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ITU TELECOM ASIA 2004の正面画像。A5505SAで撮影を行なった。リンク先の画像は無加工
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A5505SA
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ITU TELECOM ASIA 2004の取材に持って行ったGLOBAL PASSPORT対応端末「A5505SA」。auの端末の中で唯一、データローミングサービスに対応した同端末が果たして仕事にどこまで活用できるのか。現地からレポートをお届けしよう。
「A5505A」は、auの海外ローミングサービス「GLOBAL PASSPORT」に対応した三洋電機製のCDMA 1X端末。音声ローミングサービスだけでなく、韓国ではデータローミングにも対応しており、メールやEZwebの閲覧のほか、1,144×880ドットの画像を送信することも可能となっている。
データローミングサービスを利用する場合、まず日本でローミング情報(PRL)を最新にしておく必要がある。PRLを最新にしておかないと場合によってはEZwebやメールが利用できないこともあるので注意しよう。設定方法は、端末のメニュー画面から「グローバル機能」→「PRL設定」と進んで、SUBメニューの「PRLデータダウンロード」を選択。ダウンロードしたPRLには運用開始日があるので、詳細をチェックしてから最新のPRLを適用する。
釜山の金海空港に降り立って、入国審査の長蛇の列に並んでいる間、端末メニューの「グローバル情報」から「エリア情報」→「韓国」を選択してローミング設定を行なった。この設定を行なうことで、待受画面のアンテナ画像の横にローミングエリアを示す「KR」、ローミング中を示す「Rm」、パケット通信を表わす「P」アイコンが表示される。
ちなみに、音声通話で日本に発信する場合は、アドレス帳から電話番号を呼び出すか発信先の電話番号を入力してから「付加」メニューを呼び出し、「国際電話:日本へ」を選択して発信する。韓国内にかける場合は、そのまま電話番号をダイヤルすればいい。ただし、GLOBAL PASSPORT対応端末同士で韓国内で通話する場合は、日本へダイヤルする際と同様に「国際電話:日本へ」を選択する必要がある。実は今回の取材では、音声ローミング対応の「A1305SA」も韓国へ持ち込んでおり、番号を付加しなかったためになかなか繋がらず戸惑ってしまった。
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出発前にPRLを最新に
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「エリア設定」でローミング先エリアを選択
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■ メガピクセルカメラで会場の模様を編集部へ即送信
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イベント初日は釜山に台風上陸。撮影はA5505SA。リンク先の画像は無加工
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イベント初日、まずは会場の模様をメガピクセルカメラで撮影。撮影の際に「メールモード」に設定しておくことで、メール添付可能なファイル容量で撮影できる。カメラ機能を起動して、SUBメニューの「フォト画質」から設定し、設定を行なうと撮影画面には「Mail」のアイコンが表示される。メール添付の仕方は国内の場合と同じだ。
ちなみに、本誌の「ITU TELECOM ASIA 2004」の目次ページに掲載されている写真は、全てA5505SAで撮影したものだ。
また、今回はリュウドの携帯電話向け外付けキーボード「Rboard for Keitai RBK-310C」も合わせて利用した。A5505SAと組み合わせて利用することで、簡単な速報であれば十分使える。講演会場でキーボードを広げて作業していると、「これは何?」と聞いてくる来場者もおり、周囲の注目を浴びてしまった。携帯電話用の日本語変換システムを利用することもあり、普段使い慣れているパソコンのキーボードとはやや使い勝手が異なるため、バリバリ使いこなすには事前にある程度練習しておくことをオススメしたい。
ITU TELECOM ASIA中、A5505SAがもっとも心強く感じたのはメールでのやりとりだった。編集部への連絡事項を送ったり、逆に編集部からの「○○ブースの端末を確認して」といった指示を即座に受けられるのだ。音声通話と違って、受信・送信履歴で過去の情報が確認できるので、慌しい海外取材でも正確に連絡しやすい。出張先で現地の様子を画像とともにメールで報告するなど利便性は高く、旅行中に出会った出来事をその場ですぐにメールできるのもうれしいところだ。
ただし、パケット通信料は1パケット(128バイト)1.5円と国内よりも高くつくので、後から請求書を見て痛い目を見ないように注意しておきたい。もしパソコンを持って行くのであれば、A5505SAに同梱されているUSB接続ケーブルを利用するのも1つの方法だ。マスストレージクラスに対応しているため、パソコンとUSB接続してパソコンからメール送信すれば安く上げられる。幸い、ブロードバンド環境の発達した韓国ではホテル内で高速回線を利用できる場所も多く、宿泊先の釜山のホテル部屋からは韓国の公衆無線LANサービス「NESPOT」のアクセスポイントも確認できた。
このほか、A5505SAのボイスレコーダー機能も頼もしかった。講演取材では単体のボイスレコーダーを利用していたが、取材先での万が一に備えてこうした機能が用意されているのは心強い。また、単語やよく利用する会話のフレーズ集「外国語フレーズ集」は、対応語彙が少ない点がネックとなったが、今回の韓国取材で食事中、「“おいしかった”って何て言うんだろう?」「そういえばフレーズ集にあったかも。“マシッソッソヨ”だって」という具合に自然と使えた。メーカーサイトなどでフレーズ集をダウンロード拡張できれば、異国での楽しみが増えるので是非とも期待したい。
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韓国から日本の編集部に会場外観の画像を送信
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イベント前日、ホテルの部屋で外付けキーボードの練習
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Rboard for Keitai RBK-310C
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■ GLOBAL PASSPORTの本命はデータローミング!?
今回初めてデータローミングサービスを体験してみて、GLOBAL PASSPORTの良さはちょっとした設定で普段使っている端末を海外で利用できる点と、やはりデータサービスだと感じた。手軽なコミュニケーション手段となったメールの恩恵を海外でも受けられ、データローミングに限って言えば、国内での利用スタイルを変更する必要がほとんどない。音声ローミングでは、付加番号が必要となるほか、国際電話経由となるため相手先には「通知不可能」と表示されてしまう。また、着信時にも送信者の電話番号が変化するため、アドレス帳に登録された名前が表示されないのも不便だ。
9日にITU TELECOM ASIA 2004で開催されたau技術本部長の安田 豊氏の講演では、海外でもシームレスにアクセスできることが求められていると語っていた。だが、国内のエリアカバー率が100%に近い現状では差別化は難しく、キャリア同士のカバレッジエリアのアピールポイントは、今後主戦場を海外へと移していくのかもしれない。もっとも、本音を言えば何よりもまずGLOBAL PASSPORT対応端末のラインナップを増やして、基本機能として提供して欲しいところなのだが……。
■ URL
「GLOBAL PASSPORT」のサービス案内
http://www.au.kddi.com/kaigai/
リュウド
http://www.reudo.co.jp/
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(津田 啓夢)
2004/09/10 11:42
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