【CES 2019】

クアルコム、5G対応スマホをズラリと出展

C-V2Xのデモや既存モデルも紹介

 「THE REAL 5G」と銘打ったクアルコムのブースでは、5G端末や同社のチップセットを採用した発売済み端末が一堂に会した。また、米ハワイ州で12月に発表された「Snapdragon 855」も展示されている。CESで発表された自動車のコックピット向けの「Snapdragon Automotive Cockpit Platform」も出展。合わせて、CES会期に合わせてラスベガスのホテルで行われている、自動車用通信「C-V2X」の実験内容もライブで中継していた。

クアルコムブースの中央に置かれていた巨大なモニターには、「THE REAL 5G」の文字が。四方に同じメッセージが掲示されていたが、同社のすぐ隣にはインテルやファーウェイなど、5Gのライバル企業がブースを構えていた

 5G端末は、12月に開催されたSnapdragon Tech Summitで披露されたInseego製およびネットギア製のWi-Fiルーターを展示。これらは、すでに米国の5Gサービス用に販売がスタートしており、前者はVerizonが、後者はAT&Tが導入している。会場には、Verizonが5Gの基地局を設置しており、各種デモではクアルコムのリファレンスモデルが接続し、実際に通信を行っていた。

リファレンスモデルを使って、実際に5Gで通信を行っていた
ブースには、Verizonの5G基地局を設置
米国で販売中の5G対応Wi-Fiルーター2機種

 また、クアルコムブースの5G端末コーナーには、Snapdragon Tech Summitと同時期に中国で開催されたイベント「China Mobile Global Partner Conference」で発表された、5G対応スマートフォンも展示されていた。

 端末を出展したメーカーは、OPPO、vivo、Xiaomiの3社。OPPOは、同社のフラッグシップモデルである「Find X」をベースにした「Find X 5G」を展示。vivoもポップアップカメラが話題を集めた「NEX」を5Gに対応させた試作機の「NEX 5G Prototype」を出展していた。Xiaomiの端末は、「Mi Mix 3 5G」。

左からOPPO、vivo、Xiaomiの5G対応スマートフォン。いずれも、既存のフラッグシップモデルをベースにしている

 これらのモデルには、すべてSnapdragon 855と5G対応モデムの「Snapdragon X50」が採用されている。残念ながら、各端末はすべてケースの中に展示されており、動作の様子やサイズ感を手に取って確認することはできなかったが、5Gスマートフォンの登場が間近である様子は見て取れた。

自動車の安全運転を支援する「C-V2X」

 C-V2Xの実験は、ラスベガスのリオホテルにある駐車場で実施されていた。クアルコムのブースでは、その様子をライブで中継。車とバイクが直接通信して、バイクが飛び出した直後に車が緊急停止し、衝突が回避される様子などを確認できた。

 自動車関連では、会期前日の1月7日(現地時間)に開催されたプレスカンファレンスで発表された、「Snapdragon Automotive Cockpit Platform」を採用したデモ用の車も出展、来場者の注目を集めていた。

ラスベガスのホテルで行われている実験をブースに中継

Snapdragon搭載端末

 CESはコンシューマー向けの展示会という位置付けなだけに、クアルコムが得意とする通信技術の詳細なデモは少なかったが、逆に同社のチップセットを採用した端末や、それによって実現したサービスの紹介は充実していた。

 既存のSnapdragonを採用した端末もズラリと並べられており、変わり種としては、ドコモが発売した「カードケータイ」も展示。米国でVerizonが発売した、3.3インチのAndroid端末「Palm」の隣に並べられる形で展示されている。

Snapdragon採用モデルの一例として、ドコモのカードケータイが展示されていた。その横には、同じく小型モデルとして話題を集めたVerizonのPalmも