みんなのケータイ

睡眠量計としてのPixel Watchの実力

 Androidプラットフォームにおけるスマートウォッチの大本命「Pixel Watch」が発売されてから約3カ月が経ちました。筆者はGoogleストアでLTE版を購入し、auのナンバーシェアサービスと組み合わせて使っています。「夜中にウォーキングする時、スマホを携帯しなくても電話が発着信できて安心だぜイエーイ」と喜ぶ日々です。

LTE対応のPixel Watchを利用中です。バンドも一度交換してみようかなぁ?

 さて、そんなPixel Watchですが、アプリの通知を受けたり心拍数を常時測る以外に、睡眠時間を記録するデバイスとしての側面があります。12月には大きなアップデートがかかり、睡眠傾向を分析する「睡眠プロフィール」機能も追加されました。

 Pixel Watchでは、おもに2つのヘルスケアアプリを利用できます。Googleが長らく提供している「Google Fit」、そしてもう1つが「Fitbit」です。睡眠関連の機能は基本的にFitbitが担っており、12月のアップデートで追加された「睡眠プロフィール」は、あくまでFitbitのいち機能という立て付けです。

 睡眠時間の記録方法は簡単。Pixel Watchを腕に装着し、寝るだけで自動的に計測されます。寝る前や起床直後にボタンを押したりする必要はありません。ただPixel Watchは、最低でも1日1回は充電するタイプの製品なので、充電のタイミングは考慮しなければなりません。

Pixel Watchでの睡眠時間記録は基本的に自動。アプリを立ち上げたり、ボタン操作する必要はありません。ちなみに、「Fitbit」アプリで睡眠時間を確認することもできます

 結果的に筆者は、夜寝ている間に充電するのを止め、入浴(就寝直前)の前後1~2時間で充電する体制になりました。これでも十分、満充電状態で寝入ることができ、起きた時にはバッテリー残量75%くらいになっている事が多いです。このサイクルで、次の入浴時までバッテリーは大概もちますが、不安な場合(帰宅が深夜になりそう等)は、朝食のタイミングで追加充電しています。

 Pixel Watchによる睡眠関連機能のサービス形態は少々複雑でして、睡眠時間の記録そのものはPixel WatchとFitbitアプリだけで完結しています。しかし、その情報を高度に分析しようとすると、月額640円からの有料サブスク「Fitbit Premium」の契約が必要になってきます。「睡眠プロフィール」は、まさにその有料機能の1つです。

計測した情報は「Ftibit」のスマホアプリで確認
睡眠記録をより深く分析するには「Fitbit Premium」の契約が必須です

 睡眠データがグラフィカルに処理され、さらに100点満点の「睡眠スコア」で評価される。就寝時間のうち、どれくらい目が覚めていたか、そして何分間レム睡眠だったのか。こうした、知り得なかった情報が見える化されるのはなかなか愉快な体験です。また「睡眠プロフィール」は、前月の睡眠傾向をトータルに事後分析してくれるもので、例えば12月の筆者は「イルカ」タイプと診断されました。熟睡までの時間が長く、全体的に眠りが浅いことが要因だそうです。いやぁ、布団に入ってからスマホでゲームしたりする影響でしょうね。

睡眠記録をスコア表示
「睡眠プロフィール」は、睡眠の傾向を動物になぞらえて分析してくれます

 ただ、こうした楽しさの一方で、月額640円払い続けるかと問われれば「うーん……」と考えこんでしまうのが本音です。Pixel Watch購入者は、Fitbit Premiumを6カ月間無料体験(新規契約者向け)できるので、今後じっくり考えたいと思います。

 なお、睡眠記録の精度自体はおおむね正確と感じています。レム睡眠の割合などは個人では調べようがありませんが、入眠時間・起床時間はほぼズレのない印象で、また途中でトイレに行ったことで睡眠記録が途切れたりはしません。

 最後にまとめると、Pixel Watchで睡眠時間を測る上では、サブスク費用はもちろんのこと、それ以上にバッテリー管理が課題でしょう。筆者はなんとか充電回数を1日1回に抑えていますが、より安定的な運用には朝・夜の2回充電が必須のはず。日中はPixel Watch、寝る時だけFitbitのリストバンド型トラッカーに付け替えるというスタイルも、視野に入れるべきかもしれません。

ある日の睡眠時間分析。途中で「目覚めた状態」のチャートが太くなっていますが、トイレのために目が覚めたタイミングと合致していました。測定はかなり正確だと感じています