レビュー

「Google Pixel 11」レビュー、カメラバーが薄くなった“高コスパ・次世代スタンダード”モデル

 Googleは、Pixelシリーズの最新スタンダードモデル「Google Pixel 11」を8月20日より発売する。価格はGoogle Store(直販サイト)で256GBモデルが13万6800円、512GBモデルが15万6800円(いずれも税込)。通信キャリアでは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルからも購入可能となっており、さらに今回から一部の家電量販店でSIMフリーモデルの店頭販売も開始される。

8月20日発売のGoogle Pixel 11

 最新の「Google Pixel 11」を手に取って、まず最初に実感するのが、軽さとホールド感の良さ。本体サイズは縦152.8×横72.0×厚さ8.6mmで、前モデルの200gオーバーから軽量化が図られ、約197gと200gの大台を切ってきた。手に持った時の重量バランスが秀逸で、丸みを帯びたコーナーの形状も手伝い、数値以上に軽快で手のひらにスッと収まる印象を受ける。

実測では198.5g

 ボディ素材の質感も極めて高い。背面ガラスには、美しい光沢を放つポリッシュ仕上げの頑丈な「Corning Gorilla Glass Victus 2」を採用。対照的に、側面フレームには航空宇宙グレードのアルミニウムを使用し、しっとりとした上品な「サテン仕上げ(半艶消し)」が施されている。この「光沢背面×マットフレーム」が絶妙なコントラストを生み出しており、指紋の付きにくさとプレミアムな佇まいを両立させている。

本体背面

 そして今回の外観において、最も大きな変革を遂げたのが背面のカメラバー。ここ数年のPixelのアイデンティティであるカメラバーは、端から端まで全面をガラスで覆ったフラットかつ一体感のある洗練されたデザインへと変更。さらにカメラバー自体の厚みが前作比で約40%も削減されており、従来のモデルで感じられた「ポケットに入れる時に引っかかる」「机の上に置くとガタガタと傾く」といったストレスがほぼ完全に解消されている。

厚みが約40%削減され、圧倒的にスリムになった新設計のカメラバー
最厚部は実測で10.3mm
別売の純正「Google Pixelsnapケース」を装着すると、カメラバーの段差が完全に埋まって背面がほぼフラットになる

 カラーバリエーションは、Frost(フロスト)、Pistachio(ピスタチオ)、Hibiscus(ハイビスカス)、Obsidian(オブシディアン)の4色展開。今回テストした「Hibiscus(ハイビスカス)」は、シリーズの中でも一際目を引く鮮やかな暖色系のポップカラーで、背面ポリッシュガラスの光沢感と相まって、光が当たる角度によって、温かみのあるニュアンスから、華やかなコーラルピンクまで豊かな表情を見せる。

ポリッシュガラスの艶やかな背面

 筐体には100%リサイクルアルミニウムを含む10種類のプレミアム再生素材がふんだんに使われており、IP68の強力な防塵・防水性能も当然のように完備している。美しさと、毎日タフに使い倒せる頑丈さを、高いレベルで具現化したデザインとなっている。

 なお、日常の利便性に関わる細かいマイナーチェンジとして、NFC/FeliCaアンテナの位置が本体上部付近に移動している。従来のPixelシリーズやAndroid端末からの移行の際には、背面ではなく本体上部をかざすようにしないと反応しにくいので注意が必要だ。

NFCのアンテナは本体上部に移動

 ディスプレイは6.3インチ(1080×2424ドット)のOLED(有機EL)パネルである「Actuaディスプレイ」を採用。60~120Hzの可変リフレッシュレート、最大輝度2000ニト(HDR)、ピーク輝度3000ニトといった高い性能を誇る。

非常に明るく視認性の高い6.3インチ Actuaディスプレイ
白背景を最大輝度にした状態で、実測では1542luxだった

 画面表示に関しては、後述する最新プロセッサー「Google Tensor G6」の処理能力もあり、画面スクロールやアプリの切り替えなども極めてスムーズで、日常的な使用において不満を感じることはない。

 バッテリー容量は標準で4985mAh。30時間以上のバッテリー駆動時間を公表しており、一般的な使い方であれば1日以上十分に持たせることができる。実際に輝度を最大にしてYouTubeの高画質モードを再生し続けた結果、12時間53分でバッテリー残量が0%になった。

 充電機能も強化されている。USB Type-Cからの有線急速充電(別売の30W以上の充電器を使用)に対応するほか、ワイヤレス充電ではマグネット式の「Google Pixelsnap(Qi2.2準拠)」に対応。最大出力が25Wに引き上げられ、前世代と比較して充電速度が25%高速化している。もちろんAppleのMagSafe互換アクセサリーとも物理的な互換性があり、磁力による安定した装着が可能だ。

25W高速ワイヤレス充電にも対応
計測器での充電性能の数値

 本体右側面には電源ボタンと音量調整ボタンを装備。電源ボタンが上にある、一般的なAndroid端末とは逆の配置は健在だ。他社のAndroid端末から乗り換える場合は慣れが必要と言える。本体底面にはUSB Type-Cポートがあり、USB 3.2に対応しているため、PCなどへのデータ転送も高速に行える。

本体右側面
本体左側面
本体上部
本体底面

 SIMスロットはトレー式で本体に配置。物理nanoSIM×1とeSIM×1によるデュアルSIM構成、またはeSIM×2での運用が可能。

 対応バンドは5G(Sub-6)がn1 / n2 / n3 / n5 / n7 / n8 / n12 / n13 / n14 / n20 / n25 / n26 / n28 / n30 / n38 / n40 / n41 / n66 / n71 / n75 / n77 / n78 / n79。LTEがB1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B12 / B13 / B14 / B17 / B18 / B19 / B20 / B21 / B25 / B26 / B28 / B29 / B30 / B32 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42 / B48 / B66 / B71 / B75。国内外で不自由なく通信できる充実した仕様である。

SIMトレーはピンで押し出すタイプで、本体上部にある

 Wi-Fiは「Wi-Fi 6E(802.11ax)」をサポート。上位モデル(Proシリーズ)が対応している最新のWi-Fi 7には非対応なのは少し残念な部分だが、実用上は十分に高速。一方で、Bluetoothは最新の「Bluetooth v6」に対応。Bluetoothデバイス同士の距離を非常に正確に測定できる「チャネルサウンディング(Channel Sounding)」機能を備えており、今後登場する対応スマートタグなどを活用した、より精密な位置特定の恩恵を受けられる。

 ただしUWBは非搭載なため、Pixel 11では高精度な方向案内(UWBナビ)は利用できない。Googleは、UWBも使用する「Pixel Tag」の発売も予定しているので、ここは対応してほしかったところだ。

 本体スピーカーはステレオ仕様で、3つのマイクを搭載。音の広がりや左右のバランスも良く、スピーカーだけでも動画やゲームを十分に楽しめる。

オーディオテスターアプリで1000Hzの正弦波を最大ボリュームで鳴らして、15cm離れたところの音量は約81.8dBだった

 カメラシステムは、新開発の4800万画素メインカメラ(広角、1/1.56インチセンサー、感度が前作比56%向上)に加え、1300万画素の超広角カメラ(画角120度)、そして光学5倍の1080万画素望遠カメラ(最大30倍の超解像ズーム対応)を搭載。インカメラ(フロント)は、オートフォーカス対応の1050万画素(画角95度)となっている。

トリプル構成の背面カメラシステム
インカメラは1050万画素

 標準カメラアプリで、そのまま撮影しても十分高品質な写真が撮影可能。ある程度AIなどによる補正がかかってはいるが、クセのない発色はこれまでどおり。

1倍で撮影
2倍で撮影
5倍(光学望遠)で撮影
最大の30倍ズームで撮影
0.5倍(超広角)で撮影
マクロモードがないためアラートが出ないギリギリの最短焦点距離で撮影
夜景モード(インスタント夜景モード)で撮影
インカメラで撮影

 カメラ関連では、今回のPixel 11シリーズ全体でいくつかの重要なアップデートがある。

 まず、撮影の瞬間に写真の雰囲気を固定できる「カメラスタイル(Camera Styles)」機能が追加された。デフォルトの質感として、柔らかな描写の「ナチュラル」、深いコントラストの「シャドー」、温かみのある「バニラ」の3つのスタイルから選択でき、好みの色調で常に撮影をスタートできる。さらに「デジカメ」や「モノクロ」など6つの追加スタイルも用意され、フィルムカメラのようなノイズ(粒子感)や色味をカスタマイズして自分だけの表現を追求可能だ。

仕上がりの質感を変えられる「カメラスタイル」
オリジナル
ナチュラル
シャドー
バニラ
マガジン
ベルベット
クラシック
デジカメ
モノクロ
ミニマル

 もうひとつが、新機能の「マジック キャプチャー(Magic Capture)」。1回タップするだけで、動画と高品質な写真を同時に記録する。撮影中、デバイス上のAIが約400フレームを解析して、被写体が最も美しく写っている瞬間を検出。自動で1200万画素の写真として切り出し、さらにトリミングやボケ補正(Unblur)といった高度な編集を自動適用して保存してくれる。子供やペット、スポーツなど、動きが激しくシャッターチャンスを逃しやすいシーンに最適な「実用的なAI機能」だ。

写真と動画に加えて「マジック キャプチャー」の撮影モードが追加
動画を撮りながら、自動でシャッターチャンスを検出して写真として残してくれる
動画撮影時にクリエイターモードの設定に対応

 チップセットには、3nmプロセスで製造された「Google Tensor G6」を搭載。セキュリティチップ「Titan M3」も備える。メモリーは12GB、内蔵ストレージは256GBまたは512GB。上位のProシリーズが16GBメモリーを搭載しているが、Tensor G6の処理能力のおかげもあり、アプリの起動やAI機能の処理において無印モデルでも全く見劣りしないレスポンスを実現している。

 特に今回のPixelシリーズは「Gemini Intelligence」向けに設計されており、先回りしてユーザーをサポートする機能が充実している。また、話し手の淀みを取り除いて正確にメッセージを作成する「AI音声入力(Rambler)」や、画面をかざすだけで詳細を特定できる「かこって検索」の統合強化など、日常の生産性を高めるAIアシスタント機能が豊富に利用可能だ。

AI音声入力はかなり進化しており、話した言葉をそのまま文字に起こすのではなく、不要な部分などをカットして、文章として整形してくれる

 FeliCaによるおサイフケータイ機能もしっかりと搭載しているほか、OS、セキュリティ、およびPixel Dropのアップデート提供期間は、最大7年間と非常に長い。本体の優れた耐傷・耐落下性能と相まって、長期間にわたって安心して使い続けられる。

 Google Pixel 11は、最新のTensor G6とGemini AIがもたらす高い利便性を、望遠レンズ付きのトリプルカメラとともに手軽に体験できる、非常に完成度の高い「高コスパ・次世代スタンダード」と評価できる仕上がりだ。

スタンダードモデルとして完成度が高いPixel 11