法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」
「HUAWEI Mate20 Pro」は全方位の進化で“最強”の道を突き進む
2018年10月26日 18:48
10月16日、ファーウェイは「HUAWEI Mate20 Pro」「HUAWEI Mate20」「HUAWEI Mate20 X」、PORSCHE DESIGNとのコラボレーションモデル「PORSCHE DESIGN Mate20 RS」を発表した。
本誌では、英国・ロンドンのExCeL Londonで開催された発表会の様子は、速報記事でお伝えしているが、今回は、デモ機をもとにした、ファーストインプレッションをお伝えしよう。
可能性を拡げる大画面、しかし
スマートフォンにとって、もっとも重要なデバイスのひとつであるディスプレイ。かつてのケータイ時代から、カラー化や高解像度化、省電力化など、さまざまな面で端末の可能性を拡げてきた。
スマートフォンにおいてはWeブラウジング、メール、SNS、写真、動画、ゲームなど、利用シーンがさらに拡大したことで、一段と重要度が増している。
ただ、ディスプレイが大きくなれば、自ずとボディも大きくなり、ボディ幅が広くなれば、手に持ちにくくなってしまう。ディスプレイが大きくなることで、視認性が高くなる一方、手に持って使うときのユーザビリティが失われてしまうリスクがあるわけだ。
そんなジレンマに対し、国内外の端末メーカーは本体前面のベゼルを狭額縁化したり、ディスプレイの縦横比を縦長にするなど、さまざまな進化を試みてきた。特に、ここ1~2年はSNSでの動画共有が増える一方、映像配信サービスの普及が進んでいることもあり、大画面化は一段と勢いを増してきている印象だ。
ファーウェイのMateシリーズとPシリーズ
現在、スマートフォンのシェアでは世界第2位までポジションを上げたファーウェイは、この大画面のニーズに対して、既存モデルの大画面化を進めるだけでなく、早くから大画面・大容量バッテリーを搭載するモデルを展開してきた。
それが今回発表された「HUAWEI Mate」シリーズになる。ファーウェイは世界中のさまざまな国と地域に数多くのモデルを展開してきたが、現在の主力シリーズに位置付けられるのはコンパクトで持ちやすい「HUAWEI P」シリーズであり、もうひとつの主力が大画面ディスプレイを搭載した「HUAWEI Mate」シリーズになる。
ここ数年、国内向けにも両シリーズが発売され、今年の夏は「HUAWEI P20 Pro」がNTTドコモ専売という形で供給され、話題になる一方、オープンマーケットのSIMフリー端末、各携帯電話会社やMVNO各社のラインアップに加わった「HUAWEI P20 lite」がベストセラーを記録するほどの勢いで売れ、こちらも注目を集めている。
Mate 20シリーズが担う位置づけ
今回発表されたHUAWEI Mate20シリーズは、「HUAWEI Mate20 Pro」「HUAWEI Mate20」「HUAWEI Mate20 X」「PORSCHE DESIGN Mate20 RS」の4つのバリエーションがラインアップされている。
4つのモデルはチップセットなどの基本仕様を共通としながら、ディスプレイや外装、カメラなどの仕様を変えることで、それぞれに個性を持たせ、幅広いユーザーのニーズに応えようとしている。
もちろん、ここ数年のファーウェイ製端末の躍進を後押ししたLeicaとの協業によるカメラは、新しいコンセプトに基づいて開発されており、新しい世代へと進みつつある。
前面・背面が湾曲したデザインに
まず、外観からチェックしてみよう。これまでのHUAWEI Mateシリーズは筐体の限られたスペースに、できるだけ大きなディスプレイを搭載したこともあり、どちらかと言えば、スクエアで平べったいイメージのボディが採用されてきたが、一昨年の「HUAWEI Mate 9」、昨年の「HUAWEI Mate10 Pro」では背面を少しラウンドさせ、持ちやすさにも配慮するデザインへと進化していた。
これに対し、今回の「HUAWEI Mate20 Pro」は、本体の前面と背面の両サイドを湾曲させたデザインに一新している。Galaxy S9+などと同じような形状をイメージしてもらえると、わかりやすいだろう。
しかも両サイドの湾曲している部分がやや広く、全体的に流線形をイメージした形状に仕上げられている。本体前面のディスプレイ側がフラットだったHUAWEI Mate10 Proと比べると、がらりとイメージが変わった印象だ。
WQHD+対応6.39インチ有機ELディスプレイを搭載
側面の最薄部は2.3mmという薄さで、iPhone XS Maxの5.8mmに比べると、かなりスリムだ。ボディ幅も同クラスのディスプレイを搭載するiPhone XS MaxやiPhone XRが75mm以上であるのに対し、72.3mmに抑えられており、手に持ったときのスリム感が大きく異なる。
ディスプレイはWQHD+(3120×1440ドット)対応の6.39インチの有機ELディスプレイ(OLED)を搭載する。
ディスプレイの上部側にはHUAWEI P20 Proなどと同じノッチ(切り欠き)がある。ファーウェイによれば、ノッチ部分の幅がiPhone XS Maxで34.5mm、iPhone XRで35.1mmであるのに対し、HUAWEI Mate20 Proは32.8mmに抑えられている。
インカメラのみを内蔵したHUAWEI Mate20は水滴型のノッチになっており、その幅は8.9mmとさらに小さい。
ボディ側面側のベゼル(額縁)もかなり狭く、HUAWEI Mate20 Proで2.1mm、HUAWEI Mate20で2.6mmに抑えられており、iPhone XS Maxの4.0mmよりもはるかに目立たない。
Mate 20 Proの指紋はディスプレイに内蔵
本体前面の86.9%をディスプレイが覆うデザインを実現したHUAWEI Mate20 Pro。
しかし、HUAWEI P20 Proのように本体前面には指紋センサーがなく、HUAWEI Mate20のように背面にも備えられていない。
HUAWEI Mate20 Proはディスプレイ内に指紋認証センサーを内蔵し、画面の特定の部分に登録した指先を当てることで、ロックを解除できるようにしている。
実際にデモ機で指紋を登録し、ロック解除に何度も利用してみたが、ロック解除時は画面中央の少し下のあたりに指紋のアイコンが表示され、そこに指先を当てれば、ロックを解除することができた。
本体の前面や背面に備えられた物理的な指紋センサーは指先を触れる程度で解除できるが、HUAWEI Mate20 Proの指紋センサーは画面に指先で拇印を押すような操作で認識される印象だ。
ただ、認証そのものは非常に早く、ミスもほとんどない上、後述するノッチ部分に内蔵されたカメラや赤外線カメラ、ドットプロジェクターによる3D顔認証によるロック解除も併用できるため、まったくストレスなく、使うことができた。
たとえば、手に持って使うときは3D顔認証、机の上に置いてあるときは指先で指紋認証といった具合いに使い分けることができる。
防水防塵に対応、チップセットはKirin 980
ボディはIP68規格準拠に防水防塵に対応しており、本体の上部と下部にはステレオスピーカーを内蔵する。本体背面部分は指紋が付きにくくなる加工が施されている。
チップセットはIFA 2018の基調講演でも予告されていた第二世代のAI対応チップセット「Kirin 980」を搭載する。このチップセットは今回発表されたHUAWEI Mateシリーズ4機種に同じものが搭載されており、基本的なパフォーマンスは同等と見て構わない。
チップセットの性能だけによるものではないが、発表イベントでは従来製品に比べ、操作時のレスポンスが向上したことがアピールされていた。短い試用期間だったが、パフォーマンスにはまったく申し分なく、快適に利用できた。
ただ、FPSなどのグラフィックを多用するアプリなどで、どのようなレスポンスになるのかは検証できていない。メモリーとストレージはHUAWEI Mate20 Proが6GB RAMと128GB ROMで構成される。HUAWEI Mate20は4GB RAMと128GB ROM、6GB RAMと128GB ROMの2モデルが用意される。
独自のNM Card
外部メモリーについては一般的なmicroSDメモリーカードではなく、nanoSIMカードと同サイズのNM Cardを採用する。
本体下部に備えられたSIMトレイを取り出すと、表裏にnanoSIMカードが装着できるデュアルSIMになっており、片方はnanoSIMカードとNM Cardの排他利用となっている。このNM Cardがどういうものなのかはまだ明らかになっていないが、まもなくグローバル向けにも端末が出荷されるため、そう遠くない時期に詳細は明らかになりそうだ。
30分の急速充電で70%まで
そして、今回のHUAWEI Mate20 Proで、ちょっとしたトピックとなったのがバッテリー関連だ。本体には4200mAhの大容量バッテリーを搭載しており、かなりヘビーなユーザーの利用環境でもGalaxy Note9やiPhone XS Maxといったライバル機種よりも30%以上、ロングライフを実現できるとしていた。
しかし、バッテリー関連で、それ以上にインパクトがあったトピックが2つあった。ひとつは付属の40W ACアダプターを利用すれば、バッテリー残量がゼロの状態から30分で70%まで充電できるという「40W HUAWEI SuperCharge」に対応する点だ。
かなりの急速充電となるため、ユーザーとしては少し不安になりそうだが、HUAWEI P20 ProやHUAWEI Mate10 Pro発表時にも紹介されたドイツの安全性認証機関であるTUV Rheinlandの試験もクリアしており、安全に利用できるとしている。
実際に、ロンドン滞在中に数回、充電を試してみたが、まさに『急速』という印象の充電で、画面に表示されるバッテリー残量の%表示がみるみるうちに増えていった。人によって、使い方はさまざまだが、この急速充電であれば、いつも在宅時に充電器に接続しておくような使い方ではなく、出かける30分前に充電を始めれば、十分という印象だ。バッテリーの消費もHUAWEI P20 Proなどと同じように、AIによるアプリ動作の最適化の効果もあってか、かなり緩やかに減っていく印象だった。
もうひとつのトピックはQi規格のワイヤレス充電に対応したことが挙げられる。iPhoneやGalaxyなど、ここ数年、ライバル機種が次々とワイヤレス充電に対応していたのに対し、ファーウェイ製端末は未対応のままだったが、ようやく今回のHUAWEI Mate20 Proで15Wの対応した。
しかもHUAWEI Mate20 Proのワイヤレス充電で注目されるのは、ワイヤレスで充電できるだけでなく、他のワイヤレス充電対応端末に給電もできるという点だ。
これまで大容量バッテリーを搭載する端末などで、有線で給電する端末はあったが、ワイヤレスでの他端末への給電というのは過去にあまり例がなく、複数端末を持つユーザーなどに実用的な機能と言えそうだ。
通信面
通信関連については4×4 MIMO、5CC CA、256QAMなどに対応し、Cat.21の受信時最大1.4Gbpsに対応する。
実際の利用では接続する通信事業者のネットワークの対応などによって、変わってくるが、現時点での最大公約数とも言える対応が採られており、ユーザーとしては安心して利用できる。
GPS測位、複数の周波数をサポート
通信にも少し関わる部分だが、GPS対応にも新しい取り組みが見られた。一般的にスマートフォンのGPSはL1と呼ばれる周波数のみに対応し、現在地の測位などが行なわれているが、HUAWEI Mate20 ProはL1に加え、L5と呼ばれる他の周波数にも対応しており、より高精度の測位が可能だという。
発表会では実例として、ライバル機種2機種を含む3台の端末を身に着けたランナーがビルの多い香港の街並みをランニングして、「Nike+ Run」の結果を地図上で確認するというデモが公開された。デモはランニングだったが、街中で地図を表示するときなどにもかなり効果が期待できる進化と言えそうだ。
独自UIの「EMUI 9」
プラットフォームはAndroid 9 Pieが搭載され、ファーウェイ製端末のユーザーインターフェイスのEMUI 9に進化を遂げている。ユーザーインターフェイスはAndroid 9 Pie標準のものではなく、Android 8までの3つのナビゲーションキーを表示するものが搭載され、アプリ一覧の表示などもユーザーの好みに応じて、カスタマイズできるようにしている。
なかなか面白いと感じられたのがナビゲーションキーを表示しないユーザーインターフェイスの内、「ジェスチャー」と呼ばれるユーザーインターフェイスで、画面のエッジ部分(左右の湾曲している部分)を内側に短くスワイプすると[戻る]、画面の下から上にスワイプすると[ホーム]、上方向にスワイプした指を途中で止めると[起動中のタスク表示]という操作を割り当てている。一部はiPhone Xシリーズなどにも採用されている操作だが、画面をより広く使えるユーザーインターフェイスとして、意外に便利かもしれない。
期待のカメラは新設計「Matrix Camera System」に進化
ここ数年、ファーウェイ製端末がグローバル市場でも国内市場で躍進した理由のひとつにカメラがある。
フラッグシップモデルはLeicaとの協業によるマルチカメラを搭載し、数あるスマートフォンの中でもトップクラスのカメラ性能を実現してきた。
なかでも今年3月に発表され、国内ではNTTドコモが専売で取り扱うことになった「HUAWEI P20 Pro」は、モノクロとカラーのイメージセンサーを組み合わせたダブルレンズカメラをさらに進化。そして望遠カメラを組み合わせることで、従来のマルチカメラをさらに上回る性能を実現し、話題となった。筆者の周りでもデジタルカメラに詳しいライター諸氏が購入するなど、業界内でも高い評価を得ている。
こうした状況の中、今回のHUAWEI Mate20シリーズがどのようなカメラを搭載してくるのかが注目されたが、背面にマトリクス状に3つのカメラと1つのLEDフラッシュを内蔵するという新しい「Matrix Camera System」を搭載してきた。イメージセンサーなどの仕様は違うが、HUAWEI Mate20 Proだけでなく、HUAWEI Mate20やHUAWEI Mate20 X、PORSCHE DESIGN Mate20 RSも同様のデザインのカメラを搭載している。
背面の3つのカメラの内、上段に備えられているのが40MPのイメージセンサーにF1.8のレンズを組み合わせた広角カメラ(27mm相当)で、普段はこのカメラをメインで使うことになる。
次に、下段のLEDフラッシュの真下に備えられているのが8MPのイメージセンサーにF2.4のレンズを組み合わせた望遠カメラ(80mm相当)で、デジタルズームと組み合わせることで、最大10倍までのズームが可能になる。
そして、非常にユニークなのが下段右下に搭載されている20MPのイメージセンサーとF2.2のレンズを組み合わせた超広角カメラ(16mm相当)だ。
しかもイメージセンサーは1/1.7インチのコンパクトデジタルカメラと同等のかなり大きなセンサーを採用しており、より多くの光を取り込めることから、暗いところでの撮影にも強い。同時に、2.5cmまで寄ることができるマクロ撮影にも対応しているのも他機種にはない特長だ。
まったくの新設計になったHUAWEI Mate20 Proのカメラだが、少し気になるのは従来のHUAWEI P20 Proなどで採用されてきたモノクロとカラーのイメージセンサーを搭載するマルチカメラではなくなってしまった点だ。
このモノクロ/カラーセンサーによるマルチカメラは、モノクロセンサーで得た明暗情報をカラーセンサーの情報に組み合わせることで、カラーセンサー単独のカメラよりも高画質の写真を撮影できたが、今回はいずれもカラーセンサーのみでカメラが構成されている。
現時点でファーウェイからの公式な回答は得られていないが、一部では1つのセンサーで一度に複数枚を撮影し、高画質な写真を生成する方法が増えてきていることから、これを応用した新しい画像処理によって、高画質を狙ったのではないかと推測されている。
低照度での撮影についても発表会でデモ写真が公開されたが、最大ISO102400にまで対応していることから、0.5ルクスというかなり暗い環境でもライバル機種よりも明るく撮影できることがアピールされていた。発表会後にロンドンで夜間、何枚か撮影してみたが、確かにHUAWEI P20 Proのときと変わらない、もしくはそれを上回るかもしれないレベルの撮影ができていた。
マルチカメラのもうひとつのトピックであるボケ味の利いた写真の撮影については、従来機種の仕様を受け継いでおり、自然に撮影できている。背景をぼかすだけでなく、背景にある光源をハート型にしたり、背景を渦巻状に表現するなど、一歩進んだエフェクトも用意されている。動画撮影についても進化しており、撮影後に見たい場面がAIが切り出したり、一部の色だけを残した動画を撮影する機能なども搭載される。
ディスプレイの上部に備えられたインカメラについては、24MPのイメージセンサーにF2.0のレンズを組み合わせているが、ノッチ内には赤外線カメラや環境光センサー、ドットプロジェクターなどが内蔵されており、3D顔認証などにも利用される。普及モデルに搭載されている顔認証と違い、立体的に顔を捉えているため、写真などではロック解除ができず、安心して使うことができる。インカメラの撮影機能も強化されており、ポートレートモードで夜景と人物をバランス良く写すことができる。
さらに、インカメラの性能を活かし、顔をキャラクターに割り当て、人間の顔の動きに合わせてキャラクターの表情も変化させる「3D Live Emoji」、ぬいぐるみなどの物体をインカメラで撮影してモデリングする「3D Modeling」などの機能も搭載される。ちなみに、「3D Modeling」は今回試用した端末に搭載されておらず、今後、バージョンアップでの対応が予定されている。
この3D Modelingを活かした機能として、「3D Modeling Calorie Calculation」という機能も搭載される。これは食べ物を立体的にモデリングすることで、その食べ物がどれくらいのカロリーなのかを計算できるというものになる。
実際に、滞在時にレストランでの食事などを試してみたところ、まだ食べ物が正しく認識されなかったり、カロリーが通常よりも高いなど、発展途上中である部分もあったが、果物などは大きさによって、算出されるカロリーが違って表示されるなど、ある程度、対応できている部分もあった。カメラとAIを活かした新しい機能として、非常に注目される。
国内モデルに期待
10月16日にイギリス・ロンドンで発表されたファーウェイのフラッグシップモデル「HUAWEI Mate20」シリーズ。発表された「HUAWEI Mate20 Pro」「HUAWEI Mate20」「HUAWEI Mate20 X」「PORSCHE DESIGN Mate20 RS」の4機種の内、今回はデモ機を試すことができた「HUAWEI Mate20 Pro」の内容について、取り上げた。
ここ数年のファーウェイの躍進には目覚ましいものがあるが、その躍進を生み出しているのは単純に価格だけでなく、ライバルメーカーの端末にもしっかりと追随しつつ、自らの新機能も次々と生み出し、積極的に新モデルに展開していることが挙げられる。
しかもそれだけの新機能を搭載しながら、ユーザーが納得できる価格を設定していることも高く評価できる。今回発表された4機種の内、もっとも国内市場に登場する可能性が高いと予想される「HUAWEI Mate20 Pro」は、1049ユーロという価格が設定されており、日本円に換算すると、約13万5000円程度になる。
最近の各社のフラッグシップモデルと同じくらいの価格だが、おそらく発表会で明示された価格はEUの付加価値税を含んだものであり、もし、国内向けに販売されれば、もう少し価格が抑えられる可能性は十分にある。決して安い端末というわけではないが、今回取り上げたもの以外にも数多くの注目機能があり、ユーザーとしてはかなり楽しめる端末に仕上がっているという印象だ。
また、今回は詳しく触れていないが、「HUAWEI Mate20」「HUAWEI Mate20 X」「PORSCHE DESIGN Mate20 RS」はいずれも基本的に同じチップセットを採用しており、機能の多くも同じモノが搭載されている。
発表会後の国内の反応を見ていると、「HUAWEI Mate20 X」の国内投入を期待する声が見受けられたが、今のところ、国内投入の可能性は低そうだ。ただ、他メーカーと違い、ファーウェイはユーザーの反応をしっかりと捉えており、国内での要望が多ければ、国内向けに販売される可能性も十分に考えられる。
さらに、今回はスマートウォッチの「HUAWEI WATCH GT」、アクティビティトラッカーの「HUAWEI Band 3 Pro」も合わせて発表されている。国内はこうしたウェアラブル端末の売れ行きがそれほど高いわけではないが、ランニングなどのスポーツを楽しむユーザーだけでなく、スマートフォンと連携する時計などを求めるユーザーも着実に増えてきており、今後の国内展開にも期待がかかる。
今回発表された製品の国内展開については、まだ何も明らかにされていないが、昨年の実績を見れば、11月~12月にかけて、何らかの動きがあるはずだ。本誌の続報記事などをチェックしながら、今後の展開に期待したい。