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クアルコムが「Snapdragon 7+ Gen 3」を発表、オンデバイスの生成AIをサポート

 米クアルコムは、スマートフォン向けのチップセット「Snapdragon 7+ Gen 3」を発表した。OnePlus、realme、シャープなどで採用される予定とのことで、今後、数カ月以内に「Snapdragon 7+ Gen 3」搭載のスマートフォンが登場する見込み。

 「Snapdragon 7+ Gen 3」は、フラッグシップのSnapdragon 8シリーズに次ぐ性能を実現するチップセット。7シリーズとして初めてオンデバイスの生成AIをサポートする。対応する大規模言語モデル(LLM)は、Baichuan-7B、Llama 2、Gemini Nano、Zhipu ChatGLMなど。

 オンデバイス、つまりスマートフォンに搭載される「Snapdragon 7+ Gen 3」上で処理される。スマートフォンメーカーはAIアシスタント、多言語翻訳、文字起こしなどを実現できる。

カメラをサポートする画像処理性能

 「Snapdragon 7+ Gen 3」では、18bit対応のコグニティブISP(画像処理プロセッサー)を搭載。最大200MP(2億画素)カメラセンターまで対応し、色彩豊かな写真を記録できる。

 また、セマンティックセグメンテーションにより、たとえば人を撮影するとき、カメラで捉えた被写体のうち、髪や顔、風景、服などを個別に認識して、それぞれに適した処理を施す。

 動画撮影では、スマートズームを実現する超解像技術をサポートする。

ゲーミング、音楽、Wi-Fi 7対応

 ゲーム関連では、Adreno Frame Motion Engine 2.0と名付けられた技術により、フレームレートを2倍に向上。それでいて消費電力は上がらないとのことで、スマートフォンでもより高精細な映像でゲームを楽しめる。

 Snapdragon Soundテクノロジー・スイートでは、サラウンド再生や、スマートヘッドトラッキング、空間オーディオをサポート。Bluetoothでのロスレス(ハイレゾ)再生なども実現する。

 通信関連では、FastConnect 7800により、Snapdragon 7シリーズで初めてWi-Fi 7に対応する。

 モバイル通信ではSnapdragon X63 5Gモデムを搭載。3GPP Release 17対応で、ミリ波は4キャリア2×2 MIMO、Sub-6では4×4 MIMOに対応。下り最大4.2Gbsになる。

 CPUコアはArmの「Cortex-X4」。もっとも処理能力が高いプライムコアは1つ用意され、最大2.8GHzで駆動する。また、4つのパフォーマンスコア(最大2.6GHz駆動)、最大1.9GHz駆動のエフィシェンシー(高効率)コアを3つ備える。CPU性能は15%、GPU性能は45%とそれぞれ向上しつつ、消費電力は5%削減する。

 昨秋発表された「Snapdragon Seamless」もサポートされており、WindowsなどほかのOSプラットフォームを認識、連携し、データ共有などができる。