ケータイ Watch
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「Xmini」レビュー
auの超コンパクトなWalkmanケータイ

 2008年末、auから音楽機能に特化したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製端末「Walkman Phone, Xmini」が登場した。新サービス「着うたフルプラス」に対応した「Xmini」について実機レビューをお届けする。


外観デザイン

 「Xmini」は、音楽機能に特化したコンパクトなCDMA 1X WIN端末。スライド式端末となり、閉じた状態を「ミュージックスタイル」、スライドさせた状態を「ケータイスタイル」と呼ぶ。

 3G端末としては非常にコンパクトな設計で、ミュージックスタイルの場合は携帯電話というよりポータブル音楽プレーヤーの外観に近い。大きさは約44×75×18(最厚部20mm)mm、重さは約75gとなる。

 端末正面には約1.8インチ、240×320ドットのTFT液晶ディスプレイを搭載する。その下部にはセンサーキータイプの方向キーが用意されている。ミュージックスタイル(閉じた状態)では、方向キーは音楽機能の操作となり、ケータイスタイル(開いた状態)で発着信およびメニュー操作などを行う。

 また、ケータイスタイルにすると、ディスプレイ周辺には合計6カ所のセンサーキーが現れる。各キーは、マナーキー、アドレス帳キー、メールキー、マルチキー、アプリキー、EZwebキーとなる。センサーキーを押下すると、バイブレーションで押下したことがわかる仕組み。なおディスプレイ自体はタッチパネル式ではなく、通常のディスプレイとなっている。

 端末背面には、ソニー・エリクソンやウォークマンのロゴのほか、スピーカーが用意されている。また、内部には端末の上下端に携帯電話のアンテナが配されている。側面部には、赤外線通信機能とセンサーキーのON/OFFの切替キーがある。端末上部にはストラップの取付口、下部には外部接続端子と平形イヤホン端子が用意されている。

 端末をスライドさせてケータイスタイルにすると、数字キーと発話/終話キー、クリアキーなどが現れる。キー自体は小さいが、凸加工されているためサイズの割には操作できる。手の大きさにも関係してくるので、ショップ店頭などで使用感を確認してみることをお勧めしたい。

 ボディカラーは、グリーン×ブルー、パープル×ピンク、ホワイト×ターコイズ、ブラック×ブラックの4色展開となる。グリーン×ブルーとパープル×ピンクは、携帯電話では珍しい配色となるが、コンパクトなサイズ感と携帯電話らしくない外観のために奇抜さを感じすぎることはないと思われる。本体パッケージには、ボディカラーに合わせたネックストラップが同梱される。






操作

 操作部にセンサーキーを採用した「Xmini」は、通常の携帯電話の操作とは異なる部分がある。音楽機能に特化した「Xmini」では、ミュージックスタイル(閉じた状態)で操作キーを利用すると、端末内に保存された楽曲の再生/一時停止、早送り/次の楽曲の頭出し、巻き戻し/前の楽曲の頭出しが行える。

 ただし、ミュージックスタイル(閉じた状態)では、基本的に発着信操作などが行えない。Bluetoothヘッドセットやイヤホンマイク(別売)を利用した場合を除いて、携帯電話としての利用はケータイスタイル(開いた状態)で行うことになる。

 初期状態では、センサーキーを押下して操作することになるが、設定を変更するとジェスチャー操作が可能になる。方向キーにあたる部分を上から下になぞれば↓キー、右から左になぞれば←キーを1回押下したことになり、方向キー部分のタッチで決定キーとなる。手の大きいユーザーの場合、ジェスチャー操作の方が操作しやすいかもしれない。

 Webサイトなどでページを下にスクロールさせたい場合、上から下になぞりそのままタッチし続けると↓キーを押下し続けた状態になる。連続して上から下になぞることでもページスクロールは可能だが、連続して素早くなぞると決定キーの押下と認識されることがあった。

 また、ケータイスタイルの場合のみ、ディスプレイの左右に3つずつセンサーキーが現れる。一般的な携帯電話では、画面上に表示されるソフトキーは、直下のハードウェアキーに割り当てられているが、「Xmini」では、真横に現れるアドレス帳キーとアプリキーが割り当てられている。感覚的にはディスプレイの右下、左下のセンサーキー(EZwebキーとメールキー)を押下したくなるため、慣れる必要がありそうだ。


ケータイスタイルでは、ディスプレイの左右にセンサーキーが現れる

音楽機能

 音楽機能が最大の特徴となっており、新サービス「着うたフルプラス」に対応している。「着うたフルプラス」は、従来の着うた/着うたフルの48kbpsをしのぐ、320kbpsの高ビットレートで楽曲が配信される。配信形式はAAC形式。

 本体パッケージにはソニー製のインナーイヤータイプのイヤホンが同梱されている。ソニー・エリクソンの担当者によれば、ステレオイヤホン「MDR-EX-85SL」とほぼ同等の性能がある製品という。パッケージには、3.5mmイヤホンジャックを平形イヤホン端子で利用するためのアダプタが同梱されており、ユーザー側で好みのヘッドフォンを使うことも可能だ。

 ただし、端末下部の平形イヤホン端子は外部接続端子と並んで配置されており、平形イヤホン端子にケーブルを接続すると、外部接続端子が使えなくなってしまう。「Xmini」には卓上ホルダが用意されていないため、充電しながら音楽を楽しむにはBluetoothヘッドセットが必要だ。

 なお、「Xmini」には外部メモリカードスロットが用意されていない。着うたフルプラスや音楽CDからリッピングしたデータなどは、全て端末内のデータフォルダに保存することになる。データフォルダ容量は3.5GBと携帯電話としては大容量のスペースがある。着うたフルプラスの楽曲は4分程度で10MB程度となる。

 高音質化技術としては、ソニーの高音域補間技術「DSEE」のほか、クリアステレオ、クリアベースといった機能を装備する。着うたフルプラスは、聞き比べてみると着うたフルとは明らかに音質が異なる。音質にこだわるユーザーは、店頭のホットモックなどで、チェックしてみることをお勧めしたい。


同梱されるソニー製イヤホン 平形イヤホン端子に接続すると、隣に並ぶ外部接続端子は使えない

対応機能と非対応機能

 「Xmini」は型番上は「W65S」となる。コンパクトで音楽に特化した分、CDMA 1X WIN端末では標準的に搭載されている機能が非搭載となっている。ワンセグやGPS、おサイフケータイ、外部メモリカードなどはもちろん、カメラ機能さえも利用できないため、購入する際には注意するポイントになるだろう。

 赤外線通信機能のほか、Bluetoothに対応。Bluetooth Ver.2.0+EDR規格に準拠する。対応プロファイルはSPP/HFP/DUN/BIP/OPP/GAVDP/AVRCP/A2DPとなる。フルブラウザやBrewアプリ、LISMO Video、デコレーションメールなどには対応する。

 日本語入力環境はPOBox Pro 3.0となる。ダウンロード辞書なども利用できる。


メニュー画面 ボディカラーに合わせたネックストラップが同梱される

製品の位置付け

 「Xmini」の発売と同時にauの新音楽サービス「着うたフルプラス」がスタートしたように、音楽機能に特化した端末となっている。現行ラインナップで着うたフルプラスをサポートしているのは、今回の「Xmini」と東芝製の「W65T」となるため、新サービスを積極的に使っていきたいユーザーにお勧めしたい。

 また、3G端末としては非常にコンパクトな端末となるため、通話中心に携帯電話を利用しているユーザーにもお勧めできそうだ。音楽機能に特化した携帯電話ではなく、携帯電話機能付きの音楽プレーヤーと捉えて、サブ機として購入しても便利かもしれない。

 コンセプトがはっきりしている一方で、気になるのは非対応の機能が多い点だ。ボディカラーやデザインは特徴的で、人とは違った端末を所有したいユーザーにも響く端末だが、買い換え需要を考えた場合、非対応の機能が多いことがハードルにはならないだろうか。自分が普段どのように携帯電話を使っているのか、ユーザー側にも機能の取捨選択を強くせまる端末となっている。

 コンパクトな端末ならば、Sportioのように「au Smart Sports」との連携にも期待したいところだが、「Xmini」にはGPSが搭載されていない。その一方で1.8インチの画面サイズながらフルブラウザを搭載するなど、機能面で少しちぐはぐな印象を受けたのも事実だ。自分の利用スタイルをよく吟味した上での購入をお勧めしたい。



URL
  製品情報(KDDI)
  http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/cdma1x_win/xmini/
  製品情報(ソニー・エリクソン)
  http://www.sonyericsson.co.jp/product/au/xmini/

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(津田 啓夢)
2009/01/06 12:08

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