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マイクロソフト直伝、生成AI「Copilot」を使いこなす3つのコツ

 「生成AI」の開発競争が加速するなか、その「活用」にも注目が集まっている。日本マイクロソフトが同社のAI「Copilot」におけるプロンプトを書くための「コツ」を説明した。

 多くの会社がAIを手掛けるなか、マイクロソフトは「Copilot」(コパイロット)を提供している。同社の検索サービス「Bing」やスマートフォンアプリ、Windows、ブラウザなどから利用できる。同社の調査によれば、8割近くの回答者がAIは日々をより快適にしてくれると答えており、Z世代については7割弱が個人向けの用途でAIを活用していると回答しており、AIが一般的なものになりつつあることを示唆していると言える。

 日常生活へ浸透しつつあるAIはどのように使いこなすべきか? マイクロソフト ディベロップメント WWE Japan 開発統括本部 プロダクトマネージャーの篠塚祐紀子氏がその活用のコツを語った。

右=マイクロソフト ディベロップメント 篠塚氏

Copilotを使う3つのコツ

 プロンプトとは、AI利用時にユーザーが入力するAIに対する指示などを指す。適切なプロンプトを書くことで、ユーザーが思った通りの内容を回答してくれる可能性が高まる。一方で篠塚氏は「自然な会話にまかせて気軽に使ってほしい」とも語り、Copilotを有効に使ううえでのプロンプトを書くコツを「目的を説明する」「場面と役割を設定する」「回答の表現や出力方法を伝える」の3つと示した。

 何をしてほしいかを明確に伝えることで、AIがユーザーの要求通りに動いてくれる可能性が高まる。人と対話するときと同じことだと篠塚氏は説明した。してほしいことが複数ある場合「〇〇してから〇〇してください」とステップごとに分けることでより確実性は高まるという。

 「場面」と「役割」を設定することもまたポイントのひとつ。「面接官になってください」や「先生になったつもりで回答してください」など具体的な役割を与えることで、求めているアドバイスへの答えの精度が高まることが期待できる。さらに自分の立場をAIに教えてどう振る舞えばいいかと聞くことも有効だ。部下の結婚式でのスピーチ案を考えてもらう場合の「自分は職場のマネージャーで部下の結婚式で挨拶をしたい」といった例が示された。

 こうしてAIに尋ねたことを、読みやすいかたちで出力してもらうため表現の方法を伝えることもできる。フォーマルな挨拶や砕けた表現のメール風に出力してもらう、もしくは表にまとめたり箇条書きにしてもらったりとデータとして加工しやすいかたちにもできる。

日々の生活からビジネスにも

 こうしたコツをうまく活用できれば、ビジネスのアイデア出しなどにもAIを使いやすい。1回の回答で思った内容が出てこなければ、続けてより詳細な条件を示すことで納得の行く回答を導き出しやすくなる。

 通常のWeb検索の代わりや報告書など資料作成の補助、「Copilot in Edge」では動画やローカルのPDFを含めたWebサイトの要約にも対応する。ほかにも言語翻訳やグラフから読み取れることを質問する、キービジュアルなど画像の生成もできる。

 日々の生活からビジネスのサポートなど、幅広く活用できる可能性を秘めている。篠塚氏は「これ以外にも使い方はあると思う。ぜひ使ってもらってこういう使い方があるということを教えてほしい」と語った。マイクロソフトのCopilotは、Windowsやスマートフォン、ブラウザなどさまざまなプラットフォームから利用できる。