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手頃なハイエンドで使いやすい「Nothing Phone (2)」、遊び心がくすぐられる端末

【Nothing Phone (2)】

 英Nothing Technologyから25日に発売された「Nothing Phone (2)」。Androidスマートフォンですが、独自OS「Nothing OS」や背面が光る「Glyphインターフェイス」が搭載されており、プレーンなAndroid端末ではありません(最もAndroidスマートフォンのなかで独自UIなどカスタマイズされているものは少なくありません)。

 そこで気になるのが、「操作しづらいのでは?」とか「使えるようになるまで、設定や習得で時間がかかるのでは?」など、古い言い方だと「舶来品」のようなものなので、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

 ところが、筆者が実際に触ってみると、独特のユーザーインターフェイス(UI)の割には、プレーンのAndroidに近く、ほかのAndroidスマートフォンと変わらない操作感でした。むしろ、キャリア版で多彩な機能が追加されているものよりも使い心地がよく、シンプルを体現している仕上がりであると感じました。

Nothing Phone (2)のUI。モノクロチックだったり、ドット柄のアイコンが登場しているので、どうしても身構えてしまう。筆者は少しのけぞってしまった

 実際にアプリを立ち上げてみると、当たり前の話ではありますが、ほかのAndroidスマートフォンと操作感は変わらず、むしろスクロール時は120Hz駆動ディスプレイのおかげで快適ですらあります。

Googleドライブ
Gmail
ホーム画面を右にスワイプしたら出現する「Discover」も変わらない

 もちろん、Nothing OS独自のアプリでは、OSにあわせたUIの画面が登場します。たとえば天気アプリでは、ホーム画面のウィジェットと同様にドット柄のアイコンでその日の天気を確認できます。個人的には、目への刺激が少ない黒背景のUIには好感触。寝る前に明日の天気を確認したい場合など、目に入る光をデフォルトで抑えられるのはうれしいポイントです。

天気アプリ
UIはデフォルトのもの以外にも、好みのテーマパックを購入/ダウンロードすることもできる

楽しい「Glyphインターフェイス」

 Nothing Phone (2)の大きな特徴のひとつである「Glyphインターフェイス」。背面には、光る線や円がデザインされており、着信時やタイマーなどでユーザーに通知してくれます。

 筆者は最初「背面光っても結局画面見るんじゃないの?」と感じておりましたが、試しに使ってみると、けっこう面白い、わくわくする体験ができました。

 まずはGraphタイマー。Graphの設定画面から起動できるタイマーで、背面がシークバーのように残り時間を教えてくれます。

Graphタイマーの画面
こちらは通常のタイマー。これだとGraphインターフェイス機能は使えない
残り時間にあわせて光が短くなっていく(左から右に時間が経過)

 筆者は、料理の時にタイマーを使ってみました。鍋で食材を煮る間、パソコンの前で作業していましたが、スマートフォンを持ち上げずに大体の残り時間を確認できるのが結構便利。うっかりご飯を作ることを忘れて腹の虫が鳴っていても、目線を向けるだけで残り時間を確認でき、またシークバーで残り時間を確認できるので、できあがりを楽しみに待てます。

 逆に、お昼寝のタイマーなどはやめておいた方がいいでしょう。起床へのカウントダウンとしては、あまり使いたくないと思います。

 そして、通知の光り方を自分で作ることができるコンポーザー機能も魅力的です。

 コンポーザーアプリでは、背面の光る場所が5つに分けられていて、それぞれに音が割り当てられています。ボタンを押すと、それぞれの光り方と音が再生され、それを記録することで、通知を作曲することができます。

コンポーザー機能。下のボタンをポチポチしていくだけで簡単に作曲できる

 軽く触った程度ですが、自分だけのオリジナル通知を作成できるので、ついつい色々な曲(?)を作ってしまいます。昔の着信メロディを打ち込むような経験でしょうか? 筆者はその頃を知らないのですが、きっとそれに近い経験ができると思います。

自発的な使い方ができる

 Nothing Phone (2)オリジナルの機能も紹介してきましたが、感じるのは「自発的な使い方ができる」ということです。

 初期設定でGraphインターフェイスなどの説明はありますが、ホーム画面でアニメーション付きの宣伝などもなく、あくまで「使いたかったら使ってね」という方針が見えます。モノクロチックなUIも、最初目的のアイコンが見つけづらいデメリットはありましたが、「ユーザーが意思を持って使う」という開発意図が確かにわかる納得の仕上がりになっていると感じました。

 一方で、FeliCa(おサイフケータイ)機能やeSIMに対応していなかったり、普段使いのスマートフォンとしては、少し残念な点もあります。特にFeliCa機能は、価格に直接響くようで搭載非搭載はメーカーとして悩ましいようですが、ユーザーのメイン端末の立ち位置を獲得するには欠けてはいけない条件な気がします。

暗い場所でもシュッとしている気がします
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