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「Premier3」レビュー
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3つのスタイルが楽しめるWalkmanブランドの音楽ケータイ
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2月6日、auからソニー・エリクソン製「Walkman Phone, Premier3」が発売された。充実した音楽機能が用意され、縦・横に開閉する機構を採用するなど意欲的なモデルとなっている。今回は「Premier3」について紹介しよう。
■ 外観・デザイン
「Premier3」(プレミアキューブ)は、音楽機能が充実したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製のCDMA 1X WIN端末。端末を閉じた状態を「ミュージックスタイル」、横画面で開いた状態を「シアタースタイル」、一般的な携帯電話のように縦画面で開いた場合を「ケータイスタイル」と呼び、3つの利用スタイルをアピールしている。
背面パネルは2つの異なる素材を採用し、いずれも光沢感のある塗装となっている。一方はハーフミラー仕上げで、イルミネーションが仕込まれたWalkmanのロゴマークがあしらわれているほか、サブディスプレイを表示したり、切り替えたりできる「ミュージックキー」を搭載する。
このボタンを押すと、ハーフミラー仕上げの部分にアンテナマークや電池マーク、日時などが浮かび上がる。また、長押しでLISMO Playerのサブディスプレイは、モノクロ有機ELディスプレイを装備する。ちなみに、ハーフミラー部には着信ランプも用意されている。
電池側のパネルは、電池カバー部分にソニー・エリクソンのロゴマークがあしらわれ、中央にはおサイフケータイのFeliCaマークがある。ヒンジ付近にはWalkmanのロゴがあり、その横に319万画素CMOSカメラが配置される。カメラ周辺には、赤外線通信ポート、フォトライトやスピーカーが用意される。
ハーフミラーパネル側の側面部には各種ボタンが用意され、サイド上下キー、マナー/巻き戻しキー、アシストライト/早送りキーとアプリケーションに応じて、ボタンの機能が切り替わる。このほか、最大2GB対応のmicoroSDカードスロット、カメラキーがある。
なお、縦横に開く機構の関係から、ハーフミラーパネル側の側面部はせり出している。こうした構造は、2006年に登場したソニー・エリクソン製端末「W44S」にも見られたものだ。「W44S」では、ヒンジ部が独立したパーツのように非常に目立っていたが、「Premier3」は小さなふくらみに抑え、端末にうまく馴染ませている印象で、デザイン上のアクセントになっている。このヒンジ部には、ワンセグ用のアンテナが内蔵されている。
そして、もう一方の側面部には、卓上ホルダ用の端子、外部接続端子、平型イヤホン端子を搭載する。イヤホン端子はスライド式のカバーが採用されている。このほか、数字ボタン部側ボディの下部にはストラップ穴がある。
端末を開くと、メインディスプレイと数字ボタンが現われる。メインディスプレイは、約3.0インチ、480×854ドット、26万色表示、フルワイドVGA液晶を搭載する。ケータイスタイルでのディスプレイ上部には、受話口などのほかに「明るさセンサ」がある。
数字ボタン部はシートキーを採用し、押しやすいよう押下部がふくらんでいる。また、イルミネーションが仕込まれており、ボタン部を縁取るように発光する。暗所での視認性は良好で、デザイン的にもすっきりまとめられている印象だ。
端末の大きさは約50×105×16.3(突起部16.8)mmで、重さは約113g。au春モデルのラインナップの中では、やや薄型のモデルとなるため、印象としてコンパクトなイメージがある。ただし、側面部のヒンジが張り出しており、手の大きさや、端末の持ち方や利き手などによって、ヒンジのふくらみが気になる恐れがある。店頭などで使用感を確かめてみることをオススメしたい。
ボディカラーはスパークリングゴールド、パッショネイトピンク、ノーブルブラックの3色。いずれも上質感のあるカラーリングを採用しており、ゴールド系とビビッドなピンク系は、目にも新鮮な印象を与えている。
■ 音楽機能
充実した音楽機能が“売り”の「Premier3」では、高音域の再現性を高めた「DSEE」、ステレオサラウンド機能「クリアステレオ」、重低音を再現する「クリアベース」といったソニーの高音質化技術が採用されている。着うた/着うたフル/着うたフルプラスのほか、パソコン向け音楽配信サイトで提供される楽曲もダウンロードして利用できる。
また、端末を閉じたままでも音楽が利用可能。背面パネルのミュージックキーを長押しして音楽機能が呼び出し、側面ボタンで楽曲操作が行える。同梱品も充実しており、ソニー製大口径13.5mmEXステレオイヤホンのほか、ボディカラーに合わせたリモコンも付属している。
端末の平型イヤホン端子でリモコンを接続し、リモコンにステレオイヤホンが接続できる。リモコンには3.5mmミニプラグが用意されているので、ユーザーの好みに応じてヘッドフォンなども利用できる。なお、リモコンには着信/終話ボタンやマイクも用意されている。
Bluetoothもサポートしており、Bluetoothヘッドホンで音楽が楽しめるほか、FMトランスミッター機能も搭載している。「Premier3」に保存されている楽曲をFM波で飛ばせるため、カーステレオなどと連携して利用できる。
さらに、同梱される卓上ホルダにはスピーカーを装備する。端末を卓上ホルダに置いてステレオで音楽やワンセグなどが楽しめる。「Premier3」のデータフォルダ容量は約50MBとなるが、端末パッケージには2GBのmicroSDカードも同梱されている。
このほか、音楽への新たな試みとして、「ダイレクトエンコーディング録音」機能が用意される。CD/MDプレーヤーなどのAV機器と「Premier3」を接続して、パソコンなして楽曲を取り込めるようにするものだ。
同梱されるリモコンの3.5mmミニプラグを利用して、「Premier3」とAV機器を接続してmicroSDカードなどに楽曲が保存できる。録音待機状態にしてAV機器側の楽曲を再生すると、音を検知して自動的に録音が行えるほか、マニュアル録音などにも対応する。
「Premier3」には128kbpsのAAC形式で保存される。録音設定などは行えないが、取り込んだ楽曲はLISMOの音楽プレーヤーで再生できる。
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卓上ホルダ
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スピーカー搭載
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リモコン
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クリップ付き
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同梱されるイヤホン
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製品パッケージ
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■ そのほかの特徴
バッテリー側の底面部に用意された319万画素カメラは、通常のオートフォーカス機能のほか、顔検出機能や笑顔検出機能を搭載する。笑顔検出機能は、笑顔を自動的に認識してシャッターが切れるというもの。試用時の環境では、笑顔でなくても表情が変化するとシャッターが切れていた。手ブレ補正機能はモルフォの技術を採用する。
また、ワンセグやFMラジオといった機能も利用できる。ワンセグは、タイムシフト再生や録画予約機能などが用意されている。FMラジオは、平型イヤホン端子にリモコンを接続し、イヤホンなどで利用する。これは、リモコンとイヤホンのケーブルがFMラジオのアンテナとなるため。
横画面の「シアタースタイル」で利用できる機能は、ワンセグ、LISMO Player、フルブラウザ、カメラ機能、フォトビューアー、音楽付きスライドショー、時計の7項目となる。映像系などはとくに横画面が効果的だが、機能を終了させると、「シアタースタイル」の状態でもランチャーメニューではなく、縦画面用の待受画面に遷移してしまうのが少し気になる。
フルブラウザについても、あくまでビューアーとしての利用を想定しているようで、検索フォームで文字入力する場合は、縦画面に切り替わる。縦画面の「ケータイスタイル」で検索し、検索結果の画面から横画面にするなど、ユーザー側で工夫した方がよさそうだ。
■ 基本機能
「Premier3」は、auの携帯プラットフォーム「KCP+」を採用している。auのハイエンドモデルとして多くの機能をサポートしており、GPSやau Smart Sports Run&Walk、おサイフケータイ、グローバルパスポートCDMAなどに対応している。
ただし、Flashを利用してauのメールサービス「デコレーションアニメ」には非対応となる。H001/T001/CA001/SH001では対応しているだけに、少し残念だ。このほか、PCドキュメントビューアーやテレビ電話機能にも非対応となる。
なお、パソコンと接続して利用した場合に、パケット通信料の上限額が1万3650円となるデータ通信定額制サービスはサポートしている。
文字の予測変換機能は、「POBox Pro 3.0E」を採用する。これまでは日本語のみ変換候補が表示されたが、今回は英語の予測変換にも対応している。
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メニュー画面
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横画面のランチャーメニュー
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■ 製品ポジション
auの春モデルでは、型番が「メーカー名+通し番号」という形に変更された。こうした中、「Premier3」は新型番ルールから外れており、「Premier3」という名称が製品名となっている。なお、パッケージなどには「SOY01」という型番が記載されている。
Walkmanブランドの端末として、さまざまな音楽機能が盛り込まれており、携帯電話を音楽プレーヤーとして使いたいユーザーにもっともオススメできるモデルとなっている。特に、「ダイレクトエンコーディング録音」機能はほかの端末には見られない大きな特徴だ。通勤・通学時に音楽は聴きたいが、ポータブル音楽プレーヤーにはなかなか手が出せない人もいるだろう。
「Premier3」では、パソコンいらずで手持ちの音楽CDが活用できる環境が用意されているほか、イヤホンやリモコン、microSDカードも同梱されており、手っ取り早く“音楽生活”に突入できそうだ。また、auにはau BOXもあるので、合わせて契約すればDVDプレーヤーも入手できる。携帯電話の料金だけでいろいろ楽しめると考えれば、お得感があるのではないか。
少し物足りなく感じたのは、横画面で利用した場合だ。ソフトウェアキーとそれに対応するハードウェアキーの割り当てが把握しにくい印象だ。例えば、「シアタースタイル」の際、カメラ機能のソフトキー表示は、方向キーの上部に配置されていた方が直感的に操作しやすくなるだろう。
とはいえ、機能的には充実しており、音楽を中心にこれからいろいろ使いたいというユーザーを満足させる仕上がりではないか。春から新生活をスタートさせるユーザーにはうってつけの端末といえそうだ。
■ URL
製品情報(ソニー・エリクソン)
http://www.sonyericsson.co.jp/product/au/premier3/
製品情報(KDDI)
http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/kishu/premier3/
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(津田 啓夢)
2009/02/09 18:46
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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