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ソニーモバイル、6.4インチの「Xperia Z Ultra」を発表

 ソニーモバイルは25日、26日から開催される「Mobile Asia Expo 2013」に先がけ、中国・上海で6.4インチのフルHDディスプレイを搭載する「Xperia Z Ultra」を発表した。

6.4インチのディスプレイを搭載した「Xperia Z Ultra」
カラーバリエーション
左からXperia Tablet Z、Xperia Z Ultra、Xperia Z

6.4インチで手書きも可能な「Xperia Z Ultra」

「Xperia Z Ultra」を披露した、ソニーモバイルの鈴木国正社長

 会見には、ソニーモバイルの代表取締役社長、鈴木国正氏が登壇。「ソニーだけが最先端の技術と豊富なコンテンツを、美しい製品に凝縮できる」と語り、2つの製品を紹介した。この“ソニー体験”を体現したスマートフォンとタブレットが、Xperia Z、Xperia Tablet Zだ。新たに発表されたXperia Z Ultraは、2つの中間的なサイズで、「ユーザーは大画面を好むが、一方でどこでも扱いやすい軽さにも妥協はしたくない」(鈴木氏)というニーズに応えて開発された。サイズ感は7インチタブレットに近いが電話機能にも対応。北米で「ファブレット」と呼ばれるジャンルの製品となる。

ソニーならではの体験ができるフラッグシップのモデルとして、「Xperia Z」や「Xperia Tablet Z」を紹介した

 Xperia Z Ultraは、フルHD(1920×1080ドット)のディスプレイを搭載するスマートフォンとして、世界最薄の6.5mmを実現した。ソニーのVAIOやBRAVIAといった製品でおなじみの「トリルミナスディスプレイ」をモバイル製品向けにカスタマイズした、「トリルミナスディスプレイ for mobile」を初採用。データベースに基づき画像を分析して、失われた映像を美しく復元する「X-Reality for mobile」にも対応するなど、映像の美しさにこだわった1台だ。

画面左が「X-Reality for mobile」適用前、右が適用後。ジャギーの多い映像が、クリアに補正されていることが分かる
BRAVIAなどのソニー製品に採用される「トリルミナスディスプレイ」を、Xperiaシリーズで初めて採用した

 Xperia Zと同様、両面にガラス素材を採用したが、側面は樹脂ではなく、金属素材となった。デザインモチーフは2013年のXperiaシリーズで展開されている「オムニバランスデザイン」を継承した。

 チップセットはクアルコムの「Snapdragon 800」で、CPUのクロック数は2.2GHz。通信方式はLTEのほか、HSPA+やGSMに対応する。また、IP55/IP58の防水・防塵性能も備えているのも特徴となる。防水・防塵仕様だが、3.5mmのイヤホンジャックはキャップレスになった。カメラにはソニーの積層型CMOSセンサー「Exmor RS for mobile」を採用し、画素数は8メガピクセル。「Xperia Z」や「Xperia A」よりも画素数は低いが、HDRビデオを利用できるのは同じだ。

防水、防塵仕様だが、イヤホンジャックはキャップレスになった
カメラは8メガピクセル。「Xperia Z」などでおなじみの、写真加工機能にも対応する
「PlayMemories」を統合したアルバムアプリ。画面上部に大きく表示されている写真は、撮影日などに基づき、「今日表示すべきと判断されたもの」(説明員)になる

 Walkmanアプリやアルバムアプリなど、ソニー製のアプリも搭載する。これらは、オフラインとオンライン、両方のコンテンツをシームレスに扱えるようになった。たとえば、アルバムアプリではメモリ、microSD内の画像に加え、「PlayMemories」の画像も合わせて表示やシェアできる。Walkmanアプリは、ローカルの楽曲と合わせて「Music Unlimited」の楽曲をまたがって、再生したり、プレイリストに登録したりできる。ムービーアプリには、「VideoUnlimited」が統合されている。ソニーモバイルは、このコンセプトのWalkmanアプリを2月に開催された「Mobile World Congress 2013」で発表していたが、今回はその取り組みをアルバムやムービーといったアプリにも拡大した。

Walkmanアプリで楽曲を検索した画面。ローカルの楽曲と、「Music Unlimited」の楽曲が、シームレスに表示されている
同様に、ビデオアプリには撮影/ダウンロードした動画と、「Video Unlimited」の動画を合わせて表示できる
写真のように、市販の鉛筆にもタッチパネルが反応する。通知には、ノートやスケッチアプリを起動するボタンが設けられた

 大画面を活かし、手書き用のアプリも内蔵した。タッチパネルの感度を上げ、非常に細いスタイラスでも認識可能となっている。地域によってはスタイラスが同梱されるほか、市販の鉛筆やボールペンなどでも文字や絵を書くことができる。また、文字入力も手書きで行うことができ、英語のみならず、日本語など各国の言語に対応している。言語は、追加でパッケージをダウンロードする仕様となる。このほか、従来のXperiaと同様、NFCによるワンタッチ接続もサポートしている。

画面をキャプチャーするミニアプリを用意。キャプチャー後、必要な部分だけを切り取って、そこに文字や絵を追加できる

 サイズは179.4×92.2×6.5mmで、重量は212g。OSはAndroid 4.2(Jelly Bean)で、ソニー製のユーザーインターフェイスを備える。内蔵メモリ(ROM)は16GBで、最大64GBのmicroSDXCに対応する。バッテリーは内蔵タイプで3000mAh。LTEでの連続待受時間は510時間となる。カラーバリエーションはXperia Zと同じ、Black、White、Purpleの3色。夏以降、世界での発売を予定しているが、日本での展開は明言されていない。

画面サイズやOSのバージョンに合わせ、ユーザーインターフェイスも既存のXperiaから一部変更されている

ソニーモバイル初のTD-LTE対応スマートフォンなどを中国で展開

中国移動のTD-LTE対応モデルとなる「Xperia SP」

 上海での発表会は、前半がグローバル向け、後半が中国向けという構成で行われた。後半の目玉として発表されたのが、中国移動(チャイナモバイル)が商用サービスを準備しているTD-LTE(日本でWireless City Planningがサービスを行いソフトバンクのAndroid端末に採用されている「AXGP」と100%互換性がある)に対応した「Xperia SP M35t」だ。このモデルは、グローバルで発売中の「Xperia SP」をベースしており、4.6インチのHDディスプレイや、「Exmor RS for mobile」を採用した8メガピクセルのカメラを搭載する。ボディ下部に透明なパーツが搭載されており、この部分に内蔵されたイルミネーションが開いた写真などに合わせて点灯する仕掛けとなっている。

「Xperia C」は、中国聯通専用のモデルとなる

 中国向けのもう1機種が、デュアルSIM仕様の「Xperia C S39h」。5インチのディスプレイやクアッドコアCPUを搭載し、ボディは“ドコモのツートップ”にもなった「Xperia A SO-04E」や、au向けの「Xperia UL SOL22」のように、丸みを帯びている。このモデルは中国聯通(チャイナユニコム)限定とのことだ。

「Smart Watch」には防水&NFC対応の後継機が登場

 グローバル向けのXperia Z Ultra、中国向けのローカルモデル2機種に加え、Xperia向けのアクセサリーも発表された。ボディの大きなXperia Z Ultraと相性がいいアイテムが、Bluetoothヘッドセットの「SBH52」。そのまま耳に当てて電話にできるほか、イヤホンを挿せば音楽を聴ける。NFCでのペアリングにも対応する。

 日本でも発売中の「Smart Watch」は、後継機の「SmartWatch 2 SW2」が発表された。ディスプレイを改善して屋外での視認性を高めたほか、防水仕様やNFCによるペアリングに対応。現行のSmart Watchは充電に専用チャージャーが必要だったが、Smart Watch 2ではmicroUSB充電に改められている。

 Xperia Z Ultra専用の周辺機器としては、マグネットで接続できるスタンドの「DK30」が発表された。

アクセサリーとして用意されたBluetoothヘッドセット「SBH52」。NFC対応で簡単にペアリングできる
Xperiaと連携させられる腕時計「SmartWatch 2 SW2」
マグネット式端子で端末を固定して充電できるXperia Z Ultra専用充電スタンド「DK30」

石野 純也