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複雑かつ面倒なdアカウント設定、10月13日の改善はあるか?
2023年10月6日 00:00
10月13日に、dアカウントのログイン方法が「パスキー」に変更される。元々は10月上旬と案内されていたが、いつの間にか日程が確定していたようだ。
現時点では、ドコモ回線に紐づいたdアカウントを端末に設定しようとすると、ネットワーク暗証番号による「回線認証」やdアカウントを設定した他の端末で認証を行う「スマホ認証」が求められる。厄介なのが、デュアルSIM端末で他社回線に切り替える場合だ。
dアカウントはその仕様上、回線を切り替えるだけであっさりログアウトされてしまう。千歩ぐらい譲ってそこまではまだいいとしても、他社回線で再度ログインするハードルが非常に、非常に高い(大事なことなので2回繰り返しました)。
上記のとおり、回線認証かスマホ認証が必要になるが、前者はドコモ回線ではないので利用できない。一方の後者は、あらかじめdアカウント設定済みの“別の端末”が必要になってしまう。
つまり、他社回線に切り替えると、もう1台スマホなりタブレットなりにあらかじめdアカウントを設定しておかないと、ログインすらできなくなってしまうというわけだ。
この状態だと、ドコモメールの読み込みなども一切できなくなる。しかも、何らかの拍子でもう1台の端末に設定したdアカウントがログアウトされていると、デュアルSIMで切り替えた他社回線でログインする手段がなくなる。完全に詰んでしまうというわけだ。
特にこれが発生しがちなのが、海外渡航時。海外に着いて、ドコモ回線からローミングキャリアなり現地SIMなりに切り替えると、上記のようにログアウトが発生してしまう。
ここでもう1台の端末(筆者はiPhone 15 ProとPixel 7にも設定している)を取り出し、ログインを試みようとすると、そっちはそっちでログアウトされてしまっているため、スマホ認証が使えない。
結局、それだけのために一度ドコモ回線でローミングしたあと、別端末のdアカウントを再設定、再度1台目の非ドコモ回線でスマホ認証をするという複雑な手順を踏まなければならない。
これ、もうユーザーに使わせる気がないですよね……。後付けでデュアルSIM端末を導入したこともあって、仕様がまったくこなれていないことがよく分かる。
というようなことが、冒頭で挙げたパスキーの全面導入によって解消されることを期待している。現時点で、デュアルSIM利用時の挙動は判明していないが、少なくともデュアルSIMユーザーに混乱を与えているスマホ認証はなくなり、パスキーに切り替わる。
変更機能の一覧を見れば分かるが、文字通り“刷新”と言ってもいいほど、あらゆる認証がパスキーに丸っと統一されている。パスキーとは、FIDO Allianceの策定したパスワードレス認証の技術で、ドコモもここに参画している。
スマホ側に秘密鍵を補完し、それを生体認証で取り出し、サイト側の公開鍵と組み合わせることで認証を行う仕組みだ。
この仕様や、スマホ認証の代わりとしてパスキーが挙げられていることを踏まえれば、デュアルSIMで他社回線に切り替えた場合でも、指紋認証などだけで再ログインできるようになる可能性はある。
ただ、少し不安なのが機能リストの最後の最後に、「モバイル回線(5G・4G・3G・LTEなど)接続による認証」が鎮座していること。この一言で気持ちがザワザワしてしまった(笑)。
説明には、「一部サービスにおいてモバイル回線接続による認証時、ネットワーク暗証番号の入力を求めるようになります」と記載されており、これを文字通り解釈すれば、他社回線で接続した場合はスマホ認証の代わりのパスキーになると読むことはできる。
しかしながら、これまで認証方法が取っ散らかっていたこともあり、これが本当にドコモ回線で接続したときにのみ求められるものなのかがよく分からない。
仮にドコモ回線に紐づいたdアカウントはこれが必須となってしまうと、他社回線でログインすらできなくなってしまう。そもそも、スマホにプリインストールされたdアカウント設定がどうなるのかなど、まったく案内されていないことも多い。
機能変更が多い割に、説明が不足している印象だ。ほとんどすべての認証がパスキーに統一されていることを願いつつ、10月13日の新機能導入を待ちたい。