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美麗グラフィックのバーチャルサイクリングアプリ「MyWhoosh」を試してみた
2024年7月16日 00:00
ツール・ド・フランス2024、まっただ中の今日この頃、筆者は相変わらずバーチャルサイクリング(トレーニング)サービスの「Zwift」で健康管理している。のだが、去る5月、唐突に料金値上げのお知らせが届き、月額2400円、年額2万4000円へと変更された。
まあ、それまでの月額1650円が安すぎたし、値上げ後も為替レートを考えれば日本だけ他の国より異常に安い(例えば米国は月額19.99ドル=約3200円)ので仕方がない。すでに年額で支払っている筆者は2024年末まで追加料金はかからないが、更新するかどうかは正直微妙だ。
とはいえ、Zwiftをやめたところで手元にあるスマートトレーナーがただの置物になってしまうだけなので、代わりのサービスを見つけたいところ。と、そんなときに目に留まったのが「MyWhoosh」というサービスだ。
MyWhooshはアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに拠点をもつ企業が提供している。ツール・ド・フランスなどの自転車レースが好きな人ならご存じ、サイクルチームであるUAE Team Emiratesとの関係も深いようだ。その資金力のおかげか、サービス自体は今のところすべて無料というのが大きな特徴となっている。
動作環境はiOS、Android、Windows、macOS、Apple TVと幅広い(Zwiftと同等)。Windowsについてはスタンダード版の他に高画質版の「MyWhoosh HD」があり、パソコンのスペックに合わせて選択できる。後者は最低でもAMD Ryzen 7 3700XかつNVIDIA GeForce RTX 3060Ti以上のスペックが要求され、その分グラフィックは美麗だ。
しかしながら、Windows版はどちらも安定感に乏しく、スマートトレーナーやセンサーが認識されにくかったり、突然クラッシュしたりする。どちらかというとスマホアプリの方がまだ安定している印象……。
というわけで、筆者のGoogle Pixel 8 Proで動かしてみた。そのままだと画面サイズが小さいので、最近Pixel 8シリーズで有効になった画面ミラーリング機能を使ってパソコン用モニターに画面出力しながら使ってみることにする。
MyWhooshがどんなサービスかというと、オーストラリア、カリフォルニア、ベルギー、アラブ、コロンビアなど、現実の世界をイメージした地域のコースが用意され、オンラインの他のユーザーと一緒に走ることができる、というもの。
リアリティ重視の見た目ながら、一部でマンガ風のファンタジーな風景にも出会える。
それらのコースを自由に走れる「FREE RIDE」のほか、あらかじめ決められた強度でトレーニングできる「WORKOUT」、他のユーザーとのグループライドやレースができる「EVENTS」、自分のレベルに応じた一定の強度で走れる「MYBUNCH 24x7」といったモードがある。
走行距離などに応じてレベルアップしたり、ゲーム内通貨を獲得できたりもする。その通貨を使って(または課金して)アバターの見た目や自転車の種類を変えることも可能だ。
走行中の風景は、スマホ版でもそれなりにクオリティの高いグラフィックとなっている。
合わせて表示される各種情報(HUD)は、わりとシンプルなZwiftに慣れていると少し混雑気味に感じるけれども、ワットとW/kgが並んで表示され、リアルタイムのゾーン(負荷)や消費カロリーもわかるのはうれしい。
人と自転車と道路のスケールが現実に近いようにも思えて、実走感も高い。
さすがに同時接続人数はZwiftと比べれば圧倒的に少なく、レースやグループライドはそこそこ過疎っている。イベントの数自体も少ない。でも、大人数でのレースが楽しみたいというのでなければMyWhooshは全然アリ。
ワークアウトも豊富に用意されているし、FTP向上に向けたトレーニングプランを立てる機能もあって計画的に鍛えられる。このまま無料提供が継続されるなら、Zwiftの代替サービスとしてかなり有望ではないだろうか。