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「スマホ新法」施行半年も代替アプリストア・決済浸透せず、MCFなどが法の適正な執行を訴え

 2025年12月に施行された、いわゆる「スマホ新法」が目的を達成できていないとして、モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)などの団体8者は、アプリ事業者の現状と是正に向けた提言を公開した。

代替アプリストア普及せず

 スマホ新法は「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」といい、プラットフォーマーのOSやアプリストアでの優位的な立場を規制し、競争を促進する目的がある。

 第三者によるアプリストアの提供許可は、スマホ新法で認められるもののひとつ。しかし、施行から半年強が経過した現在も、代替アプリストアの普及は進んでいない。MCFなどがアプリ提供事業者30社、回答件数34件を対象に調査した結果によると、代替アプリストアを利用するアプリ提供者は5.9%にとどまった。

 「利用者が少ない」が理由の最多だが「手数料のメリットがない」「プラットフォーマーからの不利益が心配」といった回答も目立つ。MCFによると、同アンケートの回答者は、スマホ新法以前から認められていた、アプリからの誘導のない外部決済の利用率が高い。にもかかわらず、代替アプリストアや代替決済、関連サイトからの外部誘導の利用がないことは「スマホ新法の目的が達成されていない」と指摘する。

 また、日本においてはiOSの場合、代替アプリストアをインストールする際に「設定」と「OK」という2つのボタンが表示される。インストールを続行する場合は「設定」を選ぶ必要があるが、多くの人にとって直観的でないのではないかと、モバイル・コンテンツ・フォーラムの岸原孝昌専務理事は指摘する。

外部決済は縮小方向へ

 プラットフォーマーの仕組みを介さない、外部決済の導入も徐々に後退しつつあるという。同団体の調査では、アプリ内の代替決済の利用率は8.8%。多くの事業者が手数料負担の重さをあげている。

 アプリから公式サイトなどにリンクして決済を促す仕組みやテキストでの誘導が曖昧に制限され始めたことも理由のひとつという。以前から存在していた公式サイトへのリンクの影響で、アプリストアからの通告(リジェクト通知)が開発者へ送られるケースが頻発しており、指摘を受けた事業者のうち、Appleでは9割、Googleではすべてのケースで、アプリ内からリンクを削除した。

 リンクの有無にかかわらずテキストによる外部案内を行うだけで、外部決済を利用する際は「StoreKit External Purchases or Offers Entitlement」をアプリ内に含める必要があると、事前の通知なく改変されていたという。どこまで規約に準拠すべきか、準拠していたとしても突如として改変されるため、ついていけないという開発者の声が聞かれるという。

 一方で、プラットフォーマー側としても無償でエコシステムを維持することはできないとも主張しており、Appleは「(外部決済の手数料について)これらの料金であれば、Appleは、知的財産権で保護されたツール、技術、サービスが開発者に提供する価値に対して、少なくとも一定の補償を回収することができます」と正当性を訴えている。

適正な法執行訴え

 日本を代表するアニメ・マンガといったコンテンツは、西欧の価値観と必ずしも一致せず、修正を加えて公開せざるを得ないケースもあると岸原氏は説明。代替アプリストアには、日本の基幹産業として位置づけられるコンテンツ産業を保護する役目もあると語る。

 MCFをはじめとする共同実施団体は、現在の状況をスマホ法の目的が果たされていない「形骸化の危機」であると強く訴える。欧米では厳しい法執行や司法判断によって外部リンクの無償化が進み、実質的な競争環境が整いつつあるのに対し、日本は「3年遅れている」と警鐘を鳴らす。

 また、公正取引委員会(公取委)とプラットフォーマーとの対話が「完全にブラックボックス」になっているとも指摘。まずはApple・Google両社の新規約がスマホ法に適合しているのか否かの「評価を明確に表明」することが、法執行の「1丁目1番地」であると強調。民間団体には強制力がないからこそ、公取委自身が具体的な是正要求や違反調査といった厳正な執行へ動き出すことを強く求めた。