三井公一の「スマホカメラでブラブラ」
デザイン一新の「AQUOS R9」、カメラの実力に迫る
2024年7月26日 00:00
シャープからユニークなデザインのスマートフォンが登場した。三宅一成氏の手によるルックスを採用したこの「AQUOS R9」は、ライカとの協業によるカメラを搭載し、ブランドアンバサダーとして故松田優作氏を起用。話題を呼びそうな端末になっている。今回は「AQUOS R9」を手にブラブラと撮影を楽しんでみた。
スペックや価格など詳細は本誌別記事を参照して欲しい。
カメラはライカとの協業
「AQUOS R9」のカメラはライカと協業したユニットが搭載されている。その部分はユニークなデザインになっており「自由曲線」を取り入れて、丸でも四角でもない「緩い」イメージで、どことなく柔らかく人に近い雰囲気の意匠に仕上げられている。
気になるカメラだが、ライカ監修のHEKTOR(ヘクトール)レンズを採用する。
標準カメラ、広角カメラ、インカメラの3つに、5030万画素かつ像面位相差オートフォーカスとなっている。
メインとなる標準カメラは、全画素を用いた像面位相差オートフォーカスかつ光学式手ブレ補正対応に仕上げられているのが特徴だ。またAIによる動体予測被写体追尾も搭載されている。
端末は全体的にソリッドでシンプルな形状で、エッジがやや角張っていて、ケースなしでも撮影時にとても持ちやすい印象を受けた。高級感もあり、大人の端末という雰囲気である。
画角比較カット
x0.6、x1、x2、最大の8倍デジタルズームのカットを比較してみた。x0.6、x1はシャープネス強めだがまずまずの写りで色味も良好だ。それ以上だと発色も微妙になり、塗り絵的な描写になってくる。
スクリーンに表示されるx0.6、x1、x2の範囲で写すのが賢明だろう。ただこの切り替えがスローなのだ。タップしてからワンテンポ遅れる感じなので注意が必要である。
「ポートレートモード」も搭載
背景をぼかすことが可能なポートレートモードももちろん搭載されている。
撮影時にスクリーンで確認するとエッジは曖昧に表示されるが、仕上がりはちゃんと境界を判別して、ぼけてくれていた。このような表示が多かったので写りが心配になった。人物の美肌とボケ量をスライダーで調整可能だ。
「ウォーターマーク(透かし)」機能も搭載
ライカと協業しているスマートフォンの流行は、撮影カットに「ウォーターマーク(透かし)」を入れ込むことのようだ。この「AQUOS R9」にも「ウォーターマーク」としてカメラの設定からそれのオンオフが可能だ。
しかも「AQUOSロゴ」、「オリジナル」、「日時」、「LEICA HEKTOR +撮影情報」の4種類も選ぶことができる。それぞれの組み合わせも可能という充実ぶりである(笑)きっと多くの人は「LEICA HEKTOR + 撮影情報」を選ぶに違いない。
「AQUOS R9」でブラブラ実写スナップ
ソリッドで持ちやすい「AQUOS R9」を手にアチコチをブラブラと撮り歩いてみた。
スクリーンも見やすく、バッテリーの保ちもよく、焦点距離の切り替えが遅いことを除けば、比較的サクサクと撮影することができた。設定で「すばやく起動」をオンにしておけば電源キーの二回押しでカメラを立ち上げられるのでオススメだ。
ポートレートモードはスクリーンでのプレビュー時に境界が曖昧に表示される。しかし写りはなかなかの仕上がりに。ボケ量はスライダーで調整可能だ。
電源キーのダブルクリックでカメラが即座に立ち上がるので、ブラブラと街中を歩くスナップ撮影で「!」と感じた被写体を瞬時に撮影できるのがいい。オートフォーカスも正確で速く感じた。
まとめ
「AQUOS R9」は優しげなルックスが特徴だが、搭載されているカメラも同様の印象だ。
標準カメラと広角カメラの写りはまずまずで、デジタルズームの領域まで踏み込まなければ問題ない描写だと感じた。
威圧的にいくつもカメラが並ぶスマートフォンが多い中、ユニークなデザインの端末がほしい人にはいい選択肢になる一台だろう。もし「PRO」が登場するのであればどのようになるのか楽しみである。