レビュー
グーグル「Pixel Watch」の決済機能を徹底的に試してみる(上)
【クレカ登録編】
2022年10月28日 00:00
10月7日に発売された、グーグル初のスマートウォッチ「Google Pixel Watch」。全般的なレビューはこちらの記事で紹介済みだが、本稿ではGoogle Pixel Watchに搭載される決済機能「Google Pay」に焦点を当て、詳しく紹介する。
上・中・下の3回に分けてお届けする予定で、今回は「クレジットカードの登録」に焦点を当てる。
Pixel WatchのGoogle Payは、SuicaとVisa/Mastercardのタッチ決済に対応
Google Pixel Watch(以下、Pixel Watch)は、グーグル初のスマートウォッチとして話題となっている。そのPixel Watchに用意されている機能の中で個人的にも注目していたのが、決済機能の「Google Pay」を搭載し、非接触型決済機能が利用できるという点だ。
Pixel Watchに用意されているGoogle Payは、スマートフォンのGoogle Payをスマートウォッチ用にカスタマイズしたものと考えていい。Pixel Watchに内蔵されるNFC/FeliCaを利用して非接触型決済が行えるという点は、スマートフォンのGoogle Payと同じだ。ただし、対応する非接触型決済ブランドは、かなり制限されている。
スマートフォンのGoogle Payが対応する非接触型決済ブランドは、モバイルSuica、モバイルPASMO、iD、QUICPay、楽天Edy、nanaco、WAON、VisaおよびMastercardブランドのタッチ決済となっている。
それに対しPixel Watchが対応する非接触型決済ブランドは、Suicaと、VisaおよびMastercardブランドのタッチ決済のみとなっている。つまり、FeliCaベースの電子マネーの多くが非対応となっているのだ。今後対応ブランドが増える可能性は十分考えられるが、現時点では少々残念に感じる。
Pixel Watch版Suicaは機能が制限されている
Pixel Watch版Suicaは、スマートフォン版モバイルSuicaと比べて、一部機能が制限されている。
対応する公共交通機関での利用や、店舗、自動販売機などでの物品購入の決済は問題なく行える。また、Google Payでのクレジットカードを利用したチャージや、駅の券売機、コンビニエンスストアなどでの現金チャージも可能。「JRE POINT」WEBサイトに登録することで、JRE POINTを貯めることも可能だ。
しかし、定期券やSuica グリーン券、おトクなきっぷには非対応で、JREポイントからのチャージにも対応しない。このあたりが、スマートフォンのモバイルSuicaとは異なる部分。スマートウォッチにフル機能のモバイルSuicaを搭載するのは難しいとは思うが、少々残念に感じるのも事実だ。
クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードの対応も異なる
Pixel WatchのGoogle Payでは、対応する非接触型決済ブランドだけでなく、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードについても対応が異なっている。
スマートフォンのGoogle Payにクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードを登録すると、対応しているものに限られるが、カードブランドごとにFeliCaベース電子マネーのiDまたはQUICPayか、NFCを利用するVisa/Mastercardブランドのタッチ決済に振り分け、非接触型決済が行えるようになる。
しかしPixel WatchのGoogle Payでは、iDとQUICPayに非対応ということもあり、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードでの非接触型決済は、NFCを利用するVisa/Mastercardブランドのタッチ決済のみに限られる。
Googleのヘルプページに、Google Payで非接触型決済に対応するクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードのブランドと、非接触型決済の振り分けが一覧で示されている。
そのうち、Pixel WatchのGoogle Payで非接触型決済を利用できるのは、非接触型決済の振り分け先がVisa/Mastercardのタッチ決済になっているものだけだ。
ただし、三井住友カードが発行するクレジットカード、プリペイドカードについては、現在のところPixel Watchでは利用できない。これは、三井住友カードが発行するクレジットカード、プリペイドカードの、Google PayへのVisaのタッチ決済の登録方法が特殊なためだ。
また、プリペイドカードは対応するものが存在しない。つまり、2022年10月中旬時点でPixel WatchのGoogle Payに非接触型決済として登録できるのは、以下の表にまとめた11事業者が発行するクレジットカードとデビットカードのみとなる。
カード発行会社 | 非接触型決済ブランド | サポートされているカード | サポートされていないカード |
JNB Visa デビット | Visaタッチ決済 | JNB Visa デビットカード | カードレス Visa デビット |
関西みらい銀行 | Visaタッチ決済 | りそなデビットカード りそなデビットカード(JMB) りそなビジネス デビットカード | ― |
三菱 UFJ デビット | Visaタッチ決済 | 三菱 UFJ-Visa デビット | |
りそな銀行 | Visaタッチ決済 | りそなデビットカード りそなデビットカード(JMB) りそなビジネス デビットカード | |
Revolut Technologies Japan | Visaタッチ決済 | Revolut スタンダード デビットカード Revolut プレミアム デビットカード | Revolut バーチャル デビットカード |
埼玉りそな銀行 | Visaタッチ決済 | りそなデビットカード りそなデビットカード(JMB) りそなビジネス デビットカード | ― |
ソニー銀行 | Visaタッチ決済 | Sony Bank WALLET | |
北國銀行 | Visaタッチ決済 | 北國 Visa デビットカード 北國 Visa 法人デビットカード 北國マルチワン カード Visa カード | |
エポスカード | Visaタッチ決済 | エポスカード(Visa ブランド) | エポスカード(Visa ブランドなし) EPOS Visa プリペイド カード EPOS バーチャル カード EPOS ETC カード |
住信 SBI ネット銀行 | Mastercardタッチ決済 | スマホデビット(Mastercard) デビットカード(Mastercard) プラチナ デビットカード(Mastercard) | デビットカード(Visa) |
千葉銀行 | Visaタッチ決済 | TSUBASA ちばぎん Visa デビットカード(Visa) TSUBASA ちばぎん Visa ビジネス デビットカード(Visa) | ― |
クレジットカード、デビットカードの登録はスマートフォンの場合とほぼ同じ
では、クレジットカード、デビットカードをPixel WatchのGoogle Payに登録する手順を紹介する。
Pixel WatchのGoogle Payにクレジットカード、デビットカードを登録するには、ペアリングしたスマートフォンのPixel Watchアプリを利用する。
スマートフォンでPixel Watchアプリを起動し、メインメニューの「Google」をタップし、サブメニューの「Google Pay」をタップすると、Google Payの設定メニューが現れる。このGoogle Pay設定メニューから登録作業を行うことになる。
スマートフォンのGoogle Payにクレジットカードやデビットカードをまだ登録していない場合には、新規に登録することになる。そしてその手順は、スマートフォンのGoogle Payで新規登録する場合とほぼ同じだ。
Pixel WatchアプリのGoogle Pay設定メニューを開くと、「新しいカードを追加」メニューが表示される。ここで「支払カード」をタップすると、クレジットカード、デビットカードの登録手順に進む。この先はセキュリティ上画面キャプチャが行えないが、登録するクレジットカードまたはデビットカードの券面を撮影するか、手入力でカード番号や有効期限などの情報を登録する。
そして、画面の指示に従って登録作業を進めていくと、カード発行会社による認証作業に切り替わる。この認証作業はカード発行会社によって方法が異なるが、今回登録した三菱UFJ-Visaデビットカードの場合、登録している電話に認証番号を伝える着信があり、その認証番号を入力することで登録できた。
それに対し、スマートフォンのGoogle Payに対応するクレジットカード、デビットカードを登録済みの場合には、新規登録時のようなカード番号や有効期限などの情報を入力することなく作業を進められる。
もちろん、Pixel Watchに対応しないクレジットカードやデビットカードを選んでも登録は行えないので注意したい。その後、新規登録の場合と同様にカード発行会社による認証作業を行うことで登録完了となる。