インタビュー

ドコモ吉澤社長インタビュー「違約金1000円は料金にインパクトを与える」

5G時代の料金・デバイスやキャッシュレスへの取り組み、「P30 Pro」の取り扱いにもコメント

 政治・行政主導による料金の改定や完全分離プランが話題になる一方、5Gのプレサービスを今秋、そして正式サービスを来春に控える携帯各社。最大手のNTTドコモは、今後、それらの動きへどう対応していくのか。

ドコモ吉澤社長

 本誌では今回、吉澤和弘社長へインタビューを実施した。限られた時間ながら、話題は多岐に渡ったが、あますところなくお届けする。

ドコモ吉澤社長インタビュー今回のトピック

  • 違約金1000円のインパクト
  • 料金、見直すなら楽天発表後
  • 「キャッシュバックが横行している」
  • 5G正式サービス、開始時の料金プランは
  • 5Gデバイスはスマホから
  • P30 Proはどうなる?
  • キャッシュレスへの取り組み

法改正には賛成、「違約金1000円はインパクトがある」

――この春は総務省での議論が話題になりました。電気通信事業法が改正され、省令案が出て現在パブリックコメントの受付中ですが、吉澤さんはこれまでの動向をどう受け止めていますか。店頭での売れ行きに影響は出ているのでしょうか。

吉澤氏
 電気通信事業法の改正は、料金と端末価格を分離し、お客さまがちゃんと選択、比較できるようにするというものです。これまではそのあたりが曖昧でした。競争の中で端末購入補助やキャッシュバックが実施されてきた。そうすると「一部の人が得をして、長く使う人の料金が下がらない」という指摘が出てきたわけですよね。

 私どもとしては、そこをハッキリさせてお客さまが自由に選べるようになる、競争の健全化に繋がるんだろうということで、改正そのものは賛同しています。

 法改正にともなう省令案の中での論点は、有識者会合もありましたし、ドコモからも意見を出してきました。5月末には数字(端末割引を3万円までにするという提案)もロジックを添えて明確に出しました。

 パブリックコメントでは我々の意見を提出していきますが、仮に1万円、2万円といった形で割引の上限が定められればどう対応していくのか。しっかり受け止めて対応せざるを得ないと思っています。

 ただ、「違約金1000円」は、料金にインパクトを与えるほどの影響があります。

――やはり影響はありますか。

吉澤氏
 はい、あります。ただその影響を本当に料金へ反映させるかどうか。

 2年契約をお約束いただくことで、料金を1カ月あたり1500円安くしているという事実はあります。9500円という違約金が1000円になれば、(2年契約のプランと期間拘束がないプランの差額である)1500円を、単純に下げられないということになります。

 一方で、ドコモは6月から「ギガホ」「ギガライト」という新料金プランを開始したばかりです。改定したばかりで、「また値上げするのか」というのはやはりつらい。それをどうするか、今考えています。

――なるほど。

吉澤氏
 店頭については、買い控えのような影響はなかなか見えません。6月からの新料金と「スマホおかえしプログラム」を出しましたが、新料金は300万契約に達しました。2019年度末までに1700万契約を目指していますので、想定内の動きかなとみています。6月だけ見ると若干減っているかもしれませんが、4~6月で見るとそうでもない。7月の動向はよく見なければいけませんね。

――5月末で「docomo with」が新規受付を終了することによる駆け込み需要の影響はあまり大きくなかったのでしょうか。

吉澤氏
 そうですね、「docomo with」の影響は多少あるかもしれません。ドコモとしてもかなり入れ込んでいた料金でしたから……一度加入していただければそのまま利用していただけます。有利と感じていただける間はずっと利用していただければいいと思います。

「今年5月まではイメージ通りだった」

――この1年、政治主導で値下げを強制するかのような動きがあったと受け止めています。もちろん過去にも総務省での有識者会合の結果を踏まえて、民間の動きが変化したことはたくさんありましたが、今回のプロセスについてはいかがでしょうか。

吉澤氏
 難しいところですね。確かに(菅義偉官房長官が『4割下げる余地がある』と発言した)昨年8月ごろからそういった動きになり、総務省の有識者会合がすぐ発足、かなりタイトなスケジュールで進んできました。

 個人的には良い方向で進んでいるなと思っていました。今年5月末の段階(有識者会合)で、ロジックを含めて「割引上限は3万円」と提案したら、かなりの方々に賛同していただけたのです。そこまではイメージ通りに進んだところでした。

 ところが6月になって、「違約金1000円」が報じられ、非公開の有識者会合もあった。

 結局その1000円もアンケート結果によるということでした。端末割引の上限も、当社の提案である3万円を、省令案では2万円になりましたが、それも「もうワンステップ」ということでした。結局、政策判断ということなのかなと。

「これまでの慣習がモバイル業界をおとしめていないか」

――民間の動きに対しての政治の介入と思えますが。

吉澤氏
 はい、料金などは認可制ではありませんから、自由に決めてしかるべきだと思います。ただそれが、何と言うべきか、通常の商慣習/仕組みとして「囲いこみ過ぎ」と捉えられたことも事実です。

 まだパブリックコメントがあり、それなりに意見を出せます。我々も言うべきところは言っていこうと思っています。

 もともと「一部の人だけが得して、恩恵を受けない人がいるのではないか」という声はずっとありました。最新の端末を安く買えるところも起因していますよね。端末購入補助に制限を付けるべきだとは思います。そうでなければキャッシュバックは終わりません。

 これまでの慣習が、モバイル業界の評判をおとしめていないか、あるいは健全な競争に繋がっていないのではないかという認識はあります。

 それでも割引が2万円までとなれば、「スマホおかえしプログラム」が2万円の範囲に入るかどうかなど、ひとつずつチェックして考えなければいけません。

――なるほど。

吉澤氏
 違約金は、過度な囲いこみという観点で問題視されていますが、一般的にビジネスは「お客さまに長く使っていただくか」ということでもあります。そうなると囲い込むこともひとつの原則でしょう。

 もちろん違約金が9500円という高い水準のままになっており、それを下げなければならないのは理解しています。ただ、そのレベル感ですよね。1000円はどうなんだと。

 これまでは「2年使っていただくことを約束していただくから、1500円割り引きますよ」という形です。そこで中途解約時に9500円という違約金を設定させていただいていた。それが1000円になれば、「1500円割引」はできない。省令案では170円差ということですが、それに沿うのかどうか。

 違約金の変更は料金に影響はありますが、それをどう解決していくのか。これから考えていかねばなりません。

iPhoneは「スマホおかえしプログラム」で

――例年通りですと、9月にはiPhoneが発売され、その後、Androidの秋冬モデルが登場してきます。「料金面をこれから考える」とのことですが、そのスケジュールは、これから来る新機種発売シーズンを目安にするのでしょうか?

吉澤氏
 iPhoneの新機種が、もし9月後半に出てきたとしても、現在の「スマホおかえしプログラム」と新料金の仕組みで問題なく提供できると思っています。(割引の上限額とスマホおかえしプログラムの関係を踏まえ)2万円の中に入れるかどうかというのはチェックしますが、6月に入れた仕組みを変えるつもりはありません。

料金、見直しなら「楽天の発表を待ってから」

吉澤氏
 ただし、料金面では、楽天さんの参入も今後あります。彼らがどう値付けしてくるか、わかりません。もしドコモが料金プランの修正を早めに発表し、その後、楽天さんが料金を発表されれば、さらにドコモは楽天さんのプランへ対応することになって、また再修正となりかねません。

 それは契約のパターンが複数できてしまい、結果的にお客さまに混乱を招いて、ご迷惑をおかけしてしまう。楽天さんの発表を待ってからでないと、なかなか(ドコモの料金見直し発表は)できないのかなと。

――楽天は7月末~8月頭、5Gと自社サービスを組み合わせたイベントを開催するそうです。

吉澤氏
 それはちょっと違うイベントのようですね。ひとつは決算(発表のタイミング)でしょうか。8月に楽天さんは中間決算を発表されますよね。

――なるほど。

「4年縛りこそ、過度な囲いこみ」

――法改正の話に戻ると、「既往契約」、つまり現在、ユーザーが利用している契約は対象外となっていますよね。

吉澤氏
 ポイントは2つです。ひとつは違約金。1000円になれば解約しやすくなる、流動しやすくなります。ただし、端末購入補助が上限2万円という話があります。

 これまでのMNPでは、新しい端末をかなり安く提供して、乗り換えていただくことがありましたが、それが難しくなります。

 もちろん今までと比べれば、流動性は高まると思います。でも、どーんと大きくは増えないでしょう。

 そしてもうひとつのポイントは、他社さんの4年縛り、つまり端末割賦の残債免除プログラムです。同一キャリア内の機種変更が条件ですよね。あれこそが、過度なロックイン、囲いこみだと思います。

 もちろん10月1日以降は、ダメになるでしょうけども「9月30日までに現行プログラムに加入すれば」ということになると、2年後も同じプログラムへ加入し、4年間ロックされることになる。研究会でもだいぶ指摘してきましたが、既往契約の面でも是正すべきだと。

 でも民法上、できないということになりました。とはいえ、4年縛りについては以前、他社さんは「同一プログラムを条件にする」ことから、「機種変更を条件にする」ことへ、自主的に変更された過去があります。

――なるほど、法律上の対応は難しくとも、業界としての自主的な取り組みはできるだろうと。

「他社のキャッシュバック、今、すごいですよ」

吉澤氏
 既往契約が対象外ということで、現在、競合2社さんはポートイン(au、ソフトバンクへの転入)へのキャッシュバックがすごいです。今、すごいですよ。先週の土日もそうでしたし。量販店が中心ですけれども。

――とはいえ、法改正前ながら、趣旨を守るよう要請がありました。

吉澤氏
 社長宛という形で(総務省の総合通信基盤局長である)谷脇さんから要請文が来ています。趣旨にあわせた動き、システムの準備をしっかりするようにということです。

 しかし逆に(au、ソフトバンクは)既往契約をどんどん増やしています。キャリア乗り換えのためとはいえ、キャッシュバックが横行している。法改正の趣旨を逸脱しているんじゃないかなと思います。

競合他社のキャッシュバックが横行していると語る吉澤氏

――それに対して、ドコモとして打てる手は?

吉澤氏
 キャッシュバックは、既存のガイドラインでも強く規制されており、総務省にも窓口があります。我々も情報提供をしていますし、消費者庁にも、条件を書かずに実質0円/一括0円/キャッシュバックといった表記があることは話しています。

――行政に話をしているんですね。

吉澤氏
 しています。窓口がありますからね。

5G時代の料金どうなる?

――省令案を踏まえた料金面の課題は今後考えていくとのことでしたが、一方で、来春には5Gがスタートします。今の段階での料金改定と、来春の5Gの料金が近い時期に発表されると、また混乱してしまいそうです。

吉澤氏
 5Gサービスといっても、当初は繋がるエリアも限られます。「5G、4Gで繋がる料金」を考える必要があります。将来的に5Gだけで繋がることになれば、データ容量もかなり増えてくるでしょうから、完全に無制限のプランにするのか。あるいは、「ギガホ」の30GBという設定をもっとアップさせるのか。

 もし上限に達しても、たとえば「LTEのときは○Mbps、5Gなら(制限なしで)使ってください」ですとか、いろんなパターンがあり得ます。まだこれは個人的なアイデアで、システム的にどこまでできるかわかりません。また、もし無制限プランとしても、すぐというわけではないです。

――5Gサービスの開始当初から、というわけではないと。

吉澤氏
 ローンチ時に無制限とはならないのかなと。auさんは「MAX」と銘打っておられますが、3つほど無制限にならない条件がありますよね。それは無制限と言えるのかな……と思いますが、それはさておき、たとえば何らかの条件を付けさせていただくことになるのか、あるいは、使い分けのような形にするのか。

――「ギガホ」に変えた方の利用動向が大きく変わった、ということはありましたか?

吉澤氏
 そこまではどうでしょう。ただ、ギガホとギガライトは1000円だけの違いですので、ギガホを選ばれる方もいます。30GBを使い切らない方もいます。30GBに達しても1Mbpsで、標準品質の映像が楽しめます。ちなみに速度制限時は2Mbpsあるともっといいですのですが、社内で検討した結果、1Mbpsになりました。

――そうした動向は5Gの料金プランのヒントにあるかもしれませんね。

吉澤氏
 そうですね。

5Gデバイスはどうなる?

――9月20日から5Gのプレサービスを予定されています。28GHz帯はエリア構築が相当難しそうです。

吉澤氏
 エリア構築もそうですし、端末も難しいですね。アンテナは入りますが、遮蔽物などの影響がどうなるかという点は、物理的にどうしようもない話ですね。

――端末については、5Gのプレサービスでちょっと変わったものを用意されるとか。

吉澤氏
 まだ言えません。でもプレサービス前にきちんと説明しようと思っています。

――プレサービスでの端末は、来春の正式サービスでも採用されるものですか?

吉澤氏
 いえ、試作機ベースですね。ちょっと厚みがあるですとか。そういう形になります。販売するものでもないですし。

――海外では、いくつか5G対応機種が発表されていますが、ドコモではどれくらい導入されますか?

吉澤氏
 中国メーカーさんもたくさん出されてますよね。ただ、米国政府の方針があります。中国メーカーさんのものをすぐに、というわけにはいかないでしょうね。

P30 Proの取り扱い

――となると、今夏モデルとして発表された「P30 Pro」は?

吉澤氏
 G20でのトランプ大統領の発言があり、ちょうど米国商務省の長官も発言したそうですが、「安全保障に影響がなければ」ということですよね。米国商務省が全て決めていて、我々は手の出しようがありません。

P30 Pro

 我々としては、国内外を分けず、良くて安いものがあれば調達します。しかし米国の方針は(ドコモの方針の上に)かぶっている。自ら覆いを取るわけにもいかず、ハッキリしないと身動きが取れません。

5Gの世界は「スマホをハブに」

――米国政府の方針が取りざたされる前、今年の春頃は、フォルダブル(折りたたみ)のスマートフォンが話題になり、今年後半には国内でも発売されるのかと期待したこともありました。そうした先端的なデバイスの取り扱いはどうなりますか?

吉澤氏
 たとえばサムスンさんもフォルダブルを海外で発表されましたが、販売が遅れています。あれも5G対応ということであれば、我々も考えたいですね。

 当然、最初の段階で「どうしますか?」と打診は受けていました。今後も提案があれば検討していきたいですね。

 5Gデバイスは、まずはやはりスマートフォンでしょう。以前「マイネットワーク構想」とお伝えしたのですが、スマートフォンを中心に、ウェアラブルや、ゴーグルなどのxRデバイスが繋がる。臨場感のある、5Gならではの空間が作られていく。

マジックリープのデバイス

 ドコモはマジックリープ(Magic Leap)に出資して協調関係にありますが、ああいうデバイスこそ、対戦ゲームや、離れた場所にいながらにしてエンジンの設計を行うですとか、5Gならではのコンテンツを提供できるでしょう。周辺デバイスと5Gスマホを同時にラインアップしていくのがまず、5Gの世界。

 実は、本当は、ウェアラブルグラスにすぐ5Gが搭載されれば良いんですが、もう少し時間がかかるでしょう。それは次の段階です。

 僕自身は、ヘッドマウントよりも眼鏡タイプがいいなと常々感じていますが、実際そうなるのではないかなと。ドコモもそうした分野に注力したい。

――来春に期待してよろしいですか?

吉澤氏
 たとえばマジックリープの現在のデバイスはまだ開発用です。開発用デバイスと5Gを組み合わせて、まず体験していただく……というのは5Gローンチ時に体験していただけるとは思います。それが売り物にできるかというとまだ難しい。まさに今、そのあたりを詰めているところです。

――そのあたりは来夏のオリンピック・パラリンピックを見据えつつというところでしょうか。

吉澤氏
 まさにその通りです。

「ドコモも一度はトラブルにあった」

――今年は消費増税にあわせたキャッシュレスの推進という話題があります。ドコモとしてもd払い、iD、dカードを推進しています。一方で直近では、「7pay」の事件がありました。リテラシーが高い人は、1社ずつのサービスが異なることは理解されているでしょうが、多くの人にとって「スマホ決済」として、ひとくくりにされるリスクもありそうです。

吉澤氏
 スマホでのキャッシュレス、決済へブレーキがかかると、次の加速に時間がかかるという懸念はあります。今の勢いをもっとつけていきたいですね。

 乱立と言われ、今後統合はあるかもしれませんが、まだ初期段階でしょう。そうした中で、セキュリティ、認証については、ドコモでもIDやパスワードへのリスト型攻撃は過去にありましたし、今も続いています。でも二段階認証で、回線、SMSなどを活用して、なりすましされないようにしています。

 我々にとって二段階認証は当たり前ですが、初めての(キャッシュレスサービスを開始するような)方にとってどのような形でチェックリストに含まれていたのか。

 我々も過去、痛い目に遭っています。だからこそ、今はそう言えますが、経済産業省が示すようにチェックリストをきちんと踏まえて事業をスタートするということなのでしょう。一部できていないことで、キャッシュレス自身が滞ることはないと思います。

――少し前まではキャッシュレス分野は還元祭りが大きな話題でした。

吉澤氏
 ドコモも20%還元を実施していますが、100億、200億と一時的な施策を打つつもりはありません。

 たとえばマツモトキヨシさんの店舗であれば、dポイントとマツキヨポイントが付きます。「ドコモだったらダブルで付くポイントがこんなにありますよ」と宣伝するですとか、メリット、利便性を着実にお伝えしていく。そうすると、お客さまの消費行動そのものを活性化する機会を増やしたい。

 一時的な還元では、そのときしか(キャッシュレスサービスを)使いませんよね。知名度を上げて垂直立ち上げをするという意味では必要でしょうけども、長続きはしません。

キャッシュレスに選択肢を

――「一時的な還元には知名度を上げる効果がある」という観点を踏まえた上で、ドコモはそうした施策を実施しない、ということであれば、既にドコモのキャッシュレスサービスは多くの方に利用されている、加速しはじめている、ということでしょうか。

吉澤氏
 そうですね。今、d払いは600万ダウンロードに達しています。

 ただ、d払いは決済手段のひとつです。他にiDとdカードもある。決済手段すべてを使いこなす人もいれば、ひとつあればよい、という方もいらっしゃいます。

 ドコモの強みは、それらにdポイントが付帯するということです。dポイントが横串なんです。今後、d払いにはミニアプリ機能が追加され、商流を拡大していきますが、d払い単独で考えているわけではないのです。決済手段全体で考えていく必要があると思います。

――なるほどコード決済だけではなく、おサイフケータイやプラスチックのクレジットカードも用意しつつ、dポイントで共通化していると。そしてd払いアプリには、ウォレット機能が追加されますね。

吉澤氏
 はい、9月~10月ごろに予定しています。

――クレジットカードを登録してd払いにチャージできる、といった機能ですが、これまではdポイントをいかに活用するかというところから、まさにお財布のような形になっていく。

吉澤氏
 チャージもできて、ポイント送金もできます。ミニアプリでは、今秋、マクドナルドさんやローソンさんが参加される予定です。d払いアプリだけで、先に注文して決済し、お店で受け取れる形になります。

――消費増税のタイミングにあわせて、何か仕掛けていくことはありますか?

吉澤氏
 いわゆる還元事業者として登録はしていますが、何か、ということはありません。

 拡大という意味では、海外での利用を検討しています。たとえばそのまま海外で使えるですとか。逆にインバウンドについては、特に中国はアリペイ、WeChatPayが強いですから、あえて提供するよりもアウトバウンドの可能性を検討したい。ただ課題はどこと組むかでしょう。

――なるほど、ありがとうございました。