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各社同じではない、新料金への変更と値下がった解除料の適用タイミング
2019年9月26日 14:07
まもなく施行される改正電気通信事業法と新しい省令ルール。携帯各社からは法改正などに則した新しい料金プランや割引サービスが相次いで発表された。
新しい料金プランで最も注目が集まっているのが2年契約の解除料。2年契約の解除料は1000円程度が妥当との案があり、それにのっとるようにauが他社に先んじて8月末に、解除料を1000円に設定した新料金プランを発表。
以降、9月に入ってからはNTTドコモやソフトバンク、ワイモバイルやUQ mobile、さらにMVNOも解除料を1000円、または撤廃する料金プランを発表している。
これらの新プランに変更することで解除料が1000円、または0円となるのであれば変えない手はないだろうと考える人は多く、主にSNSなどでは「新プランに変える」といった書き込みが多く見られた。また、店頭でも「新しいプランに変えれば解除料がかからないんでしょ」と問い合わせが増えているとも聞く。
しかし、新プランへの変更と解除料の扱いについて、実は事業者によって扱いが異なる点は意外と知られていない。今回はNTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイル、UQ mobileの4社/5ブランドの新料金への解除料の扱いなど、ハマりどころについて解説していく。
会社によって違う新料金プランと安価な解除料の変更・適用タイミング
解除料を1000円、または0円にするには「新料金プラン」に変更する必要がある。新料金プランは最も提供が早かったソフトバンクでは9月13日から、それ以外は10月1日以降の提供となる。本稿執筆時点で契約中の携帯電話は「新料金プランに変えなければ、解除料は下がらない」と覚えておくことが必要だ。
その上で、新料金プランへの変更や、下がった解除料の適用には一定の条件が定められている。
新料金への変更 | 解除料 | |
NTTドコモ | 即時変更可能 | 変更後、最初の契約更新以降1000円(or 0円)に |
au | 即時変更可能 | 変更後、即時1,000円 |
ソフトバンク | 即時変更可能 | 変更後、即時0円 |
ワイモバイル | 契約から2年経過していれば可能 or 機種購入時に変更可能 | 変更後、即時0円 |
UQ mobile | 最初の契約更新を迎えて以降に可能 | 変更後、即時0円 |
各社の変更条件と変更後の解除料を比較すると、auとソフトバンクは新料金プランに変更することに制約もなければ、変更後の解除料についても、新料金プランが適用になる月から1000円、または0円となる。
また、ワイモバイルとUQ mobileは「 初回の契約 更新」を過ぎていなければ解除料のかからない新料金プランへの変更はできない。例外として、ワイモバイルは初回の契約更新前であっても、機種変更と同時であれば解除料のかからない新料金プランへの変更も可能になっているが、機種代金を24回払いで購入していたり、それに伴う「月額割引」の適用なども考えるとあまり現実的なプラン変更の選択肢とは言えない。
そしてNTTドコモ。この中では一番ややこしい。解除料のかからない新料金プランには、10月1日以降、いつでも変更することが可能だ。しかし新料金プランに変えたからといって、解除料がすぐに1000円、ないしは0円になるわけではない。
NTTドコモは新料金プランに変更した後も、それまでのプランの解除料が「次の更新月までは継続される」。たとえば、次の2年契約の更新が2020年3月だったとして、2019年10月に新料金プランに変更した場合でも、2020年3月よりも前に解約すれば従来通り9500円の契約解除料が発生する点には注意が必要だ。
継続される割引、されない割引がある点にも注意が必要
また、新料金プランへの変更に際し「割引サービス・キャンペーン」が継続されない点にも注意が必要だ。
NTTドコモの「月々サポート」やauの「毎月割」など、機種購入時に2年間通信料を割り引く「端末購入補助」が適用されている場合、これらは新料金プランでは適用されない。
もし現在利用中の機種が購入から2年が経過していない場合、新料金プランへ変更することで割高になってしまう可能性は高い。
また、auの「スマホ応援割」など、契約・機種購入から1年間利用料を割り引くキャンペーンも新料金プランへの変更で適用されなくなるものもある。
auの場合、新料金プランに変更すると「スマホ応援割プラス」として、半年間1000円を割り引くキャンペーンが適用されるものの、購入時に「1年間割り引く」と言われたキャンペーンが適用中で、適用開始から半年経過していないのであれば割引総額としては減ってしまう。おトクに使いたいのであれば一考する必要はあるだろう。
こうしたキャンペーンの適用状況まで加味すると、直近で現在利用中の携帯電話会社を解約、または他社へ乗り換えする予定がないのであれば、契約者向けの会員サイト(My docomoなど)で割引の適用期間を確認するか、割引の終了を待って新料金プランへ変更を行うか、解約や乗り換えの予定が立ってから新料金プランへ変更を行うと、無駄なくおトクに解除料の下がった新料金プランの恩恵を受けることができる。
もう一点注意することがあるとすれば、原則新料金プランは「翌月からの適用」となることだろう。
とくに解約や転出の予定が立つまで、前述の通りに今適用されている割引をしっかり受けて利用することをおすすめしたが「今月、急に他社に乗り換える」といった場合は新料金プランの適用が間に合わないために9500円の解除料がかかってしまう。
10月以降は本体代金の値引きも最大2万円と制限されるため、現在のように「偶然立ち寄ったお店で、最新のiPhoneが一括0円だった」といった、突然の解約・転出を行うようなシチュエーションは考えにくい。
しかし、新料金プランは各社「家族で同じ会社を使うとおトク」を打ち出す傾向にあり、盆や正月など家族・親戚が集まる場面で他社への乗り換えを予定している場合は、その前月に「新料金プランへの変更」を手続きしておかないといけない点は覚えておきたい。