みんなのケータイ

 4月上旬、ファーウェイの発表会を取材するため、ロンドンを訪れていた。今回の相棒も富士通のSIMロックフリー端末「arrows M02」。Mobile World Congressの取材でバルセロナを訪れた時にも活躍した同端末だが、改めての世界戦となる。

 現地入りするにあたって事前に情報収集していたのだが、ネット専業のMVNO「giffgaff」というのが人気とのことで、英国内の住所宛であれば無料でSIMカードを届けてくれるのだとか。そこで、宿泊するホテル宛にSIMカードを届けてくれるよう、同社のWebサイトのフォームに入力。すぐに発送を知らせるメールが届いたので、楽しみにして現地入り。

 が、ホテルに着いて確認したところ、それらしき荷物や封書は届いていない様子。この状況は翌日も、そのまた翌日も、帰国する朝も変化がなく、結局、SIMは受け取れず。その後もgiffgaffからアクティベートを促すメールが断続的にやってくるという残念な事態となってしまった。

現地キャリア「EE」のショップ(開店前)

 もちろん、ここで終わるわけにはいかないので、街に繰り出し、現地キャリア「EE」のショップで3GB、20ポンド(約3100円)のプリペイドSIMを購入。念のための動作確認ということで、arrows M02にSIMカードを装着して電源を入れたのだが、通話とSMSは使えるがデータ通信が行えない。これはAPNの設定が必要だな、と直感的にわかるのだが、ショップの店員はAPNの設定情報を知らず、カスタマーサポートに電話するなどあたふた。数十分かけて手動でAPNを設定し、ようやくデータ通信が可能な状態になった。

 今どきの店員は自社のAPN情報も知らないのかと思いつつも、欧州で販売されているスマートフォンの多くはSIMカードを挿すだけで自動的に最適なAPN情報を読み込むようになっているということの裏返しでもあるわけで、日本のメーカーや通信事業者が2020年に向けて努力する必要性を感じたのだった。

EEのSIMカードをarrows M02に装着
追加チャージ(TOP-UP)用のカードが付属し、コンビニやドラッグストアなどで追加チャージできるのが英国流。APN情報を確認できるものは同封されていない