レビュー

Pixel 11 Pro/Pro XL実機レビュー、120倍ズームと背面LED「HiLight」の真価を徹底検証

 Googleは、Pixelシリーズの最新フラッグシップモデル「Google Pixel 11 Pro」と「Google Pixel 11 Pro XL」を8月20日より発売する。価格はGoogle直販サイト(Google Store)では、「Pixel 11 Pro」の256GBモデルが17万4800円、512GBモデルが19万4800円、1TBモデルが23万4800円。

8月20日発売予定のPixel 11 Pro(左)とPixel 11 Pro XL(右)
Pixel 11 Proは17万4800円から

 大画面モデルの「Pixel 11 Pro XL」は256GBモデルが20万7800円、512GBモデルが22万7800円、1TBモデルが26万7800円となっている(いずれも税込)。通信キャリアからは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル各社でも購入可能で、今回より一部量販店でのSIMフリーモデルの店頭販売も開始される。

Pixel 11 Pro XLは20万7800円から

 Pixel 11 ProとPixel 11 Pro XLは、ディスプレイサイズやバッテリー、充電速度の違いのほかは、基本的なスペックや機能は同等なため、本記事では両機種あわせて紹介していく。

 本体の大きさはPixel 11 Proが縦152.7×横71.9×厚さ8.4mmで、重さは約204g。Pixel 11 Pro XLは縦162.7×横76.5×厚さ8.5mmで、重さは約226g。どちらも200gオーバーだが、前世代モデル(Pixel 10 Pro:207g、Pixel 10 Pro XL:232g)から確実な軽量化・薄型化を達成している。

重さはPixel 11 Proが実測で205g
Pixel 11 Pro XLは実測も226g

 本体背面は指紋が付きにくく、サラサラとした手触りが心地よい「ソフトタッチマット」仕上げのガラス素材で、フレームはメタル素材のポリッシュ(鏡面)仕上げ。背面ガラスは高級感があり手触りも非常に良い。

Pixel 11 Proの本体背面
Pixel 11 Pro XLの本体背面

 カメラバー回りのデザインは全面的に刷新された。カメラバー全体を端から端まで1枚のガラスで覆った一体感のある洗練された形状になっている。とはいえぱっと見だと、カメラバーがかなり突出した印象で、バランスの悪さは否めない。

デザイン的にかなりカメラバーが強調されてしまっている
最厚部はどちらも実測で14.44mmだった

 本体カラーは両機とも、Canyon(キャニオン)、Fog(フォグ)、Olive(オリーブ)、そして全面マット仕上げのObsidian(オブシディアン)の4色をラインアップしている。今回のテスト機は、Pixel 11 Proが「Fog(フォグ)」で、静けさと大自然の霧を連想させる極めて知的なニュアンスグレーが特徴。背面のソフトタッチマットガラスと組み合わせることで光を優しく吸収し、品のある美しい佇まいを見せる。周囲のクローム調ポリッシュフレームとの親和性も高く、サラサラとした手触りで指紋が全く目立たない実用性も備えている。

Fog(フォグ)のフレームはクローム調

 一方Pixel 11 Pro XLのテスト機として使用した「Olive」は、有機的で洗練された、アースカラーらしい深みのあるオリーブグリーン。ポリッシュ(鏡面)仕上げされた航空宇宙グレードのメタルフレームが、シックなグリーンと合わさって高級感がある。

Olive(オリーブ)のフレームもポリッシュ(光沢)仕上げ

 ディスプレイはPixel 11 Proが6.3インチ(1280×2856ドット、495 PPI)で、Pixel 11 Pro XLは6.8インチ(1344×2992ドット、486 PPI)のLTPO OLEDである「Super Actuaディスプレイ」を搭載。1~120Hz可変リフレッシュレートは変わらないが、輝度は最大輝度2400ニト(HDR)、ピーク輝度3600ニトへとさらに引き上げられた。カバーガラスには「Corning Gorilla Glass Victus 2」を採用し、前世代の2倍以上の耐傷性を実現する新しい耐傷性コーティングが施されている。

輝度が大幅に向上し、2倍に強化された耐傷性を誇るSuper Actuaディスプレイ
白背景を最大輝度にした状態で、Pixel 11 Proは実測では1525luxだった
白背景を最大輝度にした状態で、Pixel 11 Pro XLは実測では1455luxだった

 画面表示に関しては、最新プロセッサー「Google Tensor G6」の処理能力もあり、画面スクロールやアプリの切り替えなども極めてスムーズで、日常的な使用において不満を感じることはない。

 バッテリー容量はPixel 11 Proが標準4850mAh、Pixel 11 Pro XLは標準5115mAh。30時間以上のバッテリー駆動時間をサポートしており、一般的な用途であれば1日中安心して使い続けられる。実際に輝度を最大にしてYouTubeの高画質モードを再生し続けた結果、Pixel 11 Proでは10時間9分、Pixel 11 Pro XLでは11時間12分でバッテリー残量が0%になった。

 充電性能には両機で違いがあり、有線急速充電では、Pixel 11 Proが最大30W対応(約30分で最大55%充電)に対し、Pixel 11 Pro XLは最大45W対応で、わずか15分の有線充電で最大15時間分のバッテリーを確保(約30分で最大75%充電)できる。

計測器でチェックするとPixel 11 ProはPPSの数値が5~11V/3.0A
計測器でチェックするとPixel 11 Pro XLはPPSの数値が5~21V/3.0A

 ワイヤレス充電は両機ともに強化され、マグネット式の「Google Pixelsnap(Qi2.2準拠)」に対応。最大出力が25Wに引き上げられた。AppleのMagSafeとも物理的な互換性があるため、MagSafe互換アクセサリーも装着可能だ。

両モデルとも最大25Wのワイヤレス充電に対応

 本体右側面には電源ボタンと音量調整ボタンを装備。電源ボタンが上にある、一般的なAndroid端末とは逆の配置。他社のAndroid端末から乗り換える場合、操作に慣れが必要だ。FeliCaのアンテナ位置が本体上部付近に変更されている。

Pixel 11 Proの本体右側面
Pixel 11 Proの本体左側面
Pixel 11 Proの本体上部
Pixel 11 Proの本体底面
Pixel 11 Pro XLの本体右側面
Pixel 11 Pro XLの本体左側面
Pixel 11 Pro XLの本体上部
Pixel 11 Pro XLの本体底面
NFCは本体上部に配置

 SIMスロットはトレー式で本体に配置。物理nanoSIM×1とeSIM×1によるデュアルSIM構成、またはeSIM×2での運用が可能だ。

 対応バンドは5G(Sub-6)およびLTEともに国内外の主要周波数を幅広くサポートしており、5GとLTEの対応バンドは次のとおり。5G Sub-6は n1 / n2 / n3 / n5 / n7 / n8 / n12 / n13 / n14 / n20 / n25 / n26 / n28 / n30 / n38 / n40 / n41 / n66 / n71 / n75 / n77 / n78 / n79。 LTEは B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B12 / B13 / B14 / B17 / B18 / B19 / B20 / B21 / B25 / B26 / B28 / B29 / B30 / B32 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42 / B48 / B66 / B71 / B75。 国内外を問わず主要な周波数を極めて幅広く網羅しており、あらゆるキャリアで不自由なく安心して高速通信を利用できる非常に充実した仕様である。

両モデルとも本体上部にピンで押し出すタイプのSIMトレーを装備

 また、最新規格である「Wi-Fi 7」と「Bluetooth v6」に対応し、高精度な位置特定を可能にする「超広帯域無線(UWB)チップ」も両機ともに搭載している。加えてBluetooth v6の「チャネルサウンディング(Channel Sounding)」機能にも対応。今後11月に発売予定の「Google Pixel Tag」と組み合わせることで、忘れ物タグなどの位置をセンチメートル単位で極めて正確に特定できるのが強みだ。

 ステレオスピーカーは、音の広がりや左右のバランスが優秀で、外部スピーカーなしでも動画やゲームを十分に楽しめる。

Pixel 11 Proはオーディオテスターアプリで1000Hzの正弦波を最大ボリュームで鳴らして、15cm離れたところの音量は約85.7dBだった
Pixel 11 Pro XLはオーディオテスターアプリで1000Hzの正弦波を最大ボリュームで鳴らして、15cm離れたところの音量は約78.1dBだった

 カメラシステムは、背面に広角(メイン)カメラ(5000万画素、f/1.68、1/1.3インチセンサー)、ウルトラワイドカメラ(4800万画素、f/1.7、画角123度、マクロフォーカス対応)、望遠カメラ(4800万画素、f/2.8、光学5倍、1/1.95インチに大型化したセンサーで感度が30%向上)を搭載。

大型化された新望遠センサーを搭載するトリプルカメラシステム

 フロントカメラは、オートフォーカス対応の4200万画素(f/2.2、画角103度)となっている。これは両モデルとも同じなので、カメラ性能に差はない。以下はPixel 11 Proで撮影した作例。いずれもレンズを向けたらそのまま撮影して、明るさやピントは調節していない。

1倍で撮影
2倍で撮影
5倍で撮影
10倍で撮影
30倍で撮影
最大120倍で撮影
0.5倍で撮影
マクロモードで撮影
マクロモードをオフにした状態で撮影
インカメラで撮影

 望遠カメラの進化により、デジタルズーム(超解像ズーム)は前モデルの最大100倍から最大120倍の「超解像ズーム Pro」へと進化。最新の「Google Tensor G6」のTPU(AI処理能力)が50%向上したことで、高倍率撮影時もオンデバイスAIの拡散モデルが手ブレやボヤけを強力に補正し、驚くほど高精細で実用的な写真を生成する。

 不自然な文字の置き換えなどのAI特有の描写も改善されている。とはいえ距離が遠いと、まだまだ正しい文字を表示するほどの精度はない。これらAIを使った描写の信頼性を証明するため、両機とも撮影・編集履歴を確認できる「C2PAコンテンツ認証情報」を自動搭載している。

1倍で撮影した状態で対岸のビルを120倍で撮影してみる
改善はされているものの、まだ正しく描写されているとは言えない

 暗所撮影では新機能「インスタント夜景モード(Instant Night Sight)」が追加された。Pixelならではの高画質を維持しながら、夜景モードの撮影速度が最大4.5倍高速化。シャッターを切った後にカメラを静止させ続ける必要がなく、夜間でも一瞬(blink of an eye)でブレのない鮮明な写真が撮れる。この恩恵は、超広角(0.5倍)から各ズーム倍率、さらにはインカメラにいたるまで、すべてのカメラで受けることができる。

夜景撮影は撮影時間が短くなり、手持ちでもブレにくくなったのは◎

 実際使用してみると、これまでは状況によっては数秒待たされた夜景モードが、1秒ほどで終わるようになっており、しかも品質の低下はほとんど感じられなかった。

 AIを駆使した撮影機能として、1タップで動画と完璧な瞬間の12MP写真を同時保存し、自動で最適なトリミングやブレ補正を施してくれる「マジック キャプチャー(Magic Capture)」や、写真の質感やノイズ(粒子感)を好みにカスタマイズして世界観を固定できる「カメラスタイル(Camera Styles)」(ナチュラル、シャドー、バニラなどのLook)も追加されている。このあたりの作例はPixel 11のレポートで伝えているので、そちらを参照して欲しい。

カメラスタイルを新たに搭載

 個人的にうれしいのは、動画撮影時のクリエイターモードの搭載。今回のPixel 11シリーズすべてに搭載されており、画面上にテキストを表示してプロンプターのように使える「テレプロンプター」やYouTubeなどの縦動画でアイコンなどと被らないように構図をチェックできる「ソーシャルメディアのグリッド」など、動画撮影時に便利な機能だ。

セリフをテレプロンプターで表示させておけば、カメラ目線でスムーズに喋れる

 またオーディオビジュアライザーも搭載され、マイク音量がインジケーターで表示可能に。これはBluetoothやUSBで接続した外部マイクにも対応しているので、「動画を撮ったのにマイクの不調で音が録れていなかった」といった失敗を防げる。

動画を撮るならオーディオビジュアライザーは常時オンにしておきたい

 チップセットは、最新の「Google Tensor G6」を搭載。セキュリティチップ「Titan M3」も備える。メモリーとストレージは今モデルから、256GBストレージモデルは12GBのメモリー。512GB/1TBストレージモデルは16GBのメモリーとなっている。

 512GB以上の大容量モデルでは、システムやGemini AIをさらに余裕を持って動かせる16GBの大容量メモリーが搭載され、さらに「Zoned UFS」の採用によりデータの読み書きやアプリ起動が一段と高速化されている。

 テスト機は512GB/16GBモデルで、通常の使用やAI機能に関して、とくにストレスなく使えるレベル。現状だと256GB/12GBモデルでもそこまで大差はないと思われる。とはいえ、4年~5年と長期間使おうと考えているユーザーは、今後のアップデートなどを考慮すると、メモリーの多い512GBモデル以上を選んだほうが良さそうだ。

今後もAI機能が追加&強化されていくことを考えると、2年以上使うならメモリーが多いモデルを選んでおきたい

 さらに、Proシリーズならではの最大の特徴として、背面のカメラフラッシュ周辺にマルチカラーのLEDライトを内蔵した新機能「HiLight(ハイライト)」を搭載。スマートフォンを裏返して置いている際、Geminiの処理ステータスを光のアニメーションで知らせてくれるほか、登録した連絡先ごとに異なるカラーを割り当てて、誰からの着信か画面を見ずに一目で把握できる。

連絡先のお気に入りに登録してある相手をHiLightに設定できる
使用できるカラーは全部で5色

 もちろん、FeliCa(おサイフケータイ)もしっかり搭載。OS、セキュリティ、およびPixel Dropのアップデート提供期間は最大7年間と非常に長い。また、Proシリーズの購入特典として、Gemini Advancedや5TBのクラウドストレージ、Google Health Premiumが利用できる「Google AI Pro」プランが6カ月間無料で付属する。

 Google Pixel 11 Pro / Pro XLは、軽量化された極上のボディに、120倍超解像ズームProやインスタント夜景モードといった最高峰のカメラ性能を詰め込み、さらに先進の「HiLight」による新しい通知体験や強力なGemini AIをフルに引き出せる、次世代のハイエンドスマートフォンと言える。

間違いなく数年はじゅうぶん満足して使えるスペックとなっている