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西新宿のミリ波エリアが33%→99%に、KDDIと京セラが新技術を開発

 KDDIと京セラは、ミリ波(28GHz帯)のサービスエリアを拡張する無線中継技術の開発に成功した。2025年度の実用化を目指す。

 東京都の西新宿エリアに、新技術を実装した中継装置を22台設置したところ、ミリ波のサービスエリアとして、道路上をカバーするものが33%→99%と一気に拡大したという。

新技術の特徴

 ミリ波は直進性が高く、ビルなどがあると、さえぎられやすい。そのため、別の基地局(アンテナ)を用意してエリアを作っていく必要がある。その分、より多くのアンテナが必要となる。

 従来の中継技術では、中継機に備わるアンテナの役割が、「こちらは受信専用」「こちらは送信専用」とそれぞれ独立する考え方だった。

 これは、基地局の方を向いているアンテナが受信専用となる一方、基地局から受けた電波を届けようとする中継機のアンテナは送信だけを担うというかたちだった。

 しかし、今回は、環境に応じて、アンテナは受信・送信の役割を切り替えるようにした。

 さらに中継機器同士が、自律的に中継ネットワークを形成し、相互につながってメッシュ上にエリアを広げられる。この際、もっとも無線品質の良い中継ルートを選んでやり取りする。

 また、中継機で送った電波は、基地局から送られる電波と干渉せず、干渉に関する設計を省略してミリ波エリアを拡大できるという。

2025年度に実用化へ

 まずは西新宿の屋外で、10月29日からテストをスタート。2025年3月31日まで試験を進める。

 その上で、繁華街や駅、スタジアムなどで2025年度の実用化を目指す。