデル。ロジクールのデスクトップ用ハイエンドマウス「MX Master 3」の機能性を受け継いだモバイルマウスで、例えばMX Master 3においても評判の高い超高速スクロール機能(MagSpeed+SmartShift)が使えたりする。

 で、そのMac向けモデルがMX Anywhere 3 for Macだ。

 MX Anywhere 3 for MacはBluetooth接続のマウスで、3台のデバイスと接続でき、裏面のボタンにより接続先を切り替えられる。試してみたところ、USB Unifyingレシーバー経由でMacと接続することができ、その状態でLogicool Optionsアプリも使用できた。

Logicool Optionsアプリの表示例。Logicool Optionsを使うとロジクール製の様々なデバイスを柔軟にカスタマイズすることができる。1台のマウスを複数のパソコン間でシームレスに使えたりドラッグ&ドロップでのファイル共有ができるLogicool Flowを設定できるのもこのアプリ。

 MX Anywhere 3 for Macのサイズ感は、モバイル用途~手の小さなユーザーにマッチするという感じ。ボタンは、左右クリック、押下できるスクロールホイール、ホイール動作モード変更ボタン、戻る/進むボタンを搭載している。また裏面には、スライド式の電源ボタンとペアリング先切り替えボタンがある。

 センサー(Darkfieldレーザートラッキングセンサー)の最大解像度は4000dpiで、ガラス面を含めたほとんどの面で使える。USB充電式(コネクタはUSB-C)で、1回のフル充電後は約70日間使用可能。電池切れになった場合でも、1分の充電で3時間使用可能とのこと。

 個人的に「おっ♪」と思ったのは表面素材。全体は硬質な樹脂だが、指が当たる側部の素材がシリコーンだそうだ。これなら加水分解によるベタベタが出てこなさそう。末永く使えそうで好印象である。

最強のスクロール操作性かも!!! 横スクロールも超快適だョ!!!

 MX Anywhere 3シリーズの最大の特徴は、デスクトップ用ハイエンドマウスのMX Master 3と同じ「画面スクロールの利便」を備えていること。

 具体的には、SmartShift機能により、ホイールをゆっくり回すと一行ずつなどの精密なスクロールが行えて、ホイールを一気に速く回すと1秒で数十行から1000行もの高速スクロールが可能というものだ(MagSpeed電磁気スクロール)。

MX Anywhere 3シリーズのホイールはMagSpeed電磁気スクロール対応で、ホイールを回す速度によってダイナミックにスクロール速度が変化する。コントロール性も良く、力加減によりスクロール速度を自在に変化させることもできる。

 高速~超高速のスクロールがやはり非常に便利で、例えば長いウェブサイトで文字を目で追えないくらいの高速スクロールを行い、特徴的な写真や色の箇所を素早く見つけたりするとこができる。超絶長~いウェブサイトを一気に最後までスクロールさせることも容易だ。

 MX Anywhere 3 for Macでは、そんな快適なスクロールを行うことができる。そして、使用中のMX Master 3と比べると、「あれ? MX Master 3よりも、MX Anywhere 3 for Macの方が微妙に使用感がいいかも!?」と感じられた。

 なんかですね~、MX Anywhere 3 for Macの方が超高速スクロール時に僅かに出る音がちょっとだけ静かで、低速スクロール時のホイール回転の感触にも僅かに手応えがあって使いやすい気がするんですな。も~しかしたら使用中のMX Master 3のホイール部がややヘタっている?という気もする。

 でも裏を返せば、MX Anywhere 3 for MacとMX Master 3はそのくらいホイールの使用感が同じと言えよう。機会があれば、ぜひMX Anywhere 3 for MacとMX Master 3を使い比べてみてほしい。

 それとMX Anywhere 3シリーズの場合、ホイールが左右に倒しての横スクロールには対応しない(ホイールは左右に倒れない)が、横スクロールは可能。2つのサイドボタンのどちらか(もしくは両方)を押したままスクロールホイールを動かせば横スクロールとなる。

 この操作、最初ちょっとだけ慣れが必要だが、慣れるとメチャ便利!!!

 「サイドボタンを押しながら」さえ覚えてしまえば、後は縦スクロールと同様の感覚で横スクロールを行えるようになる。すなわち、人差し指による繊細なスピードのスクロールや、ちょっと速めのスクロールなど、横スクロールも自在に行えるようになるのだ。シンプルな操作インターフェースだが、その使用感は画期的だと思う。

 そんな感じで、モバイル可能なサイズのマウスに、MagSpeed + Smartshiftからくる快適性や横スクロール時の利便性が備わっちゃうと、もう他のモバイルマウスに戻れなくなってしまう。やっぱり結局このマウス、縦も横もスクロールが極めて快適なのだ。スクロールに関わる鬱憤が急減少って感じ。

 ただ、モバイルマウスとして若干残念な点がある。それは左右クリック音。「カチ、カチ」という、まあ一般的なマウスと同様のやや高い硬質なクリック音がする。外出先で使う場合、もしかすると「……(カチカチうるさいな)」と隣人に思われるかもしれない。この部分の静音性が高かったら、かなり完璧に近いモバイルマウスと言える気がする。

ナニゲに便利なアプリ連携、デスクトップ用マウスとしても◎

 少々前述したが、ロジクール製のマウスやキーボードのカスタマイズが行える「Logicool Options」アプリ。このアプリを使うと、ボタン機能のカスタマイズやジェスチャーによる操作をカスタマイズできる。

Logicool Optionsアプリを使うと、マウスの各ボタンをカスタマイズできる。例えば2つのサイドボタンに「進む」「戻る」以外の機能やキーストロークを割り振ることも可能だ。マウスの基本的な挙動もこのアプリで設定していける。
こちらはホイール押下時の挙動を設定している様子。例えば、押下しながらマウスを動かして各種機能を呼び出すジェスチャーボタンとして使えるようにカスタマイズできる。マウスの簡単な操作だけで仮想デスクトップ間を移動したりMission Control表示にしたりできて便利。

 それから、使用するアプリに応じてボタン機能が変わる「アプリ固有のカスタマイズ」もできる。これがなかなか便利。

 最新のLogicool Optionsでは、例えばビデオ会議アプリ「Zoom」使用時に、マウスの2つのサイドボタンを「ビデオの開始/停止」「マイクのミュート/ミュート解除」に割り振ることができる。

アプリ固有のカスタマイズを行っている様子。アプリに応じてボタンの機能を自動変更させられる機能で、あらかじめ用意されているプロファイルを選ぶと「誰もが便利だと感じられるボタン機能設定」となる。ユーザーが好みの機能を割り振ることも可能だ。

 使い方としては、例えばAdobe Photoshop使用時に2つのサイドボタンを「やり直す(Redo)」「元に戻す(Undo)」にしておくと、処理前と処理後をクイックに見比べられたりして便利。ユーザーが多用する機能を、そのアプリ使用時にはあまり使わないマウスボタンへ割り振っておくと、作業効率がグンと高まるだろう。

 でまあ、Logicool Optionsがイロイロと便利ってわけなんスけど、MX Anywhere 3 for Mac自体、なんか汎用のマウスとして非常にイイのではないか? と感じ、しばらくの間デスクトップのMacで使ってみた。

 その結果から言えば、もしかしたらこれまで使ってきたMX Master 3より、MX Anywhere 3 for Macの方がいいかも~、なんて思ったりして。

 その理由は、まあ個人的な印象ではあるが、MX Anywhere 3 for Macは小さいものの安定的な使用感で、繊細なポインターコントロールが十分可能であることがひとつ。それからボタン数が少ないけれどLogicool Optionsによる柔軟なカスタマイズが可能なので、このボタン数でも十分多機能なマウスとして活用できること。あと、硬質プラスチックとシリコーンが素材なので、汚れにくく耐久性も高いと思われること。

 MX Anywhere 3 for Macは、マウスとしてはシンプルに見えるが、性能と機能性においてはデスクトップ用のハイエンドマウスに匹敵する良さがあると思う。

iPadが捗るゾ!!!iPad用マウスとしてもイイかも!!!

 最近の筆者はデスクトップPCのコンパニオン端末としてiPadを常用中。最初は「iPadが余ったから机上に出しっぱなしにして何か役立てよう」と考えた程度だったが、すご~く役立っている。

 例えばApple製デバイス間では「ユニバーサルクリップボード」という機能があり、iPadでコピーしたものをMacにペーストすることができる。iPadで調べて、Macに記録する、みたいなコトが容易に行えるのだ。他、各アプリのデータをクラウド共有することも容易で、なるほどApple製品同士を併用するとやっぱり便利だな、と。

 ↓こんな感じで使っている。

 デスクトップに出しっぱなしのiPadは、ゲーム中にも活躍。攻略サイトを参照したりするために使っているのダ!!! ↓こんなふうに。

 この「デスクトップiPad」、とても役立っているのだが「ヤだな~」と思うことがひとつ。それは画面が汚れること。

 いつも目の前にあるタブレットなので、画面消灯時、指紋がすご~く気になるのである。机上に並ぶ他のデバイスには指紋など目立たないorナイのでなおさら気になる。

 なので、極力外付けキーボードを使ったり、Apple Pencilを使ったりし、画面に直接触れないようにしている。のだが、絶対触れないというわけにはいかない。たまに、指で画面をポンとタップすることになる。

 すると、だ!!! その1点か2点か3点の指紋が、ものすご~く気になる!!! ツルテカ漆黒画面に浮かぶ数点の指紋!!! 気になってしょうがねえ!!! てゅーか俺ってアラまぁ神経質!!!

 結局、毎日、デスクトップiPadの指紋をフキフキしているのであった。もぉ、ヤだな~。

 そこで試しに、MX Anywhere 3 for MacをiPadに接続して使ってみることにした。最近のiPadOSやiOSは、Bluetoothマウスを接続すれば設定無しで即iPadやiPhoneでマウスが使えるようになってラクですな♪ そしてしばらく、極力マウスだけでiPadを使っていくことに。

 結果、俺の用途では、「今すぐiPadをスリープにする」という時以外、iPadに触れずに済むようになった。デスクトップiPadは使用中にスリープに入るとロック解除が面倒なので、自動でスリープしない設定にしているが、これを自動でスリープする設定にすれば、完全にiPadに触れず使っていけることになる。

 やべぇ!!! MX Anywhere 3 for Mac&iPad、素晴らしい組み合わせじゃないか!!!

 例えばiPadのロック解除は、MX Anywhere 3 for Macをクリックすれば画面が点灯し、Face ID認識待ち状態になる。ので、顔をちょっとiPadに近づければ顔認証させ、画面下をクリックするかポインターが画面下にある状態でマウスをさらに下に動かせばiPadがロック解除される。

 それ以降の操作は、アプリ起動もホーム画面表示もコントロールセンター表示も通知画面表示もAppスイッチャー表示も、ぜ~んぶMX Anywhere 3 for Macの操作だけで行える。

 そしてMX Anywhere 3 for Macの超高速スクロール。iPadのブラウザなどでもしっかり機能する。快適である。非常にナイスである。

 やっべぇ!!! MX Anywhere 3 for Mac&iPad、素晴らしい組み合わせじゃないかーッ!!!

 こんなにマジメにiPadをマウスで使ったのは初めてだが、なーんだiPadちゃん、全部マウスでイケるじゃないか素晴らしいジャマイカdeレゲエミュージック!!! とプチ感動した。

 まあもちろん「このシチュエーションは指でタッチ操作した方が効率がいいな」と思うことも多い。が、画面が全然汚れないんだゼぇ~!!! 気分イイぜぇ~最高だゼぇ~!!!

 多少遠回りな操作となっても、画面汚れの鬱憤と掃除の手間がないって、素晴らしい!!!

 ちなみに、同じことがiPhoneでもできるかな~と思って試したが、iPadほどはマウスが便利には使えなかった。やろうと思えばマウス操作スマートフォンとして成立するとは思うが、やろうという意欲や動機に欠けるという感じである。

 ちょっと話が逸れるが、Logicool Flowを使えば、例えば複数台のMacや、MacとWindowsマシンで1台のマウスを使って複数PCのポインター操作やファイル共有ができると前述した。ヒッジョーに便利な機能だが、iPadOSではLogicool Flowは使えないもよう。

 まあ、iPadOS・iOS間ではユニバーサルクリップボードによるデバイス間コピペやiCloudによるデータ共有が超容易にできるので、iPadOS・iOS間でのLogicool Flowの必要性はさほど高くない。

 だが、MX Anywhere 3 for Mac(もちろんLogicool Flowデバイスである)は、MacでもiPadでも、すご~く快適に使えるマウスだ。もし、MacとiPadで1台のMX Anywhere 3 for Macを使えたら、物凄く便利なのではなかろうか? と思った次第。Logicool FlowがiPadOSに対応するのを期待している!!!

 てな感じで、MacでもiPadでも予想以上に便利&快適に使えたMX Anywhere 3 for Mac。現在、もう1個このマウス買おうかな~とか考えている。でもな~MX Anywhere 3 for Macってカラーが1色なんだよな~。for MacじゃないほーのMX Anywhere 3買おうかな~。やや悩む。

 さておきMX Anywhere 3 for Mac、非常に優れたモバイル……というか小型マウスなので、興味があればぜひ実機に触れてみてほしい。マジでイイですコレ♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。