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ソフトバンクとNIMSが金属リチウム電池の寿命予測モデル開発、実用化に向けて前進

 ソフトバンクとNIMS(物質・材料研究機構)は、高エネルギー密度の金属リチウム電池の寿命予測モデルを開発した。金属リチウム電池の安全性や信頼性の向上につながるもので、「実用化に向けた大きな一歩」とされている。

 広く普及するリチウムイオン電池では負極に炭素を用いるが、金属リチウム電池はリチウム金属を使う。これにより、リチウムイオン電池のエネルギー密度と比べて、理論上、10倍以上のエネルギーを蓄えられる。

 そこで、NIMSとソフトバンクでは、基地局やHAPS(空飛ぶ基地局)などでの採用に向け、研究を進めている。

ソフトバンクがHAPS開発で用いる無人航空機「Sunglider」。こうした機体への搭載に向けた開発となる

 実用化のためには劣化の度合いを把握することが必要だが、金属リチウム電池の劣化のしくみはリチウムイオン電池より複雑で、詳細は明らかになっていないという。

 今回、研究チームでは機械学習を取り入れて、金属リチウム電池の寿命予測モデルの構築に挑んだ。リチウムイオン電池ではデータをもとに、統計学的な視点で電池寿命を予測する技術の開発が盛んになっているとのことだが、金属リチウム電池ではまだ進んでいなかった。

 チームでは、4cm×3cmという金属リチウム電池を50セル以上、作成して充放電性能を評価。35種類の特徴量を抽出し、寿命予測モデルの構築を実現した。抽出された特徴量は、大きく「放電プロセス」「充電プロセス」「緩和プロセス」の3種類に分類でき、それらのうち、予測精度が高いモデルに役立つものが、放電プロセスに関する特徴量であることを見つけた。そして重要度解析も進めて、ほかのデータでサイクル寿命と高い相関があるものも見つけ出した。

 引き続き予測モデルのさらなる精度向上や、新規材料の開発を進め、高エネルギー密度金属リチウム電池の早期の実用化に貢献していく。