ニュース

ソフトバンクG決算、上期は1.4兆円の赤字――SVFは2四半期連続の黒字、AI関連の投資を再開へ

取締役 CFOの後藤 芳光氏

 ソフトバンクグループは、2024年3月期第2四半期決算を発表した。連結業績は、売上高が3兆2271億円(前年同期比+446億円)、投資損益が-9636億円(同-1140億円)、純利益が-1兆4087億円(同-1兆2796億円)となり、増収減益となった。

 同社の子会社であった半導体企業の英Arm(アーム)が9月14日にナスダックが上場した。同社では引き続き90%の株式を保有しており、取締役 CFOの後藤 芳光氏今後もアームのターゲットとなるスマートフォンや自動運転関連、クラウドサーバーなどのインフラ機器などの市場は拡大するとし、順調に成長していることをアピールした。

 一方、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)については、四半期における投資損益は直近の2四半期連続で黒字となったものの、累計の投資損失は今期時点で-73億1600万ドル(約1兆1056億円)で引き続き改善へ取り組むとしている。

 今後の取り組みについて後藤氏は、先述のアームのほかAI関連への投資を再開し、優良案件の発掘に注力する姿勢を示した。たとえば、AIを搭載した自動運転技術に取り組む「Stack AV」や、倉庫内のパレットの取り扱いを無人化する「Balyo」、用途に合わせたカスタム地図アプリを手がける「Mapbox」などを挙げた。

 後藤氏は、同社の財務の安全性について「少なくとも2年分の社債償還資金を保持している」点や「SVFや子会社から継続的な配当収入を確保できている」点などを挙げて安全性をアピール。

後藤氏

 また、今後も「守りと攻め、両面でしっかり対応できる財政運用を行っていく。我々が右肩上がりで成長するためには、既存のポートフォリオだけではだめで、やはり新規投資を進めていかなければならないが、新規投資だけを考えているわけではない」とし、財政の安全性の維持を念頭に進めているとした。