みんなのケータイ

ついに、Galaxy Z Fold4を買ってしまった。

羨ましく、眺めていたけど……

 2019年2月に開催されたGalaxy UNPCKED 2019でお披露目され、同年9月に正式な販売がアナウンスされた「Galaxy Fold」シリーズ。曲げられるという有機ELディスプレイの特性を活かし、フォルダブル(折りたためる)スマートフォンという新しいジャンルを切り開いたモデルだ。

動画も大画面で楽しめる。YouTubeのように、アプリが対応していれば、本体を折り曲げたとき、上に再生画面、下にコントロール画面が表示される

 はじめてデモ機を手にしたとき以来、個人的にも「使ってみたいな」と考えていたが、如何せん、なかなかのお値段で手を出すことができない。思い切って購入した他のライター諸氏をいつも羨ましく眺めていた。特に、昨年の「Galaxy Z Fold3」は、防水やおサイフケータイなど、国内で利用する環境が整ったこともあり、かなり真剣に購入を検討したが、やっぱり、先立つものがなく、見送ってしまった。

 そして、今年も9月に国内向けの「Galaxy Z Fold4」と「Galaxy Z Flip4」が発表された。本誌の速報記事でグローバル版をひと足早く試用したときから、「今年こそは……」と考えていたが、ついにauで予約注文をして、発売日に手にすることができた。

敢えて「スマホトクするプログラム」で購入

 ただ、今回はこれまでの購入方法と違い、auの端末購入プログラム「スマホトクするプログラム」で購入することにした。手元の資金を取り崩して、一括購入することも考えたけど、一度は残価設定ローンみたいな購入方法を試したいという考えもあった。ちなみに、今回は(今回も)auオンラインショップで購入し、支払い額は月々6480円の23回払い。2年後に端末を返却したときの実質負担額は14万9040円。実際に注文して、製品が届いた段階では二十数万円のスマートフォンを買ったという感触はまったくなく、こうして数字に書き出してみて、はじめて「毎月、この負担は重いよなぁ」と感じるレベル。この買い方、ちゃんと意識しないと、罪悪感がないから、危ないですね(笑)。

 また、もうひとつ負担が大きいのがauの「故障紛失サポート with Cloud」。故障や紛失、盗難などのトラブル時に交換用携帯電話機を届けてくれたり、「写真クラウド」に写真をアップロードして、保存するのサービスが受けられる。他の機種の場合、月額990円なのだが、「Galaxy Z Fold4 SCG16」と「Galaxy Z Flip4 SCG17」は、約1.5倍の月額1573円。折りたたみという構造上、落下時などのダメージが大きいため、多少、高くなることはしかたないが、iPhone 14シリーズのレビュー記事でも触れたように、各社の端末購入プログラムで購入する場合、こうした補償サービスを付帯させたり、割引するなど、もうちょっと工夫が欲しいところ。

 新しい端末へのデータ移行については、直前の機種がGalaxy S22 Ultraだったので、Androidプラットフォームの初期設定時にサムスンの「Smart Swith」が利用でき、簡単に移すことができた。ただ、一部のアプリはデータが引き継がれず、再インストールが必要だった。たとえば、新型コロナウイルスの接触確認アプリ「COCOA」は、利用開始からの日数が引き継がれなかった。ひとつ前の機種から「Galaxy S22 Ultra」に移行したときは、ちゃんと引き継がれたんだけど……。

自分のものだけど、いずれは返すものなので……

 端末の内容については、すでにグローバル版を試用したときのレビュー記事が掲載されているので、そちらを参照していただくとして、個人的に購入したうえでの印象を少し書いてみよう。

 まず、パッケージに同梱される付属品。これまで自分で『購入』した端末は、売却時のことも考え、充電器やUSBケーブル、保護ケースなどの付属品を使わないことが多かった。しかし、今回は「スマホトクするプログラム」で購入したため、付属品の使用/未使用で返却時の評価額が変わるわけでもないので、ある意味、躊躇なく、付属品が使える(笑)。もっとも自分で継続利用することも考えられるし、完済して、売却する可能性もあるので、ぞんざいに扱うつもりはないけど。

 逆に、神経を使うのは、やはり、落下などの破損対策。前述の通り、補償サービスに加入したとは言え、交換や修理は有償なので、壊さないように使いたいところ。本コーナーでも以前、石野純也氏が即日修理したことを書いていたけど、できれば、お世話になりたくない(笑)。特に、筆者の場合、この端末は胸ポケットに入れて、持ち歩くつもりなので、前屈みになったときの落下が心配。そこで、今回は本体ケースとして、Galaxy純正の「Galaxy Z Fold4 Standing Cover with Pen/Graygreen」を購入。本日の一品コーナーでは他の市販品も紹介されていて、軽さ重視のアラミド繊維製のケースなども魅力的だったけど、動画を再生するときにスタンドも欲しいし、本体のプロテクションという意味では少し厚めの純正ケースの方が有利と判断した。購入したケースは概ね良好なんだけど、質感がちょっとチープなのが残念かも……。

購入したGalaxy純正の「Galaxy Z Fold4 Standing Cover with Pen/Graygreen」は、スタンドパーツとSペンパーツを交換できる。スタンドは左側のパーツが90度、立ち、背面側の足になる

意外に開くことが少ない?

 実際に使った印象としては、当たり前の話しだけど、本体を開いたときの大画面で映画やスポーツ中継を視聴するのは楽しいし、Webページや地図の表示も見やすく、複数のアプリを同時に表示できるのも便利。電子書籍や電子コミックもおすすめ。7.6インチもあると、iPad miniのようなコンパクトタブレットは出番が少なくなり、持っていくなら、10インチオーバーのタブレットになってきた。

開くと、7.6インチの大画面。画面中央の折りたたみ部分の折り目というか、うねりは意外に慣れてしまった

 ただ、いつも本体を開いて使っているかというと、そうでもなく、意外に本体を閉じた状態で使うことが多い。その理由としては、開くにはワンアクションが必要なこと、意外にカバーディスプレイが操作しやすいこと、閉じた本体がスリムで持ちやすいことなどが挙げられる。

意外に操作しやすいのが本体を閉じた状態。カバーディスプレイを使えば、一般的なスマートフォンと同じように使える

 メインディスプレイの大画面は確かに便利なんだけど、基本的には両手で挟むように持つことが多いため、電車や航空機、カフェなど、座った状態、つまり、落ち着いて使うときが中心。街中などで、WebページやSNSをチェックするときは、胸ポケットから取り出すので、閉じた状態で片手で持ち、カバーディスプレイを操作する。もし、そのタイミングで、より大きな画面で確認したくなれば、画面を開くといった使い方だ。カバーディスプレイの操作は、本体に厚みがあるものの、6.2インチという対角サイズなので、一般的なスレート状(板状)のスマートフォンと比べても大画面のグループに入る。ユーザーインターフェイスはGalaxyシリーズでおなじみのOne UIなので、操作性もまったく変わらない。言わば、『縦長画面のGalaxy S22』のような感覚で使えるわけだ。

 本体のサイズ感については、折りたたんだ状態での厚さ、開いた状態での大きさなどが強調されていることもあり、どちらかと言うと、「大きい」というイメージが強いけど、実際に持ち歩くときは本体を閉じているため、意外にスリムで持ちやすい。閉じた状態は幅67mm、厚さ14.2mmなので、スレート状というより、棒状のような持ち感で、「大きなスマートフォンを持ち歩いている」という感覚はない。もっとも重量は263gなので、十分にずっしり感はあるけど……。

 「閉じた状態でも使いやすい」なんて書くと、「じゃあ、折りたたみじゃなくてもいいんじゃね?」と言われそうだけど(笑)、当然、動画視聴をはじめ、端末を開いたときの大画面が活きるシーンは多く、いざというときはメインディスプレイが使いたくなる。この2種類のディスプレイサイズを体験すると、フォルダブルがスマートフォンの未来形と言われることも理解できる印象だ。

 おまけとしては、やっぱり、目立つことと話題性かな(笑)。まだ業界関係者以外に、Galaxy Z Foldシリーズを持っている人は見たことがないけど、存在を知っている人は多いようで、自分の行きつけのお店などでも「あ、それ、折りたためるやつ?」とか、「え、何? ちょっと見せて!」なんて感じで話題になることも少なくない。型番の数字がひとつ増えたのに、たいして代わり映えのしない『話題のスマホ』より、よっぽど話題性のある一台と言えるかも……。