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“撮る”をもっと自由に――ソニーが語るフラッグシップ「Xperia 1 VIII」の進化と「原石」デザイン

 ソニーは、発売を控えるスマートフォンのフラッグシップモデル「Xperia 1 VIII」の報道向け体験会を開催した。大型センサーを採用した望遠カメラの搭載や、「原石」をモチーフにした新たなデザインコンセプトにより、撮影体験と所有感を大幅にアップデートしている。

「感性とテクノロジーの距離を近づける」

 ソニーのイメージングコミュニケーション事業部門長の大澤斉氏は、「スマートフォンは日常の一瞬を切り取り、自分らしさを残すことができる最も身近な表現ツールだ」と語る。

ソニー イメージングコミュニケーション事業部門 事業部門長 大澤斉氏

 プロでなくても、特別な知識がなくても、直感的に「残したい」と感じた瞬間を形にできるよう、「感性とテクノロジーの距離をできるだけ近づけることで、撮ることそのものをもっと自由に、自然に楽しめるものにしていきたい」と、新モデル開発の狙いを明かした。

 その一環として、AI技術「Xperia Intelligence」を活用し、AIが撮影シーンに合わせて歴史ある建物にはレトロな色合いなどを提案する「AIカメラアシスタント」が搭載され、手にとるだけで自分らしい表現へ導くサポート機能が盛り込まれた。

AIが被写体を認識し、おすすめの表現を提案してくれる
オート
AIカメラアシスタントによる提案
オート
AIカメラアシスタントによる提案

暗所性能を飛躍させた大型望遠カメラ

 カメラハードウェアも大きな進化を遂げた。望遠カメラには、従来比約4倍となる1/1.56インチの大型センサーを採用。焦点距離は70mmと140mmに対応し、4800万画素の解像度を持つ。

 また、画像の重ね合わせ処理技術「ローマルチフレームプロセッシング」により、HDR性能や解像感の向上、ノイズ低減が図られている。この処理技術とセンサーの進化により、「3眼すべてでフルサイズ並みの暗所性能を実現した」とアピールする。

「写真」モード
Xperia 1 VII(85mm)
Xperia 1 VIII(70mm)
「ぼけ」モード
Xperia 1 VII(85mm)
Xperia 1 VIII(70mm)

「原石」をモチーフにした塊感のあるデザイン

 デザイン面では、「Ore(原石)」という新たなコンセプトが掲げられた。担当者は「あらゆる可能性を秘めたフラッグシップが、多様なユーザーの個性によって磨き込まれ、輝きを放つ存在と定義した」と背景を説明する。

 カメラバンプ、背面ガラス、メタルフレームの質感を合わせることで、「様々な機能が凝縮された、原石のような所有感を満たす塊」を目指したという。

 さらに、望遠センサーの大型化に合わせてカメラのレイアウトも見直された。3つのレンズ間の距離を縮めることで、レンズ切り替え時に生じる画角のズレが抑えられ、より自然な撮影体験が実現されている。

 また、横持ちで撮影する際に指がレンズの出っ張りに引っかかりにくくなるよう配置が変更され、安定した姿勢で撮影できる形状へと進化した。

 カラーはグラファイトブラック、ライオライトシルバー、ガーネットレッド、ネイティブゴールドの4色展開。ネイティブゴールドはオープンマーケットモデル限定色として提供される。

内部構造の見直しとオーディオ体験の向上

 基本性能として5000mAhの大容量バッテリーを搭載しつつ、本体内部の部品レイアウトを最適化することで、高いパフォーマンスを維持する設計となった。

 オーディオ面では、フロントステレオスピーカーが刷新。新しいスピーカーユニットが採用されるとともに、左右の配置がより対称に近くなるよう見直され、よりクリアで立体感のある音響体験が提供される。

質疑応答

――XperiaのXアカウントで、AIアシスタントの画質比較について海外を中心に若干炎上しているようだが、それに対する見解は。

大澤氏
 AIカメラアシスタントの絵作りは、ソニーが長年培った膨大なデータを解析し、ユーザーの撮影シーンに合わせた形で提案していくつもりです。

 今回のAIカメラアシスタントはスタートであり、ユーザーのフィードバックも含めて今後より良い方向に進化させていければと考えております。

大澤氏

――これまでの「Xperia 1」シリーズはクリエイターの入門機的な位置づけだったが、AIカメラアシスタントの搭載により、これからカメラを使いたい人やスマートフォンで写真を撮りたい人にも応えられるようになっている。間口を広くしたなど、位置づけの変化はあるか。

大澤氏
 ソニー全体としてクリエイターエコノミーを非常に意識しており、これまでXperiaは「α」につながる入り口として位置づけてきました。

 1億総クリエイター時代において、プロや高機能志向のユーザーに使ってほしいという思いは引き続きあり、プロモードも用意しています。

 一方で、より簡単に美しい写真や動画を撮りたいという要望も増えているため、今回はそうしたユーザーにも技術を使ってもらうアプローチをしました。

――AIカメラアシスタントの目指す絵や、膨大なデータとは何をもとにしたものなのか。

北澤氏
 ソニーはカメラメーカーとしても社内に様々な知見をもっています。それを活かし、「クリエイティブルック」をベースとした提案として、一般のユーザーにも楽しんでもらえるよう各シーンに最適な絵作りをしています。

 カメラの知識がない社員も交えて幅広く調査し、ユーザーの好みに合う絵作りを目指しました。最適な構図や、ポートレートにおけるセオリー、焦点距離も含めておすすめできる仕上がりにしています。

ソニー イメージングコミュニケーション商品企画部 プロダクトプランナー 北澤英里氏

――価格が昨年モデルと比べてさらに上がっているが、価格政策をどう考えているか。

大澤氏
 昨今のメモリ需要の急増による価格上昇や、人件費、製造費、物流費などの値上がりが背景にあります。価格を抑える努力はしていますが、今回はこの価格設定になりました。

 価格の上下だけでなく対価の目安があると考えており、AIカメラアシスタントやフルサイズ並みの暗所性能などの価値を、ユーザーにどう受け入れてもらえるかを注視しております。

――市場環境が厳しい中、どのような層がどのように購入することを想定しているか。ラインナップ全体の中でのフラッグシップモデルの位置づけも含めて教えてほしい。

大澤氏
 クリエイション活動に興味を持つユーザーに引き続き使ってほしいと思います。ラインナップの中では、従来通りXperiaシリーズのフラッグシップモデルと位置づけています。惜しみない技術と体験を届け、フラッグシップとして恥ずかしくないモデルを提案しています。