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ソフトバンクとEmpower Japan、全固体電池開発で350Wh/kg級の重量エネルギー密度を実証

 ソフトバンクとEmpower Japanは、全固体電池の開発において、全固体リチウム金属電池セルの重量エネルギー密度を350Wh/kgまで高める実証に成功した。

 両社は、次世代電地の研究開発を進めている。次世代電池とは、成層圏から通信サービスを提供するHAPSなどでの活用が想定されている電池のこと。HAPSでは、重量エネルギー密度が高く、軽量で大容量のバッテリーが必要となる。

 全固体電池は、液体電解質と異なり、正極活物質‐固体電解質の界面の密着性が低い。これにより、イオン電導にかかわる界面抵抗が増加し、電池容量の減少や出力特性および寿命特性の低下、正極活物質‐固体電解質間や固体電解質間同士の界面形成における課題が生じていた。

 そこで、両社は固定電解質の粒径の制御や、成膜プロセスでの粒子の分散性を改良した。これにより、固定電解質の均質化に成功し、電極間に良好な界面が形成され、重量エネルギー密度を350Wh/kgまで高めることが可能となった。

 今後は、2024年度中に重量エネルギー密度を400Wh/kgまで高め、2026年度に1000サイクル以上の高寿命化を目指すとする。