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「Xiaomi 14 Ultra」はFeliCa非搭載でもタッチ決済でお支払い
【Xiaomi 14 Ultra】
2024年7月17日 00:00
業界内で大人気の「Xiaomi 14 Ultra」
今年5月、国内向けに発売されたシャオミの「Xiaomi 14 Ultra」。Leicaと共同開発したカメラも魅力だけど、「19万9900円」という価格で2万2000円相当の「Photography Kit」がプレゼントされるお得感もあり、発売当初から、なかなかの人気ぶり。
発売当初、シャオミの公式オンラインストアだけでなく、家電量販店などでも品切れになり、慌てて、東京の渋谷PARCOにオープンしたばかりの「Xiaomi POP-UP Store」まで買いに走った人もいたとか。
本コーナーの著者陣でも何人かが購入していて、すでに記事も掲載されているけど、業界内でも結構な人気ぶり。あるPC系の著名ライターさんは「このドキュメントモード、発表会で使いまくってますよ」とカメラの撮影モードの「ドキュメント」モードを絶賛していた。
これまでもホワイトボードなどを斜めに撮って、正対させた状態で保存する機能は、いくつかの機種に採用されたことがあるけど、「Xiaomi 14 Ultra」をはじめとしたシャオミ製端末は、撮影時にファインダーに切り抜くエリアがすぐに表示され、操作もわかりやすいのが特長。
そんな「Xiaomi 14 Ultra」ですが、かく言う筆者も予約して、購入しました。ただ、過去にも書いているように、普段から複数端末を持ち歩いているので、どちらかと言えば、デジタルカメラ的な使い方が中心。
イベントや人に会うときなどに持って行き、写真を撮ったりしています。あ、もちろん、発表会でもプレゼンテーションのスクリーンも撮ってますよ(笑)。
「Xiaomi 14 Ultra」に足りないのは……
本誌のレビュー記事などでも少し触れたけど、「Xiaomi 14 Ultra」はグローバルで発表され、比較的早いタイミングで日本に展開されたモデル。
関係者曰く、認証やソフトウェアなど、できるだけ最小限のローカライズに抑えたため、早く国内市場に送り出せたとのこと。
その割に、耐環境性能はIPX8防水、IP6X防塵対応だし、5G対応バンドはNTTドコモに割り当てられた「n79」もサポートしていたりして、意外に日本でも使いやすいモデルに仕上がっている。
ただ、最近、シャオミが国内向けに販売しているモデルと比べると、足りない要素もある。そのひとつが「おサイフケータイ」。
シャオミは「Xiaomi 13T Pro」や「Redmi Note 13 Pro+ 5G」など、オープン市場向けの端末でもFeliCaを搭載し、おサイフケータイ対応端末を販売しているけど、今回の「Xiaomi 14 Ultra」は国内展開を急いだため、FeliCaを搭載せず、「おサイフケータイ非対応」という形で国内市場に送り出された。
市場での反応を見ると、「おサイフケータイ対応なら、欲しいんだけどな」という投稿を見かけるけど、FeliCa搭載というハードウェア的な変更に加え、フェリカネットワークスの試験をクリアするなどの手続きを考えると、今回の判断はしかたのないところ。
「おサイフケータイ非対応」って、本当に困る?
おサイフケータイが国内市場において、防水防塵などと並び、必須機能とされている。筆者も何度となく、「日本仕様」として、記事や番組で触れてきた。
ただ、決済サービスという視点で考えると、少し様子が変わってきたような気もする。
たとえば、国内では各携帯電話会社及びその関連会社が提供する「d払い」「au PAY」「PayPay」「楽天ペイ」といったコード決済(QRコード決済)がまたたく間に街中に拡がり、手厚いポイントサービスとも相まって、モバイル決済の定番の地位を確立しつつある。
コード決済サービスでも撤退するサービスがいくつかあって、これから淘汰がはじまるという見方もあるけど、とりあえず、この4つのサービスは携帯電話会社の再編でも起こらない限り、継続して利用できるだろうし、万が一、サービスの統廃合があってもこの規模のサービスなので、いずれかの企業がサービスを継承するはず。
逆に、FeliCaが必須となるのが「モバイルSuica」や「モバイルPASMO」といった交通系ICサービス。
これは非接触IC「FeliCa」が搭載されていない限り、利用できないわけだけど、SuicaやPASMO、各地域の鉄道事業者などと提携した交通系IC搭載のクレジットカードが数多く発行されているので、そちらを使うのも手。
ちなみに、筆者は「Galaxy Z Fold5」にモバイルSuicaを登録しているけど、ビックカメラの「ビックカメラSuicaカード」や東京メトロの「To Me CARD」(PASMO)を持っているので、こちらで公共交通機関に乗ることもできる。
「Xiaomi 14 Ultra」でタッチ決済ができる?
とまあ、余計なことをたくさん書いたけど、 じゃあ、「Xiaomi 14 Ultra」で利用できる決済サービスは、コード決済だけなのかというと、そうでもない。 「Xiaomi 14 Ultra」には非接触ICとして、NFC規格に準拠した「Type A/B」が搭載されていて、Google Payに対応するクレジットカードを登録することで、「VISAのタッチ決済」が利用できる。
最近、VISAのクレジットカードをかざして払うタッチ決済が増えてきているけど、これが利用できる店舗の決済端末であれば、NFC(Type A/B)のみの端末(おサイフケータイ非対応)でもタッチ決済が利用できる。
このことは金融系や決済関連に詳しい他のライターさんからも聞いていたんだけど、意外にそういう端末(FeliCa非搭載端末)を手にする機会が少なく、試す機会がなかった。
それに加え、Google Payへの登録方法が周知されておらず、一度、NFC(Type A/B)のみの端末でGoogle Payの[ウォレット]アプリから登録してみたら、「このカードはタッチ決済を設定できません」と表示されてしまった。
VISAのタッチ決済に利用できるカードは、VISAのタッチ決済のWebページに掲載されているんだけど、ほとんどが金融機関系のデビットカードで、クレジットカードは三井住友カード、VISA LINE Payクレジットカード、エポスカードのみ。
ただし、三井住友カードについては基本的に自社発行のクレジットカードのみで、旧Amazon Prime mastercardなどの提携カードは登録できないものがあるという。
これらのうち、筆者は東京オリンピック開催前に記念で発行された「VISA LINE Payクレジットカードを作っていたので、これを登録してみることにした。ここでちょっと注意が必要なのが登録方法。
Google Payへのクレジットカードの登録は、通常、[ウォレット]アプリから操作するけど、VISAのタッチ決済対応のクレジットカードを登録するときは、三井住友カードの公式アプリ[Vpass]をインストールし、アプリ内の[Google Payの設定]から操作する。
ちなみに、Googleの[ウォレット]アプリから同じクレジットカードを登録しようとすると、本来は[iD]が登録されるが、「Xiaomi 14 Ultra」はFeliCaを搭載していないというか、NFC(Type A/B)搭載なので、前述のように「このカードはタッチ決済を設定できません」と表示されてしまうのだという。
ということで、無事に「Xiaomi 14 Ultra」にLINE Payクレジットカードを登録できたので、早速、近所のお買い物で使ってみました。支払い方法はおサイフケータイと同じだけど、店員さんには「VISAのタッチ決済で」と言えば、大丈夫。
支払えるお店はVISAタッチ決済対応店で、タッチ決済のアイコンが表示されているカードリーダーであれば、大丈夫。
筆者の場合、持ち歩いている他の端末でおサイフケータイを利用しているので、あまり出番はなさそうだけど、気が向いたら、今後も使ってみようかと。
ただ、ひとつ困ったことがあって、せっかく登録できたのに、2025年4月にLINE Payが終了するという話。
本誌の記事でも触れられているけど、VISA LINE Payクレジットカードはカードの有効期限まででショッピングなどができなくなるという。筆者が持つカードも来年には有効期限を迎えるため、いずれ「Xiaomi 14 Ultra」でのタッチ決済も利用できなくなるわけだ。
もっともその頃には、後継機種(Xiaomi 15 Ultra?)が発表されているかもしれないし、他の三井住友カードを作るのも手だけど、問題はそこまでして、VISAタッチ決済を使いたいのかという点。
でも、本コーナーの「そろそろ何とかして欲しい、おサイフケータイの初期化」でも書いたけど、おサイフケータイはいろいろと不安要素が多いので、あまり依存したくないような……。
各携帯電話会社のポイント施策もあるので、やっぱり、4社のコード決済を使った方がおトクなんですかねぇ。