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携帯電話出荷数が3000万台下回る、07年以降過去最少 MM総研調査

 MM総研は、2023年暦年(1~12月)の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、結果を発表した。

 MM総研の報告によると、2023年の総出荷台数は、前年比16.9%減の2801.3万台と、スマートフォンが日本に登場した2007年以降初めて3000万台を下回る過去最少となった。

 MM総研は過去最少の理由について、端末の品質向上による買い替え需要の低下や、フィーチャーフォン利用者減によるスマートフォン特別販売施策の減少、端末割引施策の縮小と分析している。

出典:MM総研(以下同)

 内訳は、スマートフォン出荷台数が前年比17.0%減の2628.6万台、フィーチャーフォンは16.0%減の172.7万台となり、スマートフォンの比率は93.8%となった。

 5Gスマートフォンは2603.1万台で、スマートフォン全体の99.0%に拡大したという。ミリ波対応スマートフォンは前年比23.1%増の137.6万台で同じく5.2%と拡大した。減少を続けるフィーチャーフォンは過去最少を更新。

 チャネル別出荷台数の内訳では、携帯キャリア出荷台数はシェア91.2%の2398.5万台、オープン出荷台数は8.8%の230.1万台となった。

 携帯キャリア市場の事業者別出荷台数は、NTTドコモがシェア32.2%の845.5万台、ソフトバンクが29.8%の784.1万台、KDDIが24.9%の654.1万台、楽天モバイルが4.4%の114.8万台となった。MM総研によると、特にドコモとKDDIの台数減少が目立ったという。

 メーカー別総出荷台数シェア1位はアップルで、2012年から12年連続で1位となったという。出荷台数は前年比6.8%減の1438.9万台、総出荷台数シェアで51.4%となった。スマートフォンのみの出荷台数シェアでは54.7%となった。

 市場全体の買い替え需要の低迷により出荷台数は減少するもシェアは増加したとしている。MM総研は、2023年9月発売のiPhone 15シリーズは、前年のiPhone 14シリーズと比較して、在庫も潤沢だったことが寄与していると分析している。中国での需要が低迷したなかで、日本市場向けを優先したためだと推測されている。

 2位はシャープの250.1万台(前年比9.5%)、3位はグーグルの246.8万台(同9.4%)、4位はサムスン電子で191.4万台(同7.3%)、5位はソニーの149.5万台(同5.7%)の順となった。

 MM総研では、2024年市場について3Gユーザーの巻取り縮小や電気通信事業法の省令改正に伴う端末割引規制の影響を指摘し、低調に推移するものと予測している。法改正の影響を把握するとともに5G普及の観点からミリ波対応・高価格帯の端末を普及させる仕組みなど、新たな議論が必要になる可能性を指摘した。