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コードを1行も書かずに自分用アプリが完成。GeminiとGalaxy Z Fold7でVibe Codingを試してみた

【Galaxy Z Fold7】

 生成AIの発展、進化により、アプリ開発の世界が変わり始めているという。コーディングの知識がなくてもAIに指示を出すだけで、それが可能になったことで、プログラマーやエンジニア以外の人でも実際にアプリを作れるようになった。エンジニア以外の職種の人が、ハッカソンで受賞するといったケースも報じられている。

自分用のアプリをGeminiに頼んで作ってもらった。本稿も、そのアプリで執筆した

 スマホのプラットフォーマーやメーカーも、こうした機能を一部取り入れ、プログラミングの間口を広げようとしている。

 Nothingは、自分専用のウィジェットを作成する「Essential Apps」を同社のスマホに搭載。グーグルも、Androidのウィジェットを作れる機能を、「Gemini Intelligence」の一環として、この夏から開始する予定だ。

 ここまで簡単にアプリが作れるのであれば、筆者もほしいと思っていたアプリは自分で開発してしまえばいいのでは……そう思いたち、仕事の合間にアプリを作り始めた。

 手始めに、仕事用のメインPCにAndroid用の開発ツールであるAndroid Studioをインストール。サイドバーにGeminiを呼び出し、時差を計算するアプリを書いてと頼んでみた。

 すると、コードを一気に書き上げ、数分も待たずにアプリが出来上がった。このアプリは、特定のタイムゾーンの日時が、別のタイムゾーンの国や地域で何日何時かをまとめて表示するというもの。

 海外でイベントが開催される際に、その時間を入れ、日本での時間を調べたり、逆のことをしたりできるようにしたかった。近いアプリはGoogle Playにもあったが、広告なしで、機能も自分に必要なものだけに絞った。

Android Studioをインストールして、時差を計算するアプリを作ってもらった。画像は、そのアプリに対して表示名の修正と多言語対応を依頼しているところ。自然言語で指示を出すだけでいい

 出来上がったアプリのAPK(アプリをまとめたAndroidのインストール用ファイル)をGoogleドライブ経由でGalaxy Z Fold7に送り、起動してみたところ、あっさり動いてしまった。

 ただ、ユーザーインターフェイスがこなれてなかったり、表示できる都市が足りなかったり、表示している都市のカードをドラッグで移動できるようにしたかったりと、足りない部分も見えてきた。

 こうした部分が足りないということをサイドバーのGeminiに伝えていき、1つ1つ機能を実装し、アプリが完成した。筆者はコードを1行も書いておらず、かつ読んでもいないが、無事にアプリは完成。仕事の合間合間に指示を出しただけで、時間は半日もかかっていない。

完成したアプリ。特定の都市名をタップすると日付と時間を入力でき、各地のタイムゾーンに基づいた時間が表示される

 ここまで簡単なら……ということで、次に作ってみたかったテキストエディタの制作にも取りかかってみた。

 同業者の多くと同様、筆者も執筆にはテキストエディタを活用しているが、世の中のエディタの多くは、原稿執筆とコーディングなどのように、複数の用途を想定しているものが多く、多機能になっている。Androidには、そもそも選択肢も少ない。

 筆者もGalaxy Z Fold7でメモを取る際には、Google Keepを使っていたが、これだと1行の文字数を決めたりできないので原稿執筆にはやや都合が悪い。

 そこで、上記の時差計算をするアプリと同じようにAndroid StudioのGeminiにコンセプトを伝え、アプリのコードを書いてと頼んでみたところ、こちらもあっさりアプリの原型が完成した。

 この原型は、あくまでテキストを入力できるだけのもの。ここに検索や置換、文字数カウント、1行の文字指定、句読点や括弧のぶら下げの有無を選択する機能などをつけていった。ただ、単機能でシンプルな時差計算アプリよりも、やはりバグは多く出る。

 特にファイルの扱いはAndroidのようなモバイルプラットフォームだとハードルが高く、うまく処理してもらうのに若干苦戦した。

自分にとって必要な機能だけを取捨選択し、それらをすぐに呼び出せるようにしたシンプルなテキストエディタを作った。本稿も、アプリのデバッグを兼ね、それを使って執筆してみた

 都度Geminiに原因を聞きながら作業を進めているが、テキストエディタはシンプルなようでなかなか奥が深い。現時点でもまだカーソルの移動などにバグが残っているので、開発は継続している。

シンプルながら、アプリの保存やテキストの表示方法などに思わぬバグが出るため、都度、使いながら修正をかけている。WebのGeminiにコードを見せ、問題を特定してより詳細なプロンプトを作成したあと、サイドバーのGeminiに実行させる方が問題を特定しやすかった

 とは言え、本稿もそのテキストエディタで執筆しており、一応は仕事に使えていたりする。軽量でサクサク動くことを目指したため、操作感も悪くない。

 このアプリがあれば、Galaxy Z Fold7をもっと仕事で活かせるような気がしている。今後は、iPad Proにこれを移植しようと考えていたりもする。

 高い壁があったアプリの開発だが、生成AIで一気にハードルが下がり、筆者のようにまったくコードを書けない(大学時代に必修科目でC言語のプログラミングをして以来かもしれない)人でもある程度のものは作れるようになった。

 自分が必要な機能だけを入れられるので、アプリを使った作業の効率化にもつながる。世の中に使いたいアプリがないという人は試してみるといいだろう。