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5Gスマホの比率は95%に拡大、MM総研のレポート

 MM総研は、2022年1月~12月の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。総出荷台数は、従来型携帯電話(Android OSの二つ折り端末を含む)とスマートフォン(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル、オープン)を合わせたものとした。

2022年の総出荷台数は3372.7万台

国内携帯電話端末の出荷台数推移(暦年)

 2022年総出荷台数は3372.7万台(前年比7.7%減)となった。内訳は、スマートフォン出荷台数が 3167万台(同6.1%減)、フィーチャーフォンは205.7万台(同26.5%減)で、総出荷に占めるスマートフォン比率は93.9%で過去最高となった。

5Gスマホが出荷全体の95%を占める

スマートフォンの出荷台数

 2022年のスマートフォン出荷は3167万台で、前年比6.1%減となった。5Gスマートフォンの出荷台数は3007.6万台で、前年の1960.9万台から53.4%増となった。スマートフォン全体の95.0%(前年比36.9ポイント増)を占める結果となった。

ドコモが38.0%と首位に

携帯電話事業者別のスマートフォン出荷台数シェア

 スマートフォンのチャネル別出荷台数の内訳では、キャリア出荷台数が2922.6万台(シェア92.3%)、MNOの4社以外が販売する端末の出荷台数を指す“オープン出荷台数”は244.4万台(7.7%)となった。

 キャリア市場の事業者別出荷台数をみると、NTTドコモが1203.7万台(シェア38.0%)、KDDIが822.4万台(26.0%)、ソフトバンクが781.8万台(24.7%)、楽天モバイルが114.7万台(3.6%)となった。

 楽天モバイルは、2022年5月に、従来の“0円幅”がなくなる料金改定を発表して以来、新規獲得に苦戦したという。これを受け、スマートフォン販売も前年の約3分の2となった。

アップルが11年連続トップシェア

2022年携帯電話出荷台数シェア
2022年スマートフォン出荷台数シェア

 2022年のメーカー別総出荷台数シェア1位はアップルで、2012年から11年連続で1位を獲得した。出荷台数は1544.6万台(前年比8.1%減)、総出荷台数シェアで45.8%(0.2 ポイント減)を獲得した。スマートフォンのみの出荷台数シェアでは、48.8%(1ポイント減)となった。

 iPhoneは50%近いシェアを維持しているが、台数の減少率はスマートフォン市場全体(6.1%)よりも2ポイント高い8.1%となった。理由としては、円安による価格改定での値上げや、携帯キャリアの新規・MNP獲得競争による端末値引きの沈静化、iPhone 14 Proの在庫不足が挙げられるという。

 総出荷台数シェア2位はシャープで394万台(シェア11.7%)、3位はFCNTで354万台(10.5%)、4位はサムスン電子で321.9万台(9.5%)、5位はソニーで256.6万台(7.6%)、6位は京セラで175.7万台(5.2%)となり、上位6メーカーで90.3%を占める結果となった。

 スマートフォン出荷台数シェアでは、1位はアップルの1544.6万台(シェア48.8%)、2位はシャープの332.4万台(10.5%)、3位はサムスン電子の321.9万台(10.2%)、4位はFCNTの285.4万台(9.0%)、5位はソニーの256.6万台(8.1%)となり、上位5メーカーで86.5%を占める結果となった。

買い替えサイクルの長期化などによりスマホの平均単価は上昇か

 2022年のスマートフォン出荷台数は過去最高を記録した2021年から6.1%減少した。販売台数ベースでは10%以上の減少となった。2023年は2022年に膨らんだ在庫調整が進むことが想定されるという。

 MM総研では、総務省や公正取引委員会による端末値引きへのけん制や携帯キャリア自身の自浄作用により、2022年11月からiPhoneが一括1円で販売されるケースは激減している、とする。

 Android市場では、4万円未満の低価格モデルの比率が最も高いが、中価格帯比率が上昇する傾向も見られる。製造原価の上昇や買い替えサイクルの長期化により、高機能な端末を求める購買行動が広がることで、スマートフォンの平均単価は上昇していくという。