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povoの新トッピング「1.32TB」は楽天モバイルと組み合わせるのが“最強”な理由

 KDDI傘下のKDDI Digital Lifeが運営する「povo 2.0」は、7月に新たな1年間トッピングを導入します。トッピングは、1.32TBで3万9240円。1カ月あたりにならすと、110GB、3270円になります。容量がahamo大盛りと同じだったり、価格が楽天モバイルの20GBを超えた際の3278円と近似していたりと、たぶんに他社を意識した料金設定になっていることが話題を集めました。

 発表会では、サブ回線としてpovoを導入している人が増えていることや、サブ回線としてpovoを利用するユーザーが、一部キャリアの通信品質に不満を感じていることも明かされています。特に、楽天モバイルはローミングエリアが徐々に縮小しており、その受け皿として新トッピングを投入した狙いが透けて見えます。

povoは、7月に新たなトッピングを導入する。写真は名前がないpovoのキャラクター(左)と代表取締役社長の濱田達弥氏

 実際、povoに新たに加わる1.32TBのトッピングは、楽天モバイルとの相性が抜群。むしろ、povo単独で使うよりも、楽天モバイルを組み合わせた方が、安く、ヘビーに使うことができ、楽天経済圏のメリットも享受できます。この組み合わせが“最強タッグ”になる理由を解説していきます。

新たに導入される1.32TBトッピングは、楽天モバイル回線とセットで使うことでメリットがさらに際立つ

「3GB以下1078円」と「Rakuten Link」をpovoで活かす通話ハック

 povoをサブ回線として導入しても、メイン回線の料金が安くならなければ負担が二重になるだけ。いくらGBあたりの単価が低くても、2回線ぶん支払うのは厳しい……と思うかもしれません。ところが、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」は、むしろデュアルSIMウェルカムな料金体系になっています。段階制で、データ使用量が少なければ、そのぶん料金が下がるからです。

 最低料金は、3GB以下の場合の1078円。20GBを超えたときの価格よりも、2200円料金は下がります。この差額をサブ回線側に充当すれば、povo側の負担は少なくなります。2回線合計での料金は4348円。楽天モバイルを単独で使うよりも、1070円高くなってしまうものの、そのぶん、ネットワーク品質のいいKDDIの回線を110GB使える形になります。

それぞれの回線を単独で使うより、1070円高くなってしまう

 MNPでそのままpovoに移ってしまえば、3270円に通信料を集約でき、より安くなるのでは……と疑問に思う向きもありそうですが、通話料まで加味すると必ずしもそうではありません。povoで時間制限のない完全通話定額をつけると、月額1650円かかるからです。

 これに対し、楽天モバイルは料金がどの段階であっても、「Rakuten Link」さえ使えば料金は無料になります。時間制限や回数制限もありません。しかも、Rakuten LinkはIP電話のように、ネットワークのレイヤーを問いません。Wi-Fiであろうが、povoのデータ通信であろうが電話が発着信できてしまいます(着信はAndroidのみ)。

povoの通話定額は1650円。これを加味すると、povo単独で使うよりも安くなる

 そのため、楽天モバイルが圏外の場所でも、povoさえ通信できていれば通話が可能になります。エリアの広さを加味すると、むしろpovoで使った方が通話もしやすくなると言えるかもしれません。楽天モバイル回線を通話用として残すことで、povo単独で契約するよりも料金を安く抑えることができるというわけです。なんとなく、楽天モバイルの料金プランをハックしたような組み合わせですが、ユーザーにとって、2社の組み合わせは最強タッグと言えそうです。

料金据え置きなら33GB、楽天SPU+4%で実質負担をさらに減らす

 とは言え、楽天モバイルを単独で使っていたときより、料金が1070円上がってしまうのも事実。いくらネットワーク品質がよくなると言っても、これ以上、通信にお金をかけるのは厳しいという向きもあるでしょう。この場合、povoで購入するトッピングを抑えることで金額を抑えることができます。

 たとえば、1年間トッピングの360GBを購入して12分割すると、1カ月あたりの料金は2200円。データ容量は30GBになります。これを楽天モバイルと併用したとすると、料金はピッタリ(?)な3278円。楽天モバイル1回線で20GBを超えた時と同じになります。30GBという制約はついてしまうものの、2回線にしても料金はまったく変わらないというわけです。

20GBは超えるが、30GBあれば十分というのであれば、楽天モバイルと楽天モバイル+povoは同額になる

 このケースの場合も、楽天モバイルを残しておけば通話料は無料になります。また、povo側は1年間で360GBという計算になるため、データ使用量は多少の上下があってもOK。さらに、楽天モバイル側も組み合わせて使うことで、毎月合計33GBまでこの料金で利用できます。どちらか1回線にするよりも、お得になると言えるでしょう。

 しかも、楽天モバイルは、契約とエントリーだけでSPUの対象になり、楽天市場での還元率が4%追加されます。上限は2000ポイント。5万円の買い物をすれば、2000ポイントに到達する計算です。5万円と聞くと、やや大変なようにも思えますが、Apple Gift Cardも対象になるため、“iPhone貯金”をするなどして、2000ポイントを毎月獲得していく手はあります。

楽天モバイルは、料金がいくらでもSPUの対象になる。上限は2000ポイント。これだけでも、回線を残しておく価値がある

 楽天モバイルの支払いには、このポイントを充当することも可能。1078円を0円にすることもできます。2000ポイント付与されていた場合、楽天モバイルの料金支払い以外にもポイントが使える格好。実質料金がマイナスになっているため、楽天モバイル回線は残しておかない手はありません。

 povoの“サブ回線戦略”は、こうした他社の経済圏にうまく便乗している感もあります。KDDIグループながら、au経済圏とは一線を引いており、povoの支払いにはau PAYやPontaポイントの利用ができません。利用だけでなく、ポイントの付与もしていません。経済圏が白紙だからこそ、他社の経済圏に乗っかりやすい構造になっていると言えそうです。

海外ローミングは2GBまで無料、2回線持ちの安心感も

 もう1つ、楽天モバイルを残しておくメリットがあります。それは、海外ローミングです。楽天モバイルは、海外でのデータローミングが2GBまで無料。この2GBも、毎月のデータ使用量に合算されますが、フルフルで使っても1078円の範囲に収まります。しかも、海外での利用は自動的に2GBで高速通信が止まるため、3GBを超えてしまう心配がありません。

 逆に、povoの場合、データ専用プランは海外ローミングに非対応。別途海外用eSIMを購入するなど、別の回線を調達する必要があります。音声対応の場合は、海外ローミング用トッピングを購入できますが、料金がかかります。

povoの海外トッピング。有料で、料金設定も国内と比べると高めだ

 たとえば、日本人の渡航先として人気の高いアメリカは、「海外データ3GB(7日間)」で2200円。欧州9カ国は、同容量、同日数で2430円にもなります。やや安めに設定されているアジア圏も、中国・香港・マカオや韓国が1980円です。3GBしか使えず、かつ7日間でpovoの1カ月ぶんに近い料金がかかってしまいます。楽天モバイル回線があれば、これを無料にできるのは大きなポイントです。

 以上をまとめると、音声通話定額、楽天経済圏、海外ローミングの3点で、楽天モバイルにとどまる価値は高いと言えるでしょう。だからこそ、povoは真正面から対抗し、MNPでユーザーを奪うのではなく、サブ回線としてユーザーの懐に潜り込むような手を打ってきたと言えます。

 2回線にすることで安く、おトクになるのはもちろんのこと、回線のバックアップという観点でも安心感が増します。KDDI Digital Lifeに不満が多いと指摘されていた楽天モバイルですが(名前は伏せられていましたが……)、あくまで、それはトータルで見たときの話。いくらKDDIのネットワークが優秀だと言っても、パケ詰まりがまったく起こらないというわけではありません。場所によっては楽天モバイルの方がつながることもありうるというわけです。

もしもの時に回線を切り替えながら使うことができ、1回線よりも安心感が増す

 災害時も同様で、楽天モバイルだけがつながっていたケースは過去にもありました。料金や経済圏だけでなく、ネットワークの冗長性を確保するという観点でも、2回線利用していた方が安心感は高まります。2社、それぞれのネットワークを使い分けることが可能になるという意味でも、楽天モバイルとpovoの組み合わせは“最強タッグ”と言えそうです。