特集:5Gでつながる未来

どこで使える? 海外キャリアの「5G」最新事情

 日本では2019年中にプレサービスが開始される予定の「5G」だが、海外では既にサービスを開始している通信事業者もわずかながら存在する。2019年6月時点での、海外キャリアの「5G」商用サービスの提供状況を整理してみた。

韓国:3キャリアが世界初の「5G」商用サービスを開始

画像:KT

 韓国では、KT、SKテレコム、LG U+の3キャリアが商用サービスを開始している。米Verizonと世界初の座を争い、当初の予定を繰り上げて4月3日にサービスインした。

 当初の提供端末は「Galaxy S10 5G」のみで、5月に「LG V50 ThinQ」を追加。KTはデータ容量無制限のプランを提供しており、SKテレコムとLG U+も期間限定ではあるものの同様の施策を打ち出している。

アメリカ:Verizonは「moto mods」で5Gサービス開始

moto z3と5g moto mod

 一方、Verizonも4月3日にシカゴとミネアポリスの2都市でスマートフォン向けの5Gサービスを開始した。端末は4Gスマートフォン「moto z3」に、外付けの通信モジュール「5g moto mod」を取り付けたものを使用する。なお、5月には端末単体で5Gに対応する「Galaxy S10 5G」も投入されている。

 なお、スマートフォンに限定しなければ、米Verizonもまた世界初の5G商用サービスを開始したキャリアと言える。同社は2018年10月から、CPE(家庭用の据置型ルーター)向けの5Gサービスを提供している。

 Verizonに続いて、Sprintも5月31日に5Gサービスを開始した。当初のサービスエリアはアトランタ、ダラス・フォートワース、ヒューストン、カンザスシティ。スマートフォンの「LG V50 ThinQ」のほか、HTC製の家庭用スマートハブ「HTC 5G Hub」も取り扱う。

イギリス:最大手のEEが5Gサービス開始

画像:EE

 イギリスでは、Orange UKとT-Mobile UKが合併して誕生した最大手キャリアであるEEが、5月30日にイギリス初の5G商用サービスを開始した。

 EEが当初提供する5Gスマートフォンは「OnePlus 7 Pro 5G」。このほか、「Galaxy S10 5G」「Reno 5G」「LG V50 ThinQ」の予約も受け付けている。

スイス:年内に人口カバー率90%を目指すSwisscom

画像:Swisscom

 スイスでは、Swisscomが4月17日に5Gサービスを開始した。当初のサービスエリアはジュネーブやチューリッヒなどの主要都市を含む102カ所だったが、2019年末までに人口の90%をカバーするという目標を掲げ、急ピッチでエリア整備を進める。端末は「OPPO Reno 5G」と「LG V50 ThinQ」が提供されている。

オーストラリア:Telstraが10都市で5Gサービス開始

Telstraのサイトでは、現状と1カ月後のサービスエリアが公開されている

 オーストラリアでは、2018年夏に政府が中国企業の5G機器の採用を禁止。5G展開の遅れを懸念する声も挙がったが、最大手キャリアのTelstraが5月28日に商用サービスを開始した。

 端末は「Galaxy S10 5G」で、当初のサービスエリアはアデレード、キャンベラ、メルボルン、シドニーなどの主要都市の一部に限られる。