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「H001」レビュー
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ワンタッチで立体画像を楽しむ3Dケータイ
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日立製「H001」は、3D表示対応の液晶ディスプレイやAF/手ブレ補正対応の500万画素カメラを装備するCDMA 1X WIN端末だ。左右の目の視差を利用するという3D表示は、見え方に個人差があるものの、ワンタッチで写真やワンセグ映像を立体的に見せる。また、縦・横に開閉できる「2WAYオープンスタイル」を採用するほか、ワンセグ関連機能も充実させ、日立のテレビブランドを冠した「Woooケータイ」となっている。
■ 外観・デザイン
4代目の“Woooケータイ”となる「H001」は、先々代の「W62H」(2008年7月発売)と同じく、縦・横の両方向に開閉する2WAYオープンスタイルを採用している。
他メーカーの携帯電話でも縦・横に開閉するという仕組みは採用されているが、H001の2WAYオープンスタイルのヒンジ部は、ヒンジ位置が最も右(横オープン時は最も上にあたる場所)にあり、縦オープン時は横方向に回転しないよう、横オープン時は縦に回転しないよう、それぞれヒンジがロックされる。縦・横の回転が1カ所に集まっているため、剛性面を不安に感じるかもしれないが、実際に触ってみるとかなりがっちりした手応えで、そうした懸念は払拭されるだろう。
ボディカラーはフレイムレッド、ソリッドシルバー、ネオンパープルというラインナップ。今回紹介するフレイムレッドは、艶のあるレッドとブラックの組み合わせで、面取りされたボディと相まって、未来的・サイバー感のある雰囲気を漂わせている。また、カラーバリエーションのうち、ネオンパープルは見る角度によって色合いが異なる。
テンキー部もボディ形状にあわせたようなデザインが採用され、斜めにカットされた部分がわずかに凹んでおり、操作性の向上が図られている。
左側面にはmicroSDカード(最大2GB)スロット、マナーボタン、上下キー(上:長押しでライト点灯、下:長押しでau Media Tuner起動)、充電時に灯るLEDランプがある。一方、右側面には外部接続端子、卓上ホルダ(別売)用の充電端子、ストラップホールがある。なお、外部接続端子は、イヤホンマイク端子との統合端子になっている。
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ヒンジ部
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特徴的なデザインのテンキー
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■ 3D液晶
H001の最大の特徴は、メインディスプレイが3D立体表示に対応すること。テンキー下部に「3D」というボタンが用意され、一度押すだけで3D表示モードに切り替わる。詳細な仕組みは、本誌に掲載したインタビューをご覧頂くとして、簡単に言えば、右目と左目でわずかに異なる絵が見えるようにすることで、裸眼でも表示内容が立体的に見える、というものだ。
プリセットのメニューデザインや、待受画像、動画(EZムービー)は、3D立体表示がよくわかる。特に動画のオープニングは、画面内を動き回るオブジェクトが画面の外に飛び出してくるように感じた。
3D表示は、メニュー操作やメール、ワンセグなどあらゆる場面でONにできる。だが、文字だけ表示されている場面などでは、やはり立体的には見えない。また、立体的に見えるかどうかは、個人差があり、誰でも楽しめるというわけではないようだ。
視差を利用することから、日立では「3D表示中は適度に休憩を取ること」「文字を見る場合は3D表示を解除すること」「6歳以下の子供には3D表示視聴はさせないこと」といった点を注意すべきポイントとして案内している。このあたりは、購入後も忘れないようにしたい。
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メインメニュー
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3D表示をONにしたところ。肉眼で見ると、アイコンが浮かんでいるように見える
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カメラで撮影した画像
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3D表示をONにしたところ。背景が白いためか、色鉛筆のケース全体が少し飛び出しているように見えた
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■ 2WAYオープンスタイル、カメラ、ワンセグ
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横開きでもカメラ撮影はできるが、メニューは縦画面用
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2WAYオープンスタイルということで、縦・横のどちらでも利用できるよう、縦画面用メニューと横画面用メニューは、それぞれ異なる構成となっている。縦画面メニューは、オーソドックスな作りで、テレビやカメラ、データフォルダ、設定メニューなどにアクセスできる。もう一方の横画面用メニューは、PCドキュメントビューアー、EZムービー、写真・動画フォルダ、ワンセグ、PCサイトビューアー、録画番組再生、LISMO Player(動画)というアイコンが並ぶ。いずれも“見る/観る”ことに特化した機能ばかりで、「横画面はビューアーとして使う」ことを強く提案している。たとえばカメラ機能を起動するメニューは、縦画面メニューにしかなく、カメラを起動して横画面にしてもユーザーインターフェイスは縦画面での操作を前提にしたもののみとなっている。
500万画素カメラは、顔認識機能(フェイスフォーカス)や手ブレ補正機能をサポートする。フェイスフォーカスは、カメラ機能のサブメニューから「カメラ設定」→「フォーカス設定」にアクセスすると選択できるほか、「カメラ設定」→「フェイスフォーカス設定」で「人数優先(最大9人まで認識)」か、「速度優先(検出時間を短くし最大3人まで認識)」を選べる。
このほか、ワンセグ関連では、映像処理エンジン「Picture Master for Mobile」で「ダブルトーンオプティマイザ」と呼ばれる機能を搭載した。また、ワンセグ再生時には映像を補間して、最大30fpsで映像を再生する。1.3倍速の時短再生やタイムシフト再生などもサポートする。
■ 基本機能
ソフトウェアプラットフォームは「KCP+」を採用する。主な対応サービス・機能は、着うたフルプラス、LISMO Music&Video、au Smart Sports、GLOBAL PASSPORT CDMA、おサイフケータイ(EZ FeliCa)、デコレメーションメール、デコレーションアニメ、じぶん銀行、EZナビウォーク、EZ助手席ナビ、災害時ナビ、安心ナビ、Bluetooth、赤外線通信(赤外線通信)、マルチプレイウインドウ、PCドキュメントビューアー(編集対応)、PCサイトビューアーとなる。
このうち、国際ローミングのGLOBAL PASSPORT CDMAについては、メインメニュー内に「グローバル設定」という項目が設けられ、エリア設定、電源OFF時にアラームなどで自動電源ONしないようにする航空機モードなどが設定できる。またモバイル辞書も利用できる。
モバイル辞書は、国語辞典や英和・和英辞典、海外旅行時に役立つ一言などを調べられる機能となる。英単語の発音を確認したり、英会話の例文を音声で聞くといった機能も用意されている。
画面上部は「お知らせエリア情報表示」という機能で、EZニュースフラッシュやメール受信、音楽再生時の曲名・アーティスト名などが表示される。
■ 位置付け
3D表示そのものは、映画館やエンターテイメント施設などでは触れたことがあるものの、普段使う製品の中では、家庭用の据置型大画面テレビへの搭載が模索されている段階で、まだ馴染みがない機能だろう。携帯電話への搭載は、過去にも(2002年のSH251iSなど)事例がないわけではないが、珍しい機能と言える。
3D表示をONにしながらプリセットのメニューや画像を目にすると、確かに奥行きが感じられ、非常に面白い機能と感じた。一方で、(当然と言えば当然だが)テキスト表示時は3D表示OFFが推奨されていたり、適度な休憩が必要と、3D表示をずっと使い続けるわけにはいかない。どういったときに便利で楽しい機能なのか、ある程度積極的に探すことになるだろう。探すという行為が面倒に感じられてしまう人に対して、メーカー側から積極的に3D表示対応コンテンツを紹介するといった試みがあっても良いかもしれない。
2WAYオープンスタイルで、横に開いても楽しめるH001だが、ビューアーとしての機能以外にもカメラやEZwebサイトへのアクセスも横画面で使ってみたい機能。このあたりの進化は今後に期待したい。
操作してみるとメインメニューのアイコンを選択する場合は、そこそこスピーディに反応するのだが、終話キーを押して機能を終了させたり、メール関連の操作をしたりする場合などでは、ややもたつくように感じられた。
機能面では、auの各種サービスにも対応し、ハイエンドモデルらしい仕上がり。動画をよく視聴するユーザーにとっては、ワンセグ関連の機能も揃ったH001は、有力な購入候補になるだろう。デザイン面でも、特にフレイムレッドは、先進的なアイテムにこだわる男性ユーザーにピッタリと思える。3D表示という特徴にピンとくる方は、ぜひ手に取って欲しい。
■ URL
製品情報(au)
http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/kishu/h001/
製品情報(日立)
http://k-tai.hitachi.jp/h001/
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(関口 聖)
2009/02/10 14:36
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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