レビュー

「iPhone 17」シリーズ発表! iPhone 16シリーズから変わったところは?

 新しいiPhone「iPhone 17」シリーズが9月10日(現地時間で9日)に発表された。予想されていた通り、極薄の「iPhone Air」が加わり、16シリーズにあった「Plus」モデルがなくなった。前モデルのiPhone 16シリーズと、どこが変わったのか、あるいは変わっていないのかをまとめた。

iPhone 17シリーズは無印(右)、Air(中央)、Pro2タイプの4モデル、9月19日発売

ラインアップ構成が大きく変化

 iPhone 17シリーズのラインナップ構成は「iPhone 17」(無印)、「iPhone Air」(Air)、「iPhone 17 Pro」(17 Pro)、「iPhone 17 Pro Max」(17 Pro Max)の4モデルとなる。16シリーズにあった“標準モデルでサイズが大きい”Plusがなくなり、“極薄”のAirが加わった形だ。

 ストレージ容量のラインアップも変わり、全4モデルとも256GBからとなった。無印は256GBと512GBの2タイプから選択可能。Airは256GB、512GB、1TBの3タイプから、17 Proでも128GBがなくなり、Airと同様3タイプから、17 Pro Maxは2TBが加わって256GB、512GB、1TB、2TBの4タイプから選択できるようになった。

 発売時の価格は16シリーズから微妙に変化している。無印は同じ容量だと5000円~1万円値下がりしているが、128GBモデルがなくなったため最低価格は上がったかたち。AirはiPhone 16 Plusと近い価格になっている。17 Proは16シリーズよりも5000円~1万5000円値上がりしている。特に17 Proは128GBモデルがなくなり、最も安いモデルでも18万円弱だ。

16シリーズと比較 容量と価格表
容量iPhone 16iPhone 17
128GB12万4800円
256GB13万9800円12万9800円
512GB16万9800円16万4800円
容量iPhone 16 PlusiPhone Air
128GB13万9800円
256GB15万4800円15万9800円
512GB18万4800円19万4800円
1TB22万9800円
容量iPhone 16 ProiPhone 17 Pro
128GB15万9800円
256GB17万4800円17万9800円
512GB20万4800円21万4800円
1TB23万4800円24万9800円
容量iPhone 16 Pro MaxiPhone 17 Pro Max
128GB
256GB18万9800円19万4800円
512GB21万9800円22万9800円
1TB24万9800円26万4800円
2TB32万9800円

4モデルともeSIMのみに

 16シリーズはnanoSIM(物理SIM)とeSIMのデュアルSIM対応だったが、日本向けの17シリーズ4モデルはすべてデュアルeSIM対応、つまり“物理SIMは非対応”、eSIMのみ利用可能となった。スペックには、アクティブにできるのは2つだが8つ以上のeSIMを保存できると記載されている。

 なお、日本のMNO4社はeSIMを提供しているが、発行には手数料がかかる場合がある。MVNOによっては、eSIMを提供していないところがあるので確認が必要だ。

「無印」は外観継続

 無印の外観はiPhone 16から大きく変わらない。背面のカメラは細長い長方形の土台に2つのレンズが縦に並んでいる。

 5色のカラーバリエーションも継続。「ブラック」「ホワイト」に加え、ピンク系の「ラベンダー」、ブルー系の「ミストブルー」、グリーン系の「セージ」がある。公式サイトの写真で見る限り、16よりも落ち着いた色合いのようだ。

無印カラーバリエーションは5色

画面が大きくなり、常時表示とProMotionに対応

 無印のディスプレイは16の6.1インチから6.3インチに大きくなった。

 スリープ中も情報を表示する「常時表示ディスプレイ」と最大120Hzのリフレッシュレート「ProMotionテクノロジー」に対応し、ピーク輝度は16の2000ニトから3000ニトにアップ。Proモデル並みのディスプレイになった。

 前面はスクラッチ強度が高まったCeramic Shield 2で守られている。

最新のチップセット「A19」を搭載

 無印のチップセットは「A18」から最新の「A19」になった。一段と高速かつ効率的になり、16で最大22時間だったビデオ再生時間が最大30時間と8時間も長くなっている。

 バッテリー容量は不明だが、40Wの有線充電器を使えば20分で最大50%充電できる高速充電が可能だ。また、最大25WのMagSafeワイヤレス充電が可能になった(16では最大22Wだった)。

フロントカメラが大きく進化

 無印の背面の2つのカメラはメイン、超広角ともに4800万画素のFusionカメラになった。超広角カメラの画素数が16の1200万画素から大幅にアップしている。

 大きく変わったのがセルフィー用の「センターフレームフロントカメラ」。新しくなったセンサーはサイズが以前のカメラの約2倍となり、形が史上初の正方形となった。正方形になったことで写真やビデオを縦でも横でも撮れるようになり、4つの異なる構図で撮影できる。つまりiPhoneを縦に持ったまま、縦、横どちらでもセルフィーが撮れる。

iPhoneを縦に持ったまま4つの構図でセルフィーを撮れるようになった

 視野角や縦横の変更は、画面のタップで可能。また、人数が増えると、AIによって自動的に視野角を広げ、フレームの向きも調整されるという。なお、フロントカメラの画素数は、16の1200万画素から1800万画素に増加している。

 このセンターフレームは、動画にも適用される。背面カメラのアクションモードの技術を応用することで、動きながらフロントカメラでセルフィー動画を撮っても手ぶれ補正が常に適用され、自分の顔はフレーム内に保たれる。

 また、Pro、Airも含め、17シリーズは背面カメラとフロントカメラで同時に動画を撮影できるデュアルキャプチャに対応した。

極薄な「iPhone Air」が新登場

 iPhoneのラインアップに新たに「Air」が加わった。

 詳しくは別記事を確認していただきたいが、ディスプレイは無印、17 Proより大きい6.5インチ。高さ、幅もこの2モデルより大きいが、厚さが5.65mmと非常に薄く、重量は165gで無印より10g以上、17 Proより40g以上も軽い。

iPhone Airは4色展開

17 Proは筐体が大きく変化

 17 Pro/Pro Maxは、画面の大きさこそ16シリーズと変わらないが、デザインが大きく変わった。16 Proシリーズではチタニウムフレームを採用していたが、17 ProシリーズではiPhoneで初めて、アルミの板に、独自の押出し成形と熱間処理、鍛造加工を行い、精密機械による精巧なカットを施したユニボディを採用。軽量で放熱効率が良く、堅牢な筐体に仕上げられている。

 前面はCeramic Shield 2で覆い、スクラッチ強度が3倍高まっている。背面にもCeramic Shieldが採用され、前モデルの背面ガラスと比べて耐亀裂性能が4倍高まっているという。

 背面カメラの台座は大きくなり、本体の幅全体に広がった。この台座には、カメラだけでなくアンテナも組み込まれている。担当者は「iPhone史上最も高性能なアンテナシステムを構築できた」と語っている。

背面が大きく変わったProシリーズ

 カラーは鮮やかなコズミックオレンジ、ディープブルー、シルバーの3色で、4色展開だった16 Proからバリエーションが減った。また、オーソドックスなブラックがない(16 Proにはブラックチタニウムがあった)ことが意外に思える。

チップは「A19 Pro」に

 17 Proシリーズのチップは、新世代のA19 Proに。6コアのGPUはそれぞれNeuralアクセラレータを内蔵している。16 Proシリーズに搭載されたA18 Proよりもキャッシュが大きく、メモリーも増えており、最大40%高いパフォーマンスを維持できるという。

 チップから発した熱は、新しい排熱システム、自社設計のベイパーチャンバーによりアルミニウムのユニボディ全体で拡散される。

バッテリー駆動時間が長くなった

 17 Proシリーズは背面カメラの凸部があること、さらにeSIMのみのモデルとなり、スロットの場所が省かれたことでスペースが広くなり、より大きなバッテリーを搭載できたという。

 ビデオ再生時間は、16 Proが27時間だったところ17 Proは33時間に。16 Pro Maxが33時間だったところ17 Pro MaxはiPhone史上最長の39時間に伸びた。

望遠カメラも4800万画素に

 17 Proシリーズも、無印と同じように1800万画素のセンターフレームフロントカメラを搭載。また、背面カメラは望遠カメラの画素数がアップし、3つのカメラすべてが4800万画素のFusionカメラになった。

 カメラ周りの凸部には、次世代のテトラプリズム望遠カメラを搭載。16 Proシリーズでは、0.5倍、1倍、2倍、5倍の光学ズームを選択できたが、17 Proシリーズでは、0.5倍、1倍、2倍、4倍、8倍まで対応する。前モデルより56%大きいセンサーを採用しており、改良された3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正が働く。

カメラの凸部に新しい望遠カメラを格納

 ビデオ撮影も強化され、新たにAppleが開発したビデオコーデック「ProRes RAW」での撮影に対応。また、Genlock(複数のカメラやレコーダーを1つの基準信号に同期できる)にも対応することで手動でのフレーム調整が不要になり、コンテンツクリエイターにとって利便性が上がる。

 なお、17 Proと17 Pro Maxは、サイズによるディスプレイ解像度やバッテリー駆動時間の違いはあるが、それ以外にスペック上で異なる部分は見当たらなかった。