ニュース

アプリ配信の手数料は正当な対価なのか? アップルの見解をみる

 スマートフォンアプリのサイドローディングやアプリストアの手数料について、近年動きが大きくなっている。日本でも2025年12月にスマホ新法が施行され、国内におけるスマートフォンアプリの配信方法や課金方法について、プラットフォームが公平競争を阻害しないよう明文化された。

 これを受け、プラットフォーマーも規約を改定するなど、スマホ新法に合わせて対応したが、一部でその対応が不十分なのではないかという声も上がっている。プラットフォーマーは、スマホ新法に対して、どのように取り組んでいるのか。

アップル「スマホ新法への対応は順調」

 プラットフォーマーの1つであるアップル(Apple)は、スマホ新法への対応を進めているという。

 実際に、App Store以外のアプリマーケットが日本でも4つ立ち上がっているといい、開発者とユーザーの選択肢が増えている。また、App Storeにおける開発者が支払う金額も、従来と同額かそれ以下になっており、全体の87%におよぶデジタル商品やサービスを販売しないデベロッパーには引き続き手数料を支払う必要がない。

 アップルによると、この新たな取引条件に合意したデベロッパーの数は、EUで2年以上かけて合意された数をすでに大きく上回っているといい、日本のデベロッパーからは強い反響を得ているとしている。

 なお、同社は、日本のデベロッパーが世界中のユーザーにアクセスできるグローバルマーケットプレイスを提供してきたといい、そのための製品構築やテスト、マーケティングなど、アプリ配信に至るまでのさまざまなツールを提供し、大規模な投資を行っていると指摘。多くの国や通貨での決済を可能にする決済基盤や、ソフトウェア開発キット、200種類以上のフレームワーク、25万以上のAPIなど、幅広い独自ツールや技術、サービスを提供しているという。

CAFやEpic Gamesの主張に対して

 5月12日、アプリ流通の公平性を実現するための団体「Coalition for App Fairness(CAF)」が日本での活動を本格化させた。CAFは、スマホ新法が施行されてもなお不公平な手数料が徴収されていると主張する。アプリ内のリンクから飛んだ外部のWebサイトに対しても、ユーザーの決済を把握し、それを報告させて手数料を徴収するといった行為は、スマホ新法に違反しているのではないか、などの主張を展開している。

 アップルは、スマホ新法について、ユーザーのプライバシーやセキュリティ、安全性を守るための保護措置が明確に含まれているとし、App Store以外からダウンロードされたアプリは、同社のセキュリティ機能を通していないため、違法・有害なコンテンツや不適切なコンテンツがユーザーにさらされるリスクがあるという。

 アップルは、CAFの主張に対し、次のようにコメントしている。

「Coalition for App Fairness(CAF)」に資金提供しているのは、Appleのプラットフォームや技術から多大な恩恵を享受しながら、その対価を支払いたくないと考える少数のデベロッパたちです。彼らはデベロッパコミュニティ全体を代表するものではなく、ごく一部の限られた存在に過ぎません。

外部決済での手数料について

 アップルは、スマホ新法において、第三者のアプリマーケットで配信されるiOSアプリに対して、手数料を課すことが認められているとの分析を示す。

 同社は、第三者のアプリストアを通じた決済に対して、コアテクノロジー手数料として5%分を徴収している。iPhoneやiOSに組み込まれた技術をデベロッパーが活用しており、同社はこれらの技術に多大な投資を行っている。

 一方、App Storeで配信されているアプリに対しては、アプリ外の外部決済で最大15%、アプリ内で誘導する代替決済を使った場合は最大21%、アプリ内でAppleの決済を使った場合は最大21%+5%の決済手数料がかかる。同社は、デベロッパーにさまざまな選択肢を与え、多様な価値を反映したものだと主張する。

アップルから報復することはない

 CAFは、日本の開発者がApp Store以外の第三者のアプリストアになかなか移行しない要因を「日本の開発者がアップルからの報復を恐れているから」と分析する。

 アップルは、「デベロッパーに対して報復措置を講じたことは一切ない。今後もそのような行為はしない」と主張。同社は、アプリの配信が拡大できるよう、第三者のアプリストアとApp Store両方で配信しやすい環境を整えているという。

 CAFについてアップルは、Epic Gamesを含む外国企業が、日本の法律を自らに有利な形で活用しようとしているに過ぎないと主張。実際に、欧州では大多数のデベロッパーが引き続きApp Storeを選択しているといい、第三者のアプリストアである「Epic Games Store」は、iOS以外のプラットフォームでもほとんど成果を上げられていないと分析している。