ロジクールの次期フラッグシップマウスを試す

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


ロジクールの次期フラッグシップマウスを試す

 8月20日にロジクールから発表された新型マウスことLogicool Performance Mouse M950(ロジクールパフォーマンスマウスM950/以下M950)。コレ、ロジクールのフラッグシップマウスMX Revolutionの後継機種ですな。

ロジクールパフォーマンスマウスM950。ロジクール製ワイヤレスマウスとしてはフラッグシップ機にあたり、ガラス面でもカーソル操作可能なDarkfield機構をはじめとする複数の新技術を搭載する。発売は11月以降、ロジクールストア価格1万2800円

 ぬぅわにぃいぃ~!! 俺の最強に強まってるハズのMX Revolutionが旧機種になると言うのかぁぁ~ッ!! ってホドは興奮してないんですけど、MX Revolutionを3年も激愛用している拙者としては興味津々。

 また、話題のUnifying対応であり、Darkfieldレーザートラッキングという“ガラス面でもカーソル操作可能”なセンサを搭載していることもあり、サンプル機をお借りして使ってみた。

真上から。ボタンはホイールの動作モードを変えるためのもの左側面には3つのボタンがある。また、親指がくる位置の下にもボタンがあり、アプリケーション切り替えなどを行え右側から
後方から本体前方にはUSB充電用のコネクタがある。同梱のACアダプタで充電。PCのUSBポートから充電するためのケーブルも同梱されている電源の詳細は不明だが、サンプル機には単三形ニッケル水素電池が使われていた。エネループですな

 で、以下その使用感などを書いてみたいが、ぶっちゃけた結論から言えば、総じて非常に快適なマウスであった。いくつかの点でMX Revolutionより好き&便利かもコレ!! と思った次第。発売日が決まったら予約でしょ!! みたいな気分となった。

ガラステーブルの件

 まず、Darkfieldレーザートラッキング技術を採用している点。

4mm厚以上のガラス面を含むほぼ全ての素材(平面)の上でカーソル操作を可能にした技術だが、ソレってホント? ということで試してみた。

左はLogicool Anywhere Mouse M905(ロジクールエニウェアマウスM905/以下M905)。右のM950と同様、Darkfield対応の新型マウスだ。ちなみにM905はM950と同じく11月以降発売予定、価格は8980円M905の表面には「DARK FIELD」のプリントがM950の後方にも同様のプリントが。コレがあるマウスはガラス面対応ってコトですな

 結果、ホントであった。ガラステーブルの上でも問題なくカーソル操作ができた。試しに鏡でも試したが、これもOK。以前は光学式マウスの鬼門であった拙宅の白くて平滑な机の上でも大丈夫。ステンレステーブルの上でも問題なかった。もちろんどの面上でも、カーソルが飛ぶとかぎこちなく動くといった違和感もナシ。

 ここまで安定したカーソル操作できるとなると、従来ずっとあった「この面で光学式マウス大丈夫かナ」的な小さな心配が消え失せる。Darkfield対応なら、平らな面ならドコでも使えそうなので、カーソル操作感命!! なマウス野郎の選択指針になりそうですな。

 まあ、メーカーが自信を持ってアピールしているDarkfield技術なので、予想どおりの結果ではあった。ロジクールの光学式マウスはMX Revolutionの世代で十分にカーソル追従性が高かったので、わぁスゲぇ!! というほどのインパクトではなかった。

いろいろな便利ギミック

 カーソル操作性に関して十二分に安心して使える点に加え、ほかにもいくつか「コレはイイ!!」と思える機能があった。てか、これらの機能があるワイヤレスマウスゆえ、拙者はマジでMX RevolutionからM950に乗り換えるカモ!! と考えている。

 ひとつは、マウスの感度をワンボタンで変えられる機能/機構だ。スクロールホイールを押下するとカーソルの感度(dpi値)を好みの2種類から選べる。

ドライバソフトウェアのSetPointを使い、ホイール押下でマウス感度が変わるように設定できる。つまり、ホイールを押すと、カーソルの移動速度が速くなったり遅くなったりするようにできる感度は100dpi~1500dpiの間で段階的に設定できる。レベル1とレベル2の値をそれぞれ設定。ホイール押下でレベル1/2が切り替わるホイールを押下する(感度を切り替える)と、マウスのインジケーターが光り、どちらの設定(レベル1か2)になったかを確認できる

 たとえば、通常作業時は1200dpiとかにして少しの動作でもカーソルが速く/遠くに動くようにし、フォトレタッチ時は800dpiにしてより繊細なカーソル操作をする、てな感度切り替えをホイール押下一発でキメられる。
 実際そんなふうな設定にしてしばらく使ってみたが、とくにマルチディスプレイ上では利便が大きい──広いデスクトップ上の操作(ウィンドウ切り替えなど)はカーソル速度を速くし、ひとつのウィンドウのなかで緻密な作業をする場合は遅くすると、どの局面においてもイラつくことなくカーソル操作を行える。ゲーミングマウス的な良さが一般の作業時に使うワイヤレスマウスでも得られるってわけですな。

 ホイール自体はMX RevolutionにあったMicroGearプレシジョンスクロールホイールと同等のもの(ただしハイパーファーストモード/クリックtoクリックモードの自動切り替えはナシ)だが、ホイールの横方向の操作感がちょっとイイ。

 このホイール、横方向は感圧式と思われるセンサが使われていて、倒す力の加減で横スクロールの速度を調節できるのだ。たとえば画面に収まりきらないようなグラフィックの横スクロールを行う際に超快適──端から中央付近までスクロールさせるときなど、最初はゆっくりで急に加速して反対方向の端まで行っちゃった、てなことが激減。遅すぎず速すぎずのスクロール速度が得られてストレスが減るというわけだ。

 それから、本体左側のボタン類も便利。上部の進む/戻るやZOOMボタン、下部のアプリケーション切り替え用などに使えるボタンだが、どれも実用的だ。個人的な印象から書いてしまえば、進む/戻るボタンの位置がやや遠いってくらいで、慣れてしまえば快適に使える。

M950の左側には4つのボタンが並ぶ。どれもカスタマイズ可能だが、デフォルトの設定で使っても便利だ進む/戻るのボタン。ウェブブラウジングなどをより快適に行えるようになる。ただ、拙者の親指からは進むボタンがチョイと遠かったZOOMボタンでドキュメント内容などをズームUP/DOWNできる。拡大/縮小の操作はホイールで行う
ズームダウンして60%表示にしたところ。この操作をZOOMボタンとホールのみ、つまりマウスを持ったままで行える少しズームアップもっとズームアップ。やはりマウスを持ったその手だけでズームUP/DOWNをスムーズに行えるのが快適だ
いちばん下にあるボタンでアプリケーション切り替え(デフォルト設定)を行えるボタンを押すと、このように使用中のアプリウィンドウがズラリと(かなり大きめのサムネイルで)並ぶ。このひとつをクリックすれば、そのウィンドウがアクティブにMarathon Mouse M705にも、このアプリケーション切り替え用のボタンがある

 MX Revolution使用時、親指は進む/戻るボタンしか操作していなかった。が、M950ではこれに加えてズームUP/DOWNとアプリ切り替えが自然にできるようになった。のが、ヒジョーに快適!! そういう意味では、M950、ボタンの位置やサイズもおおむね良好だ。ちなみに、これらボタンはもちろんSetPointでカスタマイズできるので、ユーザー次第でさまざまな応用ができますな。

どんどん増えてチョ!! Unifying対応機器

 M950はロジクールUnifyingレシーバー対応マウス。Unifyingレシーバーは、最大6つのロジクール製Unifying対応機器を1個のUnifyingレシーバー(パソコンのUSBポート側)でつなげられるというものだ。

ロジクールUnifyingレシーバー。PCに挿しっぱなしにしても大丈夫っぽいサイズ(短さ)のUSBレシーバーだM950の裏面にはUnifying対応であることを示すオレンジ色のマークがMarathon Mouse M705にもUnifying対応のマークがある

 まだ対応製品は多くないものの、たとえば今後対応機器がドドッと増えてくれたりすると、キーボードやマウスや……もしかしたらウェブカメラなんかも(??)、ひとつのUnifyingレシーバーだけで、パソコンとワイヤレスでUSB接続できちゃうかもしれない。

 実際に使ってみたが、設定は簡単。Unifying対応製品をパソコンに対して登録する=対応機器/Unifyingレシーバーのペアリングを行うだけだ。Bluetooth機器のペアリングと同様だが、Unifyingの場合はウィザードがほぼ全部やってくれるというイメージ。

Unifyingレシーバーを使うと、SetPoint上にUnifying設定のためのタブが現れる(現れない場合はUnifyingソフトウェアのインストールもしくはSetPointソフトウェアのアップデートが必要)。ここからUnifyingソフトウェアを呼び出すUnifyingソフトウェアの表示例。Unifying対応機器の登録は、ウィザードに従うだけで進められるひとつのUnifyingレシーバーに対し、最大6個のUnifying対応機器を接続できる。このウィンドウは3個のUnifying対応マウスをつなげたところ。もちろん、登録(ペアリング)の解除もできる

 てな感じ。普及すればUSBポート周辺がスッキリしますのう。現在でも積極活用すれば、たとえばノートPCユーザーなら、自室ではUnifying対応キーボードとマウスを使い、ノートPC持って外出するときはモバイル用のUnifying対応マウスを使う、なんて利用法が考えられる。上の写真のように、UnifyingレシーバーはPCに挿しっぱなしにしても大丈夫的な大きさ(出っ張り)なので、対応機器が増えれば定番のレシーバーになりそうだ。

 と、少々横道(!?)に逸れたが、最後にM950における“手へのなじみ具合”などについて。

 前述のとおり、MX Revolutionを長く使い続けてきた拙者的観点からなんですけど、結論から言えば「1時間で違和感がなくなった」という印象だ。MX RevolutionとM950は少し形状が違っていて、M950のほうが少し背が高くてプチ厚め、というイメージ。だが、指や手や手首が短時間でその違いを吸収してくれる程度だと感じた。

 それから、MX Revolutionは充電スタンドで充電するタイプだったが、M950はUSB充電や電池交換を必要とするタイプ。……ソレって実際不便なんじゃないの? とか思ったが、エネループ1本で使えるし、USB充電も可能、とか考えると、充電台+ACアダプタが机上からなくなるほうがスッキリしていいように思う。

 ただ、MX Revolutionを使い始めたときに少し感じたのと同様、全体的にもう一回り小さくなりつつ、ボタン位置が指に近づくようなサイズにして欲しかったとうのもM950に対する本音である。

 とは言っても、拙者的にはMX Revolutionを上回ると感じられる機能/利便を持つM950なので、期待して発売を待ちたいところ。ついでに、Unifying対応のdiNovo Edge新型を妄想して念じて渇望しまくってますんで、ゼヒ!! 英語配列でUnifying対応のdiNovo Edgeも出しておくんニャさい!! > ロジクール。

2009/10/19 06:00