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ソフトバンクが清水寺で挑む景観と5Gの両立、混雑する清水の舞台で下り445Mbpsを叩き出した現地対策とは
2026年8月20日 06:00
いつでもどこでも、スマートフォンを使って、SNSに写真をアップロードしたり、誰かとメッセージでつながれるように、携帯電話各社にとって欠かせないのが「エリア対策」。電波が弱くつながりにくい場所に、新たな基地局を建てるなどして、より通信をつながりやすくするものだ。ソフトバンクが、京都府京都市の「清水寺」での取り組みの一端を報道陣向けに公開した。
有名スポット「清水寺」の電波環境を改善
京都府の清水寺は、日々多くの観光客が訪れる一大観光地。多くの人々がスマートフォンを取り出して、写真撮影などを楽しんでいる姿が見受けられる。昨今では、撮影してすぐにSNSに投稿するといった楽しみ方が浸透しているが、観光客が多くなる本堂などでは、携帯電話の電波が入りにくかった。
ソフトバンクの場合、清水寺より低い場所からの基地局の電波に頼らざるを得ないため、通信環境が厳しいものになっていたという。歴史的な建物や街並みが多い京都市は、景観条例により建造物に厳しい規制が敷かれている。しかし、多数の観光客が訪れる清水寺のエリア対策は、ソフトバンクもかねてから検討しており2026年2月末までに、清水寺の敷地内に新たな基地局が設置された。
現地では、5G SA対応スマートフォン向けの「Fast Access」も利用でき、ソフトバンクによると、非Fast Accessの端末が下り354.9Mbps、上り24.4Mbpsだったのに対して、Fast Access端末では同じく445Mbps、78.2Mbpsを記録した。
観光地ならではの対策も
新たに清水寺に設置された基地局は、コンクリート柱にアンテナや各種装置が搭載されているタイプ。ソフトバンクが保有する2.1GHz帯と1.7GHz帯、900MHz帯、5G Sub6の3.4GHz帯と3.5GHz帯、3.9GHz帯に対応している。セクター数は1セクターで、観光客が集中する清水の舞台をカバーする。今後、700MHz帯の対応も視野に入れる。
対策前は、混雑時に5Mbps~10Mbps程度まで、通信速度が落ちてしまうケースがあったが、現在はSub6につながると100Mbps~200Mbpsほどの速度で通信できるという。
設置にあたっては、清水寺内でも景観を乱さないように注意を払う必要があり、柱は目立ちにくい濃い茶色で塗装されている。無線装置などもそれ自体は塗装されていないが、柱と同色のカバーがかけられている。無線装置を設置している台は、ソフトバンクのオリジナル品で、ケーブルなどを収納して見栄えを整えられる。電力会社からの電力を受ける受電盤も、メーカーの協力のもとでメーターボックスと分割して小型化し、柱に取り付けられている。
アンテナは、Sub6用とそれ以外で2本に分けられている。通常、2本のアンテナを設置する場合は、上下にずらして設置するというが、今回はより高い場所から電波を発射できるようにするため、2本とも同じ位置に取り付けられている。樹木などの遮蔽物もあり、減衰しやすい周波数帯の電波もあるため、清水の舞台からの見通しをなるべく確保することを目指した。
柱の高さは15m弱。設置前にはそれに近い高さの12mほどまで風船をあげて、清水の舞台側から写真を撮影し、観光客からどう見えるかなどを検討したという。設置場所については、観光客から目立ちにくく、清水の舞台に対しての見通しの確保のしやすさから決まったという。
今後は「土産物屋」近辺、「京都駅」も対策
清水寺では、今回の対策に加えて、参道沿いの土産物屋付近は「まだ通信改善の余地がある」として、次なる対策を検討する。周辺は基地局の設置場所の確保が難しいが、付近で新たな基地局を建てられる場所がないか、現在は調査を進めているという。
ソフトバンクはかねてから京都市に対し「現在の条例のままでは5G設備の導入が難しい」という実情を伝えてきたという。一方で「最新の5Gアンテナでも、工夫次第で景観を損なわずに設置できる」という具体的な技術提案を個別に行うことで、京都市内の一部で徐々に設置許可を得てエリア化を進めてきた。
同社が、京都市内で次なる対策エリアとして見据えるのが「京都駅」。新幹線の停車駅でもありインバウンドの玄関口でもある同駅は、ユーザーの体験として重要度が高い。訪日観光客も増加する中で、ソフトバンクではさらに品質を向上させる構えだ。






