みんなのケータイ

セキュリティのため、「dアカウント」のIDを変更したけど……

【iPhone 11 Pro】

 インターネットで提供されるさまざまなサービスを利用するには「アカウント」が必要。GoogleアカウントやApple ID、Yahoo!ID、Facebook、Twitter、Instagram、LINEなど、いくつもアカウントを管理しなければならない。

 そして、各携帯電話会社のサービスを利用したり、利用状況を確認するのにもアカウントが必要。

 NTTドコモは「dアカウント」、auは「au ID」が利用されている。ソフトバンクは今ひとつ表記も説明ページもバラバラだけど(笑)、My SoftBankにアクセスするには「SoftBank ID」を利用している。

 かつてのケータイ時代は、基本的に各携帯電話会社のネットワークから接続していたため、アカウントはあまり重視されていなかったけど、今や各携帯電話会社のサービスもオープン化の方向。

 モバイル回線だけでなく、Wi-Fiなどでも接続するうえ、パソコンやタブレット、家庭用テレビなどでも利用できるサービスが増えてきているので、やっぱり、GoogleアカウントやApple IDなどと同じように、各携帯電話会社のアカウントも重要になってくる。

 そんな重要な各携帯電話会社のアカウントのIDを半ば強制的に「変更してください」と言われてしまうことが起きている。

 ここ数カ月、一部のNTTドコモのユーザーがMy docomoなどにアクセスしたときに表示されているので、おそらく読者のみなさんでも「見かけた」「変更した」「表示されたけど、まだ変更していない」という人がいるはず。

iPhone 11 Proで[My docomo]のアプリを起動すると、左のような画面が表示される。NTTドコモが扱うAndroidスマートフォン(右のAQUOS sense 3 SH-02M)は[設定]アプリ内に「ドコモのサービス/クラウド」というメニューが用意されている。

 NTTドコモのdアカウントは、IDにメールアドレスや利用者が選んだ自由な文字列を登録できるんだけど、dアカウントの前身である「docomo ID」の時代から、ドコモショップなどで手続きをしていた関係上、わかりやすさや覚えやすさが考慮され、契約したNTTドコモの回線の電話番号などを設定されるケースが多かったようだ。
 ところが、ここ数年、インターネット上のサービスでは「リスト型攻撃」による不正アクセスが増えており、類推されやすいアカウントは攻撃を受けやすいと指摘されている。特に、今年は「7pay」などでトラブルが起きたことも影響したのか、NTTドコモは今年9月にMy docomoで「dアカウントのIDに「電話番号」や「生年月日」などを設定されているお客さまへ」というお知らせを出し、dアカウントに電話番号などを設定するユーザーに対し、IDの変更を促している。

電話番号や誕生日など、類推されやすい文字列をdアカウントのIDに設定していると、こんな画面が表示される。後で変更することもできるが……

 セキュリティの観点から考えて、こうした取り組みは好ましいことだけど、dアカウントのID変更は普通のユーザーにとって、ちょっと敷居が高く感じられるもの。具体的にな手順としては、iPhoneの場合、[dアカウント設定]というアプリを使い、[dアカウント設定]-[IDの変更]で変更できる。アプリがインストールされていないときは、AppStoreからダウンロードできる。

 ちなみに、Androidスマートフォンについては、[設定]アプリ内に[ドコモのサービス/クラウド]というメニューが用意されていて(NTTドコモが販売するモデルのみ)、[dアカウント設定]でIDを変更できる。いずれの環境も変更の手順はNTTドコモのdアカウントの「IDを変更する」というページで解説されている。

画面の指示に従い、[IDを変更する]を選ぶと、ブラウザ(Safari)が起動し、dアカウントを変更するWebページが表示される
dアカウントの新しいIDを入力。ここでiPhoneやiPadでは「iPhone利用設定プロファイル」や「iPad利用設定プロファイル」の再設定が必要であることが明示される

 ただ、dアカウントのID変更は、変更すれば、おしまいというわけではない。

 当然のことながら、関連するサービスなどもすべて新しいdアカウントのIDでログインし直したり、再設定をする必要がある。NTTドコモが提供するサービスについてはもちろん、前述の[dアカウント設定]や[My docomo]のアプリなどもすべて再設定が必要。「DAZN for docomo」や「dTV」などを契約していて、家庭用テレビなどで視聴しているときは、そちらもログインし直すことになる。

dアカウントのID変更から、画面の指示に従って操作すると、自動的に「iPhoneドコモメール利用設定」のページが表示され、プロファイルをダウンロードすることになる
ダウンロードしたプロファイルをインストールする

 さらに、iPhoneについては、もうひとつ面倒な仕事が残っていて、実はドコモメールも再設定が必要。iPhoneのSafariでブックマークから「My docomo(お客様サポート)」にアクセスし、「iPhone利用設定」のプロファイルをダウンロードして、インストールする。

 詳しい手順はNTTドコモの「iPhone・iPadでドコモメールを使う」というページの「iPhoneドコモメール利用設定」に掲載されている。

 ドコモメールはクラウドに保存されているので、メールが消える心配はないし、キャリアメールの利用頻度は減りつつあると言われているけど、iOSのプロファイルをインストールすると、またNTTドコモのアプリのショートカットがホーム画面にたくさん追加されてしまい……。

一画面に収まらないほど、たくさんのアプリのショートカットが追加される。すでにアプリがインストールされているものはショートカットが追加されないなんていう仕様にはならないもんですかね

 とまあ、実際にdアカウントのIDを変更してみると、意外に手間がかかったのは事実。しかもdアカウントのID変更に伴う影響は、前述のMy docomoでのお知らせに何も明記されておらず、ID変更のページなどで軽く触れている程度。dアカウントって、NTTドコモがさまざまなサービスを広く展開していくうえで、もっとも大事なもののはず。それを半ば強制的に変更させようって話なのに、こんな中途半端な説明でいいんですかね。>NTTドコモさん

dアカウントのID変更後は[dアカウント設定]のアプリでdアカウントの新しいIDを設定する必要がある
[My docomo]のアプリを再設定が必要になるが、アプリ内にdアカウントの古いIDの情報が残っているので、アプリごと消去してしまい、新たに設定する方が手っ取り早い