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シャープ「AQUOS sense8」を発表――気軽にきれいに撮影できるカメラ機能と大容量バッテリーを搭載

左からペールグリーン、コバルトブラック、ライトカッパー

 シャープは、Androidスマートフォン「AQUOS sense8」を今秋以降に発売される。

 NTTドコモとKDDI(auとUQ mobile)、楽天モバイルから発売されるほか、MVNOではJ:COMモバイルから発売される。また、シャープからSIMフリーモデルも展開予定としている。SIMフリーモデルの価格は5万円台後半としている。

 価格を抑えながら普段使いの性能が強化されたsenseシリーズの最新モデルとなる。先代モデルでラインアップされたplusモデルの展開予定はないという。

光学手ぶれ補正を搭載したメインカメラ

 本体の背面には、有効画素数約5030万画素(F値1.9、84°、23mm相当)のメインカメラと有効画素数約800万画素(F値2.4、120°、15mm相当)の広角カメラを備えている。

 メインカメラは、1/1.55インチの大型イメージセンサーを備えているほか、senseシリーズでは初となる光学式手ぶれ補正(OIS)機能を搭載している。大型センサーで多くの光を取り込み、手ぶれを補正することで、片手でのカメラ操作や暗所でのポートレート撮影などでもきれいに明るく撮影できる。

 また、新画質エンジン「ProPix5」を搭載しており、非圧縮のRAWデータを複数枚撮影し合成する「HDR撮影」に対応している。明暗差のあるシーンでの黒つぶれの低減や豊かな階調表現で、細部の質感まで美しく表現できるとしている。

 これらに加えて、ピクセルビニング同様にカメラセンサーからのデータを調整することで、暗所環境などで有利な高感度モードとズーム撮影などで有利な高精細モードを切り替えることで、望遠レンズがなくても光学2倍相当のズーム撮影をサポートする。

sense7とsense8を比較
シャッターボタンを移動させられるカメラアプリ

5000mAhバッテリー搭載モデルでは世界最軽量

 「AQUOS sense8」のバッテリー容量は5000mAhで、省電力のIGZO OLEDディスプレイ(約6.1インチ、1~90Hz可変駆動)を搭載することで、1日10時間利用でおよそ2日間利用できる電池持ちを実現している。

 5000mAhのバッテリーを搭載したスマートフォンのなかでは最軽量クラスとうたう約159gの重さや、約71×153×8.4mmのサイズで、気軽にすぐに利用できるサイズ感に収められている。

 また、普段使いするスマートフォンでは気になる防水防塵性能や耐久性については、IPX5/8とIP6X、および米国防省調達規格のMIL-STD-810Gに準拠している。

“日本のAndroidスマートフォンのど真ん中”を追求

通信事業本部 本部長の小林 繁氏

 シャープ 通信事業本部 本部長の小林 繁氏は、senseシリーズについて「累計1000万台以上出荷している大きなボリュームのあるシリーズ」としており、「日本のAndroidスマートフォンのど真ん中をずっと追求してきた。

 日本のAndroidoスマホのど真ん中、日本人のAndroidの使い方を知っているからこそできる製品。昨今は、プラットフォーマーが作った製品などでAndroidスマートフォン業界に“大きな地殻変動が起きている”」としており、競争環境にも変化が起きていることを示唆。一方で、「Androidの認識が変わっていくなど、私どもにとっても製品をより磨き上げていくいいきっかけになり、結果的にはよかった」との考えを示した。

 senseシリーズをはじめとした「スタンダードシリーズ」について、これまではフラッグシップモデルの機能をいくつか選んで乗せていくという考え方から、「スタンダードモデル用の性能やコスト、サイズなど、限られたリソースからいかに磨き込み仕上げていくかという戦いが激しくなってきている」と説明。今回のsense8についても「日本の普通のAndroidスマートフォンの使い方を知っている」開発陣で開発していると、製品への自信をあらためて示した。

 商品企画部 課長の清水 寛幸氏も「スマホに詳しい方もそうでない方も、便利さ、楽しさを前に進めていきたい。スタンダードクラスのスマートフォンに大きな変化が起きているなか、シャープでしかできない価値を提供していく」とし、今回のsense8では、「気軽に使えるカメラ機能」と「がっつり使える電池持ち」をユーザーに提案していくとした。

商品企画部 課長の清水 寛幸氏

主な仕様

 本体の大きさは約71×153×8.4mm、重さは約159g。

 チップセットは「Qualcomm Snapdragon 6 Gen 1」、メモリーは6GB、ストレージは128GBを備える。

 ディスプレイは、約6.1インチ(2432×1080)のIGZO OLEDディスプレイを搭載。リフレッシュレートは1~90Hzの可変駆動で、黒画面を挿入することで最大180Hz相当のリフレッシュレート機能が用意されている。

 背面カメラは、1/1.55インチの大型センサーを搭載した有効画素数5030万画素(OIS、F値1.9、84°、23mm相当)のメインカメラと約800万画素(F値2.4、120°、15mm相当)の広角カメラのデュアル構成。前面には有効画素数約800万画素(F値2.0、78°、26mm相当)のフロントカメラを備える。

 Wi-FiはIEEE802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.1に対応。生体認証は、マスク対応の顔認証と指紋認証(側面の電源スイッチ)をサポートする。

 バッテリー容量は5000mAh、このほかおサイフケータイ(NFC)や3.5mmイヤホンジャック、microSDカードスロットを備える。

 本体カラーは、ペールグリーンとライトカッパー、コバルトブラックをラインアップする。

アルミ削り出しや光学フィルターなど

歴代のsenseシリーズ

 記者向けに開かれた発表会では、「AQUOS sense8」の特徴や長所をアピールするさまざまな展示が展開されていた。

本体の耐久性を“アルミの削り出し”で紹介

 「本体の耐久性」という面では、歴代のsenseシリーズとともに本体の製造工程を紹介する展示があり、初代senseとの曲げ強度比較や、今回の「AQUOS sense8」の製造工程ごとのものの実物が展示されていた。

初代senseと今回のsense8を比較

 強度強化のため、本体の殻となる躯体部分にはアルミ素材が使用されていて、アルミのブロックを「AQUOS sense8」の形に削り出し、端子やカメラ部分などに成型した樹脂をはめ込み、実際の躯体部分になるよう研磨など調整が加えられて加工される。

 実際に手に取ってみると、アルミの削り出しの部分は、軽量でありながら、外から力を加えても強度が確保されている印象をうけた。

光学フィルターで本格的な撮影体験を

 レンズ交換式カメラなどでは、光量などレンズへの光の入り方を調整する「光学フィルター」を、レンズの先端に取り付けて撮影することが多い。

 たとえば、レンズの保護や紫外線を抑えるUVフィルターや、光量を抑えるNDフィルター、特定の光の波長を抑える「偏光フィルター」などがあり、撮影シーンにあわせてフィルターを交換して撮影することがある。

 一方、スマートフォンでは、カメラアプリなどで同様の機能が備えられていることがあり、多くは内部のプロセッサーでカメラセンサーからの情報を解析したり、複数の画を重ね合わせたりすることで同様の効果を演出している。

 今回の展示では、スマートフォンケースと協力のうえ、「AQUOS sense8」のカメラ部分を覆うように光学式フィルターを取り付けられるケースが用意されていた。

 担当者によると、光学式フィルターで多く展開されている52mm経のものが用意されており、ユーザーがすでに持っているフィルターを取り付けてみたり、レンズ面保護のためにフィルターを取り付けたりしてみてほしいと提案している。