スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

ロジクールのトラックボールとマウスを買う!

ロジクールのトラックボールとマウスを買う!

 ここ数カ月、愛用中のマウスがビミョーにトラブっておりまして。使用中のマウスはロジクールの旧ハイエンドマウス「MX Master(型番:MX2000)」(レビュー記事)。トラブルの詳細は後述しますが、そろそろ買い替えようかな、と。

 じゃあ、わりと最近、2017年6月15日に発売になった、ロジクールの最新ハイエンドマウス「MX MASTER 2S」(公式ページ)を! と思った途端に登場したのが、やはりロジクールの最新ハイエンドトラックボール「MX ERGO」(公式ページ)。

 そっか~トラックボールか~。ワイヤレスなのネ。トラックボールは机上で動かすスペースを取らないから、ナニゲに便利なんだよな~。よし、試しにトラックボールに移行してみよう! というわけで「MX ERGO」を購入しました。さらに、上記の最新ハイエンドマウス「MX MASTER 2S」も購入しました!

左がロジクールの最新ハイエンドトラックボール「MX ERGO」で、ロジクールオンラインストア価格(税抜)は1万2880円。右がロジクールの最新ハイエンドマウス「MX MASTER 2S」で、ロジクールオンラインストア価格(税抜)は1万2880円です。

 ナゼに2台? 結論だけ言っちゃいますと、トラックボールの「MX ERGO」は筆者の体っていうか手に全然合いませんでした。相性問題で玉砕。そこでマウスの「MX MASTER 2S」を購入。コチラはフツーに使いやすかったというわけです。ともあれ以降、「MX ERGO」や「MX MASTER 2S」の使用感等々をレポートしてみたいと思います。

親指コロコロがOKなら、快適に使えるトラックボール

 まずトラックボールの「MX ERGO」(公式ページ)から。トラックボールなので、机上の定点に置いて本体は動かさず、ボールを指で転がして画面上のポインタを操作します。「MX ERGO」の場合は親指でボールをコロコロと。ボールでポインタを動かすこと以外の操作は一般的なマウスとだいたい同じ。左右クリックやスクロールホイールなどがマウスと同様に使えます。

 この「MX ERGO」で特徴的なのは、右側に20度の角度で傾けられる点。より手にフィットしやすい角度にセットできるというわけです。なお、ボールの位置から、このトラックボールは右手専用ですネ。

 ほか、ボールを動かしたときのポインタ移動速度を一時的に遅くできる(つまり微細なポインタ制御が可能になる)プレシジョンモードボタンを搭載。普段はボールをコロコロ~ッと転がしてスピーディーなポインタ操作をし、必要に応じてプレシジョンモードに移行して緻密なポインタ操作を行う、というように使い分けられます。

 ペアリングできるデバイスは2台までで、無線接続方法はBluetoothもしくは付属USBドングルの「Unifying」。ホイールスクロール手前のEasy-Switchボタンを押せば、瞬時にペアリング相手を切り換えることができます。

サイズは高さ132.5×幅51.4×奥行き99.8mmで、質量は(幅×奥行き×高さ)、重量は底面の金属プレート込みで259g。USB充電式(microUSB)で満充電から最長4カ月使用可能です。マウスのように本体を動かすのではなく、机上の定点に置いて使い、ポインタ移動は親指でボールを転がすことで行います。
多ボタンのトラックボールで、ホイール手前にあるのがペアリング相手を変えるEasy-Switchボタン、ボールの上手前にあるのがポインタ移動速度を変えるプレシジョンモードボタンです。本体は左右方向の傾きを2段階に変えられます。
トラックボールの各種設定は「Logicool Options」(公式ページ)で行います。ロジクールのマウやキーボードやタッチパッドの設定を行える統合ソフトウェアですネ。画像はMac版ですが、もちろんWindows版もあります。
各ボタンへの機能割り付けは比較的に柔軟に行えて、アプリケーション毎に違う機能を割り振ることもできます。ただし、特定キー入力を各ボタンに割り振るれるほどの自由度の高さはありません。

 さて、実際に使ってみての印象ですが、各ボタンの押しやすさやクリック感などは好印象。左右クリック音がやや大きいという気がしますが、全体的に安っぽさがなくてイイ感じです。

 ボールはガタつきもなく、転がりはスムーズで、ボールを取り外しての掃除もラク。また、質量が259gあり、底部の金属プレートの下面はラバーで滑りにくく、見た目よりずっとドッシリとした安定感があります。マウスのように動かさず、手をどーんと置いて使う入力デバイスとしては、この安定感が嬉しいところ。

 欲を言えば、ボタン類の機能割り付けについて、もっと細かく行えればナ、と思います。単に特定のキー入力を割り振るとか、ボタン一押しで複数入力が連続して行われるマクロ的な機能が使えたりすると、マニアックでワガママな用途も叶えてくれると思います。とは言っても、まあフツーに便利と感じられる程度はボタン類の機能をカスタマイズできるので、大きな問題ではないと思います。

 ところでこの「MX ERGO」、親指でボールを転がすタイプのトラックボールです。で、 ヒッジョーに個人的な問題なんですが、筆者は「親指ボールタイプのトラックボールが超苦手」だったということを、「MX ERGO」を使って思い出しました。マヌケな話ですが、「あっ俺って人差し指タイプのトラックボールなら得意だったんだ!」というわけです。いや~トラックボールなんてチョ~久々だったもんで、チョ~ウッカリしてました!

コレはロジクールの「TRACKMAN MARBLE」(公式ページ)というトラックボール。人差し指や中指を使ってボールを操作するタイプです。ロジクールオンラインストア価格(税抜)は4380円。シンメトリーで、右手・左手兼用です。

 上の写真が人差し指タイプのトラックボールで、筆者はこのタイプだとかなり快適にコロコロしつつポインタをコントロールできるんでした。また、右手でも左手でも使えるので、左手でトラックボール、右手でマウス、という感じで使うこともできるんでした。こういった人差し指タイプのトラックボール、そう言えばケンジントンの製品(公式ページ)にもイイのがいろいろあったなあ……、みたいなコトも、「MX ERGO」を使って久々に思い出したというわけでした。

 親指だと、なーんでか、ポインタの上下の動きや斜め下(とくに右下)への動きが、ぎこちなくなっちゃうんです。これが人差し指や中指だと全然違って、滑らかに操作することができます。って私事ですけど、親指タイプのトラックボール、苦手な方は少なくないと思いますので、「MX ERGO」の購入を考える方はぜひ実機に触れ、事前にポインタの操作感を確かめてください。

なんでマウスの乗り換え?

 続いて、ハイエンドマウス「MX MASTER 2S」(公式ページ)についてですが、まず愛用中だった旧ハイエンドマウス「MX Master(型番:MX2000)」(レビュー記事)から、なぜ新型ハイエンドマウス「MX MASTER 2S」に乗り換えるかについて。前述のとおり「愛用中のマウスがビミョーにトラブっている」からなんですが……。

 このトラブル、具体的にはマウス表面の劣化です。恐らくですが、素材表面の「加水分解」による変質&ベタつきだと思われます。筆者の身近で加水分解しがちな製品についてはコチラに、その対症療法的な対応策についてはコチラに書きましたが、とても気に入っていた旧ハイエンドマウス「MX Master(型番:MX2000)」もベタベタ化しつつあるというわけです。

ベタベタ化が進むなか愛用中だった旧ハイエンドマウス「MX Master(型番:MX2000)」。マウスの親指が乗る部分、手のひらが乗る部分、小指が当たる部分がベタベタしてきています。この部分は少しだけ柔らいラバーっぽい素材。ほかのプラスチック部分は硬質でベタベタ化しませんが、指が触れる部分はテカテカしてきています。あと、毎日使って2年以上経っているので、電池の保ちもやや短くなってきている気もします。

 ベタベタしてきたところをアルコールや業務用洗剤で擦ると、一時的にベタつきが軽減されます。が、半月もするとまたベタ付きだして……の、繰り返し。毎日使って約2年半が経過すると、こういう感じに劣化するモンなんでしょうか。

 ちなみにこのマウス、保証期間は購入後2年。故障などトラブルでのサポートおよび保証において「神対応」がなされたりすることでも知られるロジクール製品ですが、保証期間切れではどうしようもありません。というわけで、最新型へ乗り換えたのでした。

新型も旧型もだいたい同じ!?

 さて、ハイエンドマウス「MX MASTER 2S」(公式ページ)について。なお、ご参考までに過去にレビューしたロジクール製マウス記事のリンクを提示します。

 2015年4月から使ってきた旧「MX Master(型番:MX2000)」から、最新ハイエンドマウス「MX MASTER 2S」に乗り換えたわけですが、ハードウェアとしての使い勝手は「だいたい同じ」です。センサーの解像度が上がったり電池持続時間が延びたりしているそうですが、前のモデルでも十分高解像度であり、電池もよく保つマウスだったので、「おっスゴい!」的な体感差はありません。また、カタチもサイズもほぼ同じ。ハードウェア的な使用感は旧機種のレビューと同じですので、そちらをお読みください。

黒いのが旧ハイエンドマウス「MX Master(型番:MX2000)」で、白いのが新ハイエンドマウス「MX MASTER 2S」。カラーやロゴなどは違いますが、形状やボタン数などはほぼ同じで、ハードウェアとしてそっくりです。手にした感じもそう。純粋にマウスとしての使用感は「同じ」という印象です。

 ただ、「圧倒的に違う」と言えるほどの使用感の差が、ひとつありました。「Logicool Flow」というソフトウェア的な機能への対応です。これスッゴくイイです♪ あまりにもイイので「Logicool Flow」対応キーボードを注文しちゃいました!

複数PCをひとつのマウスで操作! コピペもOK♪

 ハイエンドマウス「MX MASTER 2S」をはじめとした、ロジクール製マウスやキーボードで使える新しい便利機能こと「Logicool Flow」(公式ページ)。どういうものかと言えば、「1つのマウス/キーボードで3台までのパソコンをシームレスに扱える」「3台までのパソコン間でテキストやファイルをシームレスにコピペできる」という機能です。

 たとえば別の2台のパソコンがあるとします(Windows・Mac対応/混在可能)。「Logicool Flow」対応のマウスを使えば、2台のパソコンを1つのマウスで使えます。2台並べて使うと、ポインタがパソコン画面からパソコン画面へとシームレスに移動。まるで1台のパソコンをマルチディスプレイで使っているような感覚で、「2台のパソコンを1つのマウスで使えちゃう」んです。

 また、ポインタがある側(アクティブなポインタがある側)のパソコンでテキストやファイルをコピーし、ポインタをもう一方のパソコンに移動してからペーストすると、パソコンからパソコンへのコピー&ペースト完了。別々のパソコンなのに、同じパソコン内でコピペするのとほぼ同じ感覚で使えちゃうんです。

「MX MASTER 2S」の各種設定も「Logicool Options」で行います。また、「Logicool Flow」対応のマウスやキーボードを接続した場合、3台までのパソコンを1つのマウスやキーボードで扱うことができます。マルチディスプレイ上でポインタを動かすような感覚で、3台までのパソコンを使えるというイメージ。

 この「Logicool Flow」、使用するには条件があります。ひとつは、各パソコンに「Logicool Options」がインストールされていて、「Logicool Flow」対応のマウスやキーボードがペアリングされていること。それから、各パソコンが同じローカルエリアネットワーク(Wi-FiやEthernet)につながっていることです。

 できることは前述のとおり、3台パソコンを使っていてもマウスやキーボードが1つで済むということと、別々のパソコン間で手軽にコピペができること。マウスを持ち替える必要がなく、手を別のキーボードに置き換える必要もなく、クラウドやネットワークやUSBメモリなどを経由せずともファイルやテキストのコピーができます。

 と書くと、ちょっと面倒が減って、少し便利になる、ような感じ? みたいなイメージですけど、実際に使うと「複数台PCの環境が劇的に変わる」という印象です。ほんとにイイので、もっと「Logicool Flow」を使い混んでみて、改めてその機能や使用感をレポートしてみたいと思います。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。